毎年夏のシーズンには、ヨーロッパ各地でサマーフェスティバルが開かれ、多彩なコンサートが行われています。ホセ・クーラも、この7月前半に、3か所の野外コンサートに出演しました。
それぞれ、とても楽しそうな写真や、非公式のものですが動画もアップされていますので紹介したいと思います。
こうしたコンサートは、クーラのエンターテイナーぶり、多彩さ、人間的な豊かさ、フランクさが発揮されて、とても魅力的です。私もぜひ一度は、欧州のサマーフェスティバルでクーラのコンサートを体験したいと願っています。
今回紹介するのは、7月7日スイス・ヴィンタートゥール、7月10日クロアチア・ザグレブ、7月13日ハンガリー・ヴェスプレームです。
先月6月、クーラは、プラハで演出したナブッコの初演の準備と、プラハ交響楽団でのレジデントアーティストとしての最後のコンサートがあり、ほとんどマドリードの自宅から離れたままの忙しさだったと思います。しかもその後、すぐにコンサートツアーに出発しました。なので、この3公演が終わり、次の7月28日ハンガリー・トカイでのコンサートまでの間、いま、ようやく一息、というところでしょうか。
また9月には、演出・指揮もする西部の娘の新プロジェクト(これまでのブログ記事 告知編、 インタビュー編)が始まるのに加えて、クーラの2012年制作のカヴァレリア・ルスティカーナと道化師のプロダクションがアメリカ・サンフランシスコ歌劇場で上演されます。9月に向けて、この暑い夏も、ますますクーラはパワフルに活動することとと思います。
≪ 7/7 スイス・ヴィンタートゥールでのクラシック・オープンエア、オペラガラコンサート ≫
Jose Cura =Tenor, conductor
Ana Maria Labin
Eva Vogel
スイスのチューリッヒ郊外の街、ヴィンタートゥールでの野外コンサートです。
当日はコンサート開始前に、会場である広い公園で、ピクニック・ディナーの予約販売があったり、いろんな売店が出たりして、テーブルやシートを敷いて食事を楽しんだようです。
また開始後も、前の方のイス席の他に、後方や側方では、芝生の上で好きなスタイルで鑑賞できたようです。
主催者のフェイスブックに投稿されたコンサートの動画のリンクを2つ。この他にも、公式FBには、遠くからのカメラではありますが、コンサート前半部分が収録された録画もアップされています。クーラの歌やトーク、指揮するところもあります。クーラ指揮のサムソンとデリラの間奏曲はなかなかの迫力でした。興味がおありの方はどうぞ。
●クーラは指揮者も兼ねていたようで、共演の女性歌手2人の歌を指揮しています。
●クーラの「誰も寝てはならぬ」。野外フェス・ヴァージョン(笑)で、最後のVincerò!は思いっきりのロングトーンです。
≪ 7/10 クロアチアのザグレブ・クラシック2018、フィナーレ ≫
TUESDAY, 10 July 2018 at 21:00
King Tomislav Square
Zagreb Classic Festival Orchestra
José Cura, tenor
Evelin Novak, soprano
Dian Tchobanov, conductor
クロアチアの首都ザグレブでのサマーフェスティバル、最終日のコンサートです。
公式FBにたくさんの写真がアップされています。大勢の観客がコンサートを楽しむ様子や舞台上のクーラや共演者の写真など、たっぷりと70枚。
今回のトップの画像も、ここからお借りしています。右上のFマークをクリックするとすべての写真をFB上で見ることができます。
同じザグレブのコンサートから、共演したオーケストラのFB掲載の写真。
こちらは非公式ですが聴衆が録画してYoutubeにアップされたものです。
●西部の娘、ジョンソンの「やがて来る自由の日(Ch'ella mi creda libero e lontano)」
気の毒なことに、野外コンサートならではのアクシデントに襲われるクーラ。顔のまわりを飛び回る蚊を追い払いながらのジョンソンのアリア・・。
別な動画のなかでこれについてのクーラのコメントも。20年前、やはり野外コンサートでアリア中に蚊を吸い込んでしまったことがあり、5分中断を余儀なくされたとか。ユーモラスに語っていましたが、その時はさぞかし大変だったことでしょう。ということで、蚊を追う手の動きも、どことなくジョンソンの動作らしくみせるあたりが、クーラらしい(笑)
Jose Cura koncert part1 of 2 Zagreb classic koncert 10.7.2018
●トスカのカヴァラドッシのアリア「星は光りぬ(E lucevan le stelle)」
Jose Cura koncert part2 of 2 Zagreb classic koncert 10.7.2018
●プッチーニの蝶々夫人とラ・ボエームから、それぞれ美しい二重唱を。
クーラはこの2つのオペラに出演することはもうありませんが、こうしてコンサートでは歌ってくれるのでうれしいです。
実は私は、クーラが歌うこの2つの二重唱が大好きで、非公式ながら動画をアップした見知らぬクロアチアの方のFBに、お礼を書き込んでしまったほどです。
前半の蝶々夫人と後半のボエームの間、2人が拍手に応える時間があり、しばらく間隔があります。
Madama Butterfly duet , La boheme duet
≪ 7/13 ハンガリー・ヴェスプレームフェスティバル 2018 OPERAEST ≫
José Cura
Miklósa Erika Kossuth
Ramón Vargas
Rost Andrea
Conductor: Balázs Kocsár
ハンガリーの美しい古い街、ヴェスプレームでの夏のフェスティバル。第15回目の記念として、今回は4人のオペラスターが出演しました。
チケットは早々にソールドアウトしていました。
クーラは第1回に出演して以来、今回が3回目の出演です。
2人のテノール、2人のソプラノによって、美しい二重唱やオペラアリアがたくさん歌われたようです。 → 告知編
写真がたくさんアップされています。動画はあまり出回っていませんが、フェス事務局に問い合わせたところ、終了後に動画も公開する予定だと回答してくれました。
DVDなどまとまった形で公式動画がリリースされることを願っています。楽しみに待ちたいと思います。
●フェス公式FBにアップされた写真。60枚近くあります。
二重唱の写真がたくさんです。
特に今回、クーラは初めて、モーツアルトのドンジョバンニに挑戦(!)、ドン・ジョヴァンニがツェルリーナを誘惑するシーンの「お手をどうぞ」を歌いました。
そのため写真も、なかなかセクシーな表情です。
●同じくヴェスプレームフェスの舞台の様子。カメラマンのFBより。
●ヴェスプレームフェスの後に、クーラがインスタに投稿したラモン・ヴァルガスの珍しいツーショット。
●ヴェスプレームフェスのコンサートの前に、クーラとアンドレア・ロスト、エリカ・ミクローザ
*画像はフェスティバルやクーラ、出演者のFBからお借りしました。