
新しいニュースがホセ・クーラのフェイスブックで発表されました。(2019年2月15日)
クーラがシンフォニア・ヴァルソヴィアを指揮したラフマニノフの交響曲第2番が、iTunesなどでデジタル配信されるようになったということです。
2002年録音でCDリリースされていたものを、デジタルリマスターしたのだそうです。
クーラは2017年に、初めてiTunesやAmazonを通じて、デジタル配信を開始しました。その時も、やはりすでにCDで発表していたドヴォルザークの歌曲集「愛の歌」をリマスターしています。
その時のことは、以前の投稿で紹介しています。
→ 「ホセ・クーラ iTunesで楽曲配信を開始!まずドヴォルザークの愛の歌(ラブ・ソングス)」
→ 「ホセ・クーラが歌う、ドヴォルザークの歌曲『愛の歌』」
これまでも何度か紹介してきましたが、クーラは2000年前後に当時契約していたレコード会社が閉鎖されて以降、メジャーレーベルとは契約せず、自分のレーベルを設立して、数枚のCDを発表してきました。しかしその後、無断複製などの問題もあり、CDリリースに興味を持てなくなっていたそうです。
そして久しぶりに2017年「愛の歌」のデジタル配信で録音事業に復帰、今回が第2弾というわけです。
今後は、新録音の計画もあるようです。楽しみです。
≪FBでのクーラの告知≫
(抜粋)
――初めに、一番新しいニュースを。私の次のミュルーズ交響楽団とのコンサートでは、私のマニフィカトとラフマニノフの交響曲第2番を演奏する。それに合わせて、2002年にシンフォニア・ヴァルソビアと一緒に録音した、このロシアのピアニストで作曲家のセルゲイ・ラフマニノフによる素晴らしい作品を、私たちはリマスターした。そしてそれは「JoséCura Sinfonia Varsovia」とタイプするか、またこのリンクをクリックするだけでiTunesで入手可能になった。
当初、最初の数日間はフルアルバムを1,99€で販売し、その後、最終価格2,99で販売する予定だ。
まだニュースがある。2019年11月に、ハンガリー・ラジオオーケストラと合唱団、そして選ばれた国際的な歌手のグループと力を合わせて、私のオラトリオ「この人を見よ」(Ecce Homo)をレコーディングする予定だ。2019年のクリスマスにリリースすることを期待して、我々はレコーディングに向けての数週間の間、懸命に働いているだろう。
だから最後まで、クリスマスの買い物を持っていて!
――お知らせ
ラフマニノフ2は本日リリースされたため、まだすべての地域ではないかもしれない。しかし次の日にはあるだろう。
もし、1週間経ってもそれを見つけるのに問題があるのなら私に知らせてほしい。
ありがとう!
≪配信サイト≫
●iTunes
クーラがFBで紹介したiTunesでは、日本語版でもすでに配信されています。
第1~4楽章までのアルバムで450円です。

●Amazon
クーラの発表では触れていませんでしたが、前回の「愛の歌」と同様に、アマゾンのデジタルミュージックのコーナーでも、購入、ダウンロードができました。
私は初め、「愛の歌」同様に、iTunesで試したのですが、ウィンドウズの最新版がどうの、認証がどうのと、うまくいかず。思いついてアマゾンを見てみたところ、すでに配信されており、こちらはアルバムが400円、ダウンロードもすぐできました。
今回のリマスター版、音質も良くなり、MP3でダウンロードしたので、とても聞きやすく使い勝手がよいです。

≪CDについて≫
こちらは2001年発売のCD版です。絶版のようですが、時々、アマゾンなどで購入可能になっています。
私も比較的最近、購入しました。
とても評価が高く、よいレビューをたくさん受けています。ただ再生方法が少し変わっていて、CDに入っているソフトで再生する仕組みです。その点でも、今回のリマスター版は、聞きやすく、音質も向上し、おすすめです。

Sergei Rachmaninoff
SYMPHONY N. 2 IN E MINOR OP. 27
Complete Version
2002 - Cuibar Phono Video
Running time: 58 min.
Artists: José Cura
Conductor: José Cura
Members of Sinfonia Varsovia
1. Largo. Allegro Molto
2. Allegro Molto
3. Adagio
4. Allegro Vivace
≪CDリリースの際のレビュー≫
いくつかのレビューを紹介します。またこのCDだけでなく、クーラはコンサートでたびたびこのラフ2を指揮しており、それらをふくめ高い評価を受けています。上で紹介したクーラのFBで、多くのレビューが引用されていますので、興味のあるかたはぜひ。
●心地良いエクスタシーのよう
プロダクションは、その情熱的で、非常にエモーショナルな表現、そのロマンティックな活気、広がり、高められた表現、そして感情のコミュニケーションにおけるその直接性によって、説得力をもっている。指揮者の中には、長い音楽のフレーズで、歌手の「呼吸(ブレス)」を感じる。十分で豊かな音―― 心地良いエクスタシーのように。
(「Salzburger Nachrichten」)
●素晴らしいラフマニノフ
素晴らしいラフマニノフの交響曲第2番。可能なより良いバージョンの1つ。
(「Classics Today」)
そしてこのCDは、グラムフォンという音楽レビューのサイトで、最も良いラフマニノフ交響曲第2番を検討する企画でも、とりあげられています。

こちらがクーラのCDについての部分。


≪今後について≫
そして、次回の配信予定は、クーラが作曲したオラトリオ「この人を見よ」だそうです。2019年11月に録音予定。
こちらはプラハ交響楽団で世界初演を迎えた際の、クーラによる説明の動画です。
José Cura about Ecce homo
もともと指揮者、作曲家志望で、大学でも指揮と作曲を専攻したクーラ。長年の夢が、少しづつ、着々とかないつつあります。
魅力的な声と歌、演技を見聞きする機会が減っているのは残念な面もありますが、アーティストとして自分の道を切り開いていくクーラの姿を見るのは、本当に嬉しく、楽しいことです。
この間、クーラは、新作オペラの台本を書き、作曲し、オーケストレーションまでふくめ、すべて手掛けた作品を完成させたそうです。
その上演のチャンスも近い将来に拓けることを楽しみにしています。
