住職の独り言

~ご縁に触れて~

事実と真実

2008年09月27日 | Weblog
裁判所で、
「宣誓。良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、
偽りを述べないことを誓います」
とか宣誓するじゃないですか。

世間と仏法の立場は違うと思うけど、
「真実を述べ」じゃなくて
「事実を述べ」の方が良いんじゃないかといつも思うだよね。

広辞苑には、
事実…事の真実。真実の事柄。本当にあった事柄。
真実…うそいつわりでないこと。本当のこと。まこと等々

どっちも同じような意味だけど…
真実という言葉は使って欲しくないと思う。

親鸞聖人は教行信証に涅槃経を引かれて
 真実といふはすなはちこれ如来なり。
 如来はすなはちこれ真実なり。
 真実はすなはちこれ虚空なり。
 虚空はすなはちこれ真実なり。
 真実はすなはちこれ仏性なり。
 仏性はすなはちこれ真実なり。

…阿弥陀如来を真実と言われます。
私たちはどうかというと真実心のかけらもない凡夫であります。

~愚禿悲歎述懐和讃~
 浄土真宗に帰すれども
 真実の心はありがたし
 虚仮不実のわが身にて
 清浄の心もさらになし

~一念多念文意~
「凡夫」といふは、無明煩悩われらが身にみちみちて、
欲もおほく、いかり、はらだち、そねみ、
ねたむこころおほくひまなくして、
臨終の一念にいたるまでとどまらず、きえず、たえずと…
コメント
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