人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2015年 ホセ・クーラ マドリッドで知的障害者のためのチャリティーコンサート / Jose Cura / Charity concert in Madrid

2016-08-25 | チャリティー活動



ホセ・クーラは、アーティストの社会的責任として、また、そもそもクーラのアーティストとしての原点である平和と社会正義の実現のために、各国で、可能な限り、さまざまな形のチャリティーコンサートに参加しています。
フランスのナンシーで行われた2011年日本の東日本大震災支援のコンサートについては、以前、紹介しました。
 * → 「2011年 フランス・ナンシーで東日本大震災チャリティーコンサートに出演」

東日本大震災支援のような突発的、緊急的な取り組みのほかにも、白血病克服のためのドナーバンクの創設を目的としたポルトガルの取り組みでは、創設時からの理事となり、またハンガリーの障害者の就労支援のための基金には、定期的に訪問して支援のコンサートを行うなど、継続してとりくんでいます。

こうした活動の一環として、今回は、2015年4月9日に開催された、マドリッドでのチャリティー・コンサートを紹介します。
知的障害者の支援を目的としたProdis財団の15周年にあたって、クーラと長い付き合いのあるバリトンのルッジェーロ・ライモンディが、財団支援のために開催する7回目のコンサートで、ライモンディは、自身も障害のある子どもをもち、系統的に支援を続けているそうです。ライモンディの要請を受けて、クーラもはじめて参加しました。

コンサートは、ホセ・クーラが歌う、オペラ道化師のバリトンのプロローグ“Si può?…”から始まったようです。
他のソリストの歌をはさんで、クーラは、プッチーニのトスカから「星は光りぬ」や、アルゼンチンの愛国歌「アウローラ」の「旗の歌」やアルゼンチンの歌などを歌ったらしいのですが、残念ながら、録音も動画もありません。

参加者: José Cura, Rosa Torres-Pardo, Sabina Puértolas, Marina Pardo, Ruggero Raimondi

ポスター


クーラは、コンサートに参加した思いを、フェイスブックに記しています。いくつかの写真とともに、紹介したいと思います。

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●小さなピエロとともに

私は、とても感動的な瞬間の素敵な思い出を共有したい。
それはProdisのためのコンサートで、道化師のプロローグ“Si può?…”を歌った時のことだった。

私はいつも、一番近い席に子どもがいるとき、その子の手を取って、歩きながらと手をつないで歌うことがよくある。今回は、アナのチャンスだった。
アナは21歳。ダウン症をもっているが、私がこれまで一緒に歩いたなかでも、とても賢い女の子だった。

こういう場合、通常、子どもたちは、とても固くなったままだけれど、それどころか、アナは、私と一緒に歩きながら、無意識のうちに、「小さなピエロ」の役を演じてくれた。




私は、歌うあいだ、彼女を見ながら、魂の安らぎを感じた。それとともに、危険も感じた。
アナの無邪気さに、私は、深く心を動かされたので、歌いながら、感情のあまり窒息しないように、集中しなければならなかったからだ。

歌い終わって、私は安堵した。私だけではなかった。会場のなかの、ほぼ全員が泣いていた。
ありがとうアナ。
そしてみんな、財団の素晴らしい子どもたち、ありがとう。


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クーラは、以前、インタビューなどで、「自分はすぐ泣いてしまう」と言っていたことがありますが、今回もそうだったようですね(笑) 
一見、強面で、頑固、納得いかないこととは、とことんたたかいますが、その内面は、情熱的で熱く、ヒューマンな人であることがわかるエピソードだと思います。

 → 財団のHPのコンサートの記事



コメント
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