この6月、チェコのプラハで、ホセ・クーラが演出・舞台デザインするヴェルディのオペラ、ナブッコが開幕します。
以前も、すでに始まっている準備の様子を(告知編)で紹介しました。
プラハ国立歌劇場は、2001年にはクーラとともにヴェルディのアイーダで来日したこともあります。それ以外にも来日は多く、日本にもなじみの深い劇場です。
*補足
チェコのプラハには、たくさんの劇場がありますが、そのうちの主要な5つ――国民(国立)劇場(1883年)、国立歌劇場(1888年)、エステート劇場(1783年)、新劇場(1983年)、カーリン・ミュージック シアター(1881年)が、国民劇場の傘下におかれ、オペラ、バレエ、演劇などをそれぞれの劇場で上演しているようです。
すべての演目は、国民劇場(The National Theatre)のHPで紹介されています。
今回、クーラのナブッコが上演される劇場は、
*会場についてはカーリン・ミュージック シアターが正しいようです。失礼しました。国立歌劇場が2年間の修復工事中のためとのことです。
5月16日に、劇場がFBに、あたらしい写真を投稿してくれました。本格的なリハーサルにむけたプレゼンテーションのようです。この写真を中心に紹介したいと思います。
今回の演出構想などについて、クーラはまだSNSには掲載していません。どのような舞台になるのでしょうか。
Information
Musical preparation: Andreas Sebastian Weiser
Stage director: José Cura
Sets: José Cura
Costumes: Silvia Collazuol
Chorus master: Adolf Melichar
Dramaturgy: Jitka Slavíková
The State Opera Chorus and Orchestra
日程は、来年2019年6月までの15公演が発表になっています。6、7月分のチケットはすでに販売されています。ネットで購入できます。
来年の7月までのロングラン、この時期にプラハ旅行をご予定の方には、鑑賞をご検討されるようお勧めしたいです。
→ プラハ国立歌劇場HP
キャスト、スタッフらに具体的な演出内容を説明しているのでしょうか。
ノートPCを使い、プロジェクターでスクリーンにデザイン画などを映し出しながら、舞台構想、衣装などを紹介しているようです。
これが基本的な舞台セットなのでしょうか。昨年5月にボンで舞台デザインを手がけたピーター・グライムズの写実的な舞台とは打って変わって、抽象的で、シンプルなセットのように見えます。
今回は、衣装デザインはクーラではなく、別のデザイナーが担当しています。ナブッコの娘アビガイッレ(ソプラノ)の衣装の1つのようです。
これだけでは、まだ時代設定がいつなのかなどもよくわかりませんね。
スタッフか出演者からの質問に答えているところでしょうか。クーラはとても楽しそうです。
こちらはナブッコのもう1人の娘フェネーナを歌う、メゾソプラノのエスター・パウルさんのインスタから。彼女は以前、プラハ交響楽団のクーラのマスタークラスに選抜され、修了者とクーラとのコンサートにも出演したチェコの若手歌手です。すでにスコアにもとづくリハーサルが始まっているようです。
5月18日にアルゼンチン在住のお母さんを亡くしたクーラ。しかし舞台の初日は待ってくれません。初日は約1か月後の6月28日です。ゆっくりと母との別れを惜しむ間もなく、故郷から遠く離れた外国での多忙な日々に戻らざるを得ないと思うと、舞台人の宿命とはいえ、胸が痛みます。
自分のプロダクションの作業が始まると、早朝から深夜まで劇場に詰めきりになるというハードワーカーのクーラ。今年は、このナブッコの後にも、9月にはプッチーニの西部の娘の演出・舞台デザイン・指揮という新プロダクションも控えています。
多面的な活動で、常にフルに活動を続けています。ぜひぜひ、健康には留意してほしいものです。そして新プロダクションの大きな成功を願っています。
*画像はプラハ国立歌劇場のHP、FBなどからお借りしました。