懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

「白鳥の湖」余話

2009-12-16 00:04:04 | Weblog
「白鳥の湖」関連でトラックバック入れてくださった方があったので、そのリンク先の記載内容に関連し、『白鳥』の話を少々。

①バレエ「白鳥の湖」の結末
作品の結末が悲劇であるべきか、ハッピーエンドか、という話については、何年か前にダンマガのインタビュー関係で、三浦雅士氏がバランシンの発言を引用し、それで決着ついた感ありました。それは、

「バランシンが、『白鳥の湖は、青年と乙女が出会う話で、その結末が悲劇かハッピーエンドかは、どちらでも良いのだ。』と言った」というような話です。
(いちおう三浦さんは、カタカナ表記で『ボーイ・ミーツ・ガールの話』といってました。何も日本語表記で英語表現使わなくても・・汗。)(昭和な人か。)

ボーイ・ミーツ・ガール。男と女が出会う話。
それが物語の核であって、結末が悲劇か喜劇かは、どちらでも、「よければ良い」。それが、現在的には、この「白鳥結末問題」の集約的意見として、既にコンセンサスは取れているのかと、私は思ってました。

新しいバレエファン、新しい研究者が増え、既知だった情報も行き渡らなくなるのかもしれません。バレエを研究したい方々には、原典、元ネタを確認した方が良いとお伝えしたいです。

*それと、リンク先にあった、「白鳥の湖の台本」ですが、私には、随分荒いように見えます。バレエの現場の人たちが「台本を読んで・・・」とか言う時に出てくる「台本」って、随分細かい話が出てくるので。

昔のバレエ資料には割りと細かい情報もあったのが、いつしか割愛され、近年は、バレエについては、公演パンフも雑誌も、薄めて薄めた情報しか載らなくなりました。

そんな中、「新国立劇場」さん作成の公演パンフは、独自色が強く、美術家の直截のレクチャーや、バレエ評論家ではない大学の先生で、その道の専門家や、芸術監督、芸術アドヴァイザー自身のインタビューや解説が載り、バレエ雑誌の記事より元データとして使い出があります。また、東京バレエ団の公演パンフも、写真・解説文で作品を伝える工夫が見られて、観劇の助けになり、時折他媒体ではキャッチできない情報も出ますので(ダンサーの何気ない発言の中に、知るべきネタがあったり、とか。)資料価値高いと思ってます。

寒くなってきたので、途中で挫折します。

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DVD、英国ロイヤル・バレエ団『白鳥の湖』

2009-12-07 00:46:46 | バレエ
英国ロイヤル・バレエ団の『白鳥の湖』2009年3月収録。ダウエル版。

①まず、なんと言ってもチャイコフスキーの音楽を奏でる、
指揮:ワレリー・オブジャニコフ、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団の演奏が、素晴らしい。(と自分は思う)

チャイコ「白鳥」って、まともに演奏されれば、こんなにも音楽だけで充分「白鳥の湖」の物語世界に没入できるものなのかと、再認識させられた。まさに「音楽が支配する」白鳥の逸品DVD。
(自分は、一介のしがないバレエファンの為、クラシック音楽ファンのような耳の肥え方は無いので、その程度の人間の意見と思って、耳の肥えた方は割引いて読んで下さい。日本のバレエ公演の演奏水準は、なんと申しましょうか、高くは、ないので・・・。)

②そして、ヨナンダ・ソナベントの美術・衣装が、この作品世界を統一感を持って構築し、洗練されていて、素敵です。(自分は豪華と思ったけど、解説には「退廃的な美術・衣装」とあるので、そういうイメージなのかも。)3幕の仮面舞踏会風な所もおしゃれ。

③オデット/オディールは、マリアネラ・ヌニェス。
彼女は特に「白鳥の湖」のスペシャリスト系ダンサーではないと思うので、そんな際立って巧いとか、凄いオデット・オディールではないですが、それは別に彼女の不名誉にはならないと思います。無難にそつなく踊りこなしていて、それで充分見られてしまうくらい、音楽、美術の作品構築力を感じました。(自分の見たオデット・オディールの中では、一番低い位かも知れませんが、私は白鳥は、プロのは原則かなり巧い人しか見ないので。つまり、スターのネームバリューじゃなくて、ちゃんと白鳥の主役として選ばれて踊りこんでる人、という意味で。)白鳥の湖は、本当は大変難しい役であり、バレエなので。

おそらくヌニェスは、これより、もっと彼女が輝く作品は他にあると思うけど、作品を壊さず、このバレエ団の白鳥を表現してると思います。

やっぱり新しいDVDは良い、といえるシロモノ。主観的な感想だし、私は今の最新の撮影技術には疎いので、撮影素人の意見ですが。

■他、王子:ディアゴ・ソアレス、ロットバルト:クリストファー・サンダース、
王妃:エリザベス・マクゴリアン、パ・ド・トロワ:ラウラー・モレラ、崔山姫、スティーヴン・マクレイ
バレエ団が総力を結集して、というのか、統一感が良かったです。

◎バレエDVDは、購入しても、その後1回見ただけで終わってしまうものもありますが。やっぱり、踊りの巧さだけでなく、演奏や撮影、画質、様々な要素あるかもしれませんね。

余談ですが、同じ英国ロイヤルバレエ団の、過去に出たDVD「マノン」全幕の方は、欲を言えば、演奏がまあまあというか、実際に見た舞台のガラ公演の方が、ぜんっっぜん演奏が感動的で、家に帰ってDVD見ると、複雑な気持ちに。DVDのは、キャストも昔の人だし、地味目な踊り、演技で、自分は結局1回くらいしか、全部通しては見ませんでした。

そうはいっても、当時私の入手できる「マノン」全幕はこれだけだったから、資料的価値はあって、有難く持ってましたが。

できれば今回のみたいに、新しくて画像がキレイで演奏が酔わせるものがあると、よりよいですね。

画質がいまいちでも、踊りが良くて有難いのも、中にはありますが。

ちなみに、私が一番良く見たビデオ・DVDのシーンは、以前売ってたボリショイ「白鳥の湖」の1幕の「道化の大回転」の場面です。今出回ってるベスメルトノワのじゃなくて、ミハリチェンコの主演の「白鳥」ですが。この道化さんが廻る廻る回る・・・というのは、気合入れたい時、何度と無く、ここのシーンばっかりみてました。

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