ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

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成田善弘『新訂増補・精神療法の第一歩』2007・金剛出版-成田さんの名著を再読する

2024年03月01日 | 精神療法に学ぶ

 2022年3月のブログです

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 精神科医で精神療法家の成田善弘さんの『新訂増補・精神療法の第一歩』(2007・金剛出版)を再読する。

 これもかなり久しぶり(成田さん、ごめんなさい)。

 しかも、感想文は初めて、たぶん(?)。

 成田さんのデビュー作である『精神科選書・精神療法の第一歩』(1981・診療新社)の改訂版だが、ご自分の文章への反省と思索がとても鋭く、びっくりしてしまう。

 大家はみなそうだが、本当にすごいと思う。

 今回の再読は、じーじの最近の研究テーマ(?)の一つである、わからないことに耐えること、について、成田さんが何か書いていないかな?と探索することだったが、やはりあった。

「すぐには答の出ないのがあたりまえなのだと思って、問を問のままに、多義的な可能性を孕んだままにしておこう。すぐに結論を出さず、曖昧なことを曖昧なままに、わからないことをわからないままにしておくことができることが、精神療法家の大切な能力の一つであるから」

 どうです?すごいでしょう。

 他にも、聴くことと聴かないこと、クライエントさんの言葉の意味を明確にしていくこと、「絶対」という言葉の危なさ、治療構造の大切さ(時間、空間、役割など)、電話についての対応、などなど、心理療法家にとっても重要な事柄が目白押しだ。

 今回は、大切に、大切に、読ませていただいた。

 今日からの心理面接に少しでも生かしていきたいと思う。     (2022.3 記)

 

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『海明け』・八木義徳さん・戦争の悲惨さ・軍隊のむごさ-じーじのじいじ日記・セレクト

2024年03月01日 | じいじ日記を書く

 2020年3月の日記です

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 どさんこ作家の八木義徳さんの小説『海明け』(1978・河出書房新社)を読む。

 旧制中学4年生の主人公らの、昭和3年から昭和20年までの人生が描かれる。

 画家や海軍軍人ら、その人生は様々だが、皆が真摯に生きる点は一緒だ。

 しかし、敗戦となり、海軍で部下を特攻隊長として見送った主人公の後輩は家族とともにピストルで自決する。

 4歳の女の子と1歳の男の子が死んだ場面では、涙が出た。

 戦争は悲惨だ。

 軍隊もむごい。

 挿し絵の風間完さん(五木寛之さんの『青春の門』の挿し絵を描いたかた)の絵がすがすがしかったのに救われた思いがする。  (2020.3 記)

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 2022年10月の追記です

 このブログを書いたころ、世界のあちこちで戦争のきな臭さは感じつつも、まさかロシアがウクライナを侵略するとは、想像もできなかった。

 ロシア政府の計画に相違して、戦争は長期化し、徴兵を嫌ったロシアの若者が数十万人も国外に脱出したのも驚きだ。

 政府に抵抗できないなら、まずは逃げるのも一つの方法だろう。

 命があれば、また祖国の再建に、平和的に参加することも可能だ。

 頑張れ、ロシアの若者たち!   (2022.10 記)

 

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