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中沢新一『虎山に入る』2017・角川書店-じーじの読書日記・セレクト

2024年06月29日 | 随筆を読む

 2018年のブログです

     *

 中沢新一さんの『虎山に入る』(2017・角川書店)を読みました。

 中沢さんの本を読むのは久しぶり。

 「縄文と現代とを結ぶ思考の稜線」というキャッチフレーズになんとなく魅かれて読み始めたのですが、最後の文章などは、縄文どころか、ホモサピエンスの誕生にまで話が遡るという、中沢さんらしく壮大なものでした。

 主な内容は、河合隼雄さん(臨床心理学)や山口昌男さん(文化人類学)への追悼の文章や折口信夫さん(民俗学)や井筒俊彦さん(宗教哲学)などの仕事についての論文などで、河合隼雄さんへの追悼文を読むと、お二人の絆の深さがうかがわれて、涙が出そうになって困りました(お二人の本については、2015年6月のブログに少しだけ書いています)。

 また、山口昌男さんとのことでは、中沢さんの若き日の学者姿が垣間見られて、とても楽しく読ませていただきました。

 じーじの大好きな井筒俊彦さんとのご関係は、じーじは初めて知ったことで、いろいろな人がいろいろなところでつながってくるな、とその不思議さと楽しさを感じることができて、幸せでした。

 他にも興味深い文章が並んでいて、マルクス主義の限界に論及したり、西洋文明の一面性に論及したりと、ちょっと驚くような、しかし、読んでみれば、納得もできるような刺激的で、真の意味で教養になるような文章が並んでいます。

 いずれまた、読み返して、さらに思索を深めたいと思いました。      (2018.6 記)

 


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