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テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(初日編)2017年 ホセ・クーラとミサ・クリオージャ、プラハ交響楽団とともに / Jose Cura & Misa Criolla in Prague

2017-11-03 | プラハ交響楽団と指揮・作曲・歌 ~2017




10月4、5日、2017/18シーズンのホセ・クーラの最初の公演、プラハ交響楽団とのコンサートが無事終了、成功しました。

ほぼ完売のホールで、盛り沢山の多彩なプログラム、魅力的なソリストとプラハ響による演奏は、大きな喝さいを受けたようです。
いくつかレビューが掲載され、コンサートの様子も紹介されていました。いずれまたレビューも紹介したいと思いますが、今回はまず、プラハ交響楽団がHPに掲載してくれた初日の画像をいくつかお借りして、コンサートの様子を紹介したいと思います。


チケットを購入した人には、5日のコンサート開演前に、恒例のクーラを囲んでのコーヒータイムもあったようです。



JOSÉ CURA & MISA CRIOLLA
Smetana Hall, Municipal House

4,5.10.2017

JOSÉ CURA / Modus (world premiere)
JOAQUÍN RODRIGO / Concierto de Aranjuez for guitar and orchestra
ARIEL RAMÍREZ / Misa Criolla (world premiere of the symphonic version)
ARIEL RAMÍREZ / Navidad Nuestra (world premiere of the symphonic version)

José CURA | tenor
Aniello DESIDERIO | guitar
PRAGUE PHILHARMONIC CHOIR
Mario DE ROSE, José CURA | conductor




≪プログラム≫
ホセ・クーラ作曲「Modus(モデュス)」(世界初演)
ホアキン・ロドリーゴ作曲 「ギターとオーケストラのためのアランフェス協奏曲」
アリエル・ラミレス作曲 「ミサ・クリオージャ」(シンフォニック・バージョン世界初演)
アリエル・ラミレス作曲 「アルゼンチンのクリスマス」(シンフォニック・バージョン世界初演)

ホセ・クーラ=テノール
アニエッロ・デジデリオ=ギター
プラハ・フィルハーモニー合唱団
マリオ・デ・ローズ、ホセ・クーラ=指揮





今回のコンサート、作曲家として、指揮者として、編曲家として、そして歌手としてのクーラの多面的な成果を一度に示す場となったようです。
前半では、クーラがこのコンサートのために新しく作曲した「Modus(モデュス)」と、ロドリーゴ作曲の有名なギター協奏曲「アランフェス協奏曲」を指揮しました。そして後半では、自分でオーケストレーションを手がけた、母国アルゼンチンの作曲家ラミレスの南米のミサ曲2曲をソリストとして歌いました。

報道などでクーラ自身が作品などについて述べている部分を抜粋して訳してみました。


――クーラの新作「Modus(モデュス)」作曲について

「中世のプラハにインスパイアされた私は、10分のトラックに、10世紀のキリエに由来する、コーラスとオーケストラのためのモデュスを取り入れ、10月にプラハ交響楽団(FOK)とのコンサートで初演する予定だ。」
(プラハ響FBより)


「FOK(プラハ響)という家族のレジデント・アーティストとして、毎年、私は自分の作品から1曲を初演してきた ―― 音楽劇『もし私が死んだら』(2015/16シーズン)、オラトリオ『Ecce homo(この人を見よ)』(2016/17シーズン)。
しかし、(これまでクーラが書き溜めてきた未発表の)『レクイエム(フォークランド戦争の被害者のためのミサ曲)』や、『The Montezuma y el Fraile pelirrojo』,『赤毛の兄弟』などは、このコンサートのためには大きすぎた。

今年、これまでの伝統を壊さないために、それでは残念なので、私はプラハの中世の雰囲気に触発された短い作品を書くことに決めた。
そこで、私は良いインスピレーションを探し始めた。私は10世紀のキリエからそれを見つけた。

私は2016年のクリスマスまで、一種の「グレゴリオ聖歌」である「Modus(モドゥス)」に取り組んだ。
その曲は常に同じモチーフの周りを回っている。徐々に多くのレイヤーをミュージカルトップに追加しながら発展し、そして同様にシンプルに終わる。」
(プラハ響HPに掲載されたクーラの言葉より)
 








――アリエル・ラミレスと作品について

クーラは、母国アルゼンチン・ロサリオの同郷の作曲家ラミレスから、もともと民族楽器と室内楽のために書かれたこの2曲「ミサ・クリオージャ」と「アルゼンチンのクリスマス」について、独占的にオーケストレーションの許可を得たようです。
次のようにクーラのインタビューでの発言が報道されていました。


「私は80年代の初めに合唱団で、ミサ・クリオージャとアルゼンチンのクリスマスの両方を歌っていた。そして90年代の終わりにはソリストとして。
その後、マエストロ・ラミレスは自分の音楽を、合唱とオーケストラのためのヴァージョンにしたいという願いを表明した。
2006年、彼は私に、彼の子ども(この2曲)について語った手紙を書いた。たいへんな名誉と責任だった。
そして今、11年後、私たちは彼の夢を実現する。」


アリエル・ラミレス(1921年 - 2010年)



下の動画は1999年、クーラがアルゼンチンにオテロの公演のために帰国した際に、作曲家のラミレスのピアノ伴奏で彼のミサ・クリオージャを歌っている動画です。
ラミレスは2010年に亡くなりました。残念ながら「夢」の実現は間に合いませんでしたが、母国の大先輩によって託された夢、その思いに報いることができたのは本当に良かったと思います。

Missa Criolla (short exerpt)









――クーラのインタビュー動画

劇場がアップした、クーラがコンサートについて語っている動画です(英語)。
ミサ・クリオージャと作曲家ラミレスのこと、共演するギタリスト、アニエッロ・デジデリオについて、そして初公開の新作曲「Modus(モドゥス)」について。




――イタリアのギタリスト、アニエッロ・デジデリオ

クーラの指揮でアランフェス協奏曲のソリストとして共演したデジデリオが、コンサートについて語っています。
動画の最後で、クーラが指揮してリハーサルしているオケとギターの美しい音が少しだけ聞けます。
非常に高い評価を受けているギタリストだそうです。

Aniello Desiderio





とても魅力的で盛沢山のプログラム、DVDなど動画で見られるようにしてほしいと切に願っています。




*画像はプラハ響のHPなどからお借りしました。
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