住職の独り言

~ご縁に触れて~

「度」の意味

2009年03月24日 | Weblog
産経新聞~漢字んな話~より

【度】
 咲…暖かかったり寒かったりが続いているけど、ご隠居さま、体調崩してない?

 ご隠居…ありがとう。この通り元気だよ。とはいえ今日の最高気温は20度近くになるっていうから、このところの寒暖の差は度を越してるね。

 咲…うん…。ねえ、いま言った、気温20度の「度」と、度を越すの「度」って、意味合いが違う感じだね。

 ご隠居…ああ、なるほど。ちょっと度の成り立ちを見てみるかい。これも諸説あるんだが、どうもこの字のポイントは「手」にあるようだよ。

 咲…え-、なにそれ。

 お隠居…度の「又」の部分が右手なんだって。かつては、物差しの代わりに手を使ってたりしてたんだろうね。

 咲…それじゃ、度は手で物をはかるってことなの?

 ご隠居…そういうこと。それで度は、はかるとか推量するって意味。そこから物差し、長さ。尺度なんて言葉があるだろ。忖度(そんたく)っていうのは、心の中で推しはかることさ。

 咲…気温の度は?

 ご隠居…目盛りの意味にもなって、温度や角度の単位。

 咲…へえ。でも度を越すの度は、単位じゃないよね。

 ご隠居…物差しが物事の決まりごとって意味になると制度とか法度(はっと)。そこから基準とか標準、ちょうどよい程合いってことにもつながるだろ。

 咲…度を越すっていうのは、程合いを越えるってことかあ。確かに手がポイントだっていのうも分かるなあ。

 ご隠居…度は「渡」とも近い関係らしくて「わたる」って意味もあるんだ。済度(さいど)は仏の教えによって彼岸にわたすこと。仏門にはいることを得度(とくど)っていうんだ。

 咲…ご隠居さまは、おつむだけは得度だね。

 ご隠居…仏の導きで怪我(けが)ない(毛がない)ってか。お咲ちゃん、そこはポイントじゃないから。(前田安正)
コメント
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