長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

これから読もうと思ってんだけどさぁ8  ~前勉強をつらつら~

2014年01月09日 09時39分18秒 | すきな小説
『連射王』(2007年 メディアワークス電撃文庫)
 『連射王』(れんしゃおう)は川上稔の小説。上下2巻組み大長編。2007年1月に単行本がメディアワークスより発行された。
 これまで、電撃文庫レーベルを主体にライトノベルを執筆していた川上稔が、初めて執筆した一般向け文芸作品である。
 内容は、シューティングゲームと、それに挑戦するゲーマーを題材とする。川上作品全体に共通して設定されている「都市世界」観における「 FORTH シリーズ」第1作とされているが、2013年時点では、このシリーズを構成する唯一の作品である。

 この作品は、川上のサイト上で Web小説として不定期に連載されていたものを改稿し、大幅に加筆して出版したものである。
 一般向け小説として単行本が刊行されたため、2013年2~3月に刊行された電撃文庫版にも、挿絵イラストは掲載されていない。

あらすじ
 「俺って何かに本気になれるのかな……」
 高校生活の卒業を目前にひかえ、それぞれの道を選択して歩み始める者たち。進学する者、就職する者、現実を見据える者、夢に突き進む者。
 新たな自分の可能性を目指す級友たちの中で、何に対しても本気で向き合えない野球部3年生の高村昴(コウ)は一人、取り残される。
 希望などない自分。目標などない自分。彼は急激に変化していく環境の中で、自身の立ち位置を見失いかけていた。
 そんな中、彼はある一人の人物との出会いから、「自分の本気」を模索する道を歩み始める。あるかどうか分からない、自分の中にいまだ秘めた「資質」。果たして、自分自身の本質はどこにあるのか? それは、射撃ボタンだけが知っている……
 「敢えて問いますが、君は、ゲームが好きですか?」

本作の時代設定について
 この小説の物語が展開する年代についての具体的な言及は作中ではなされないが、登場人物の会話から年号が「平成」であることがわかり、さらに主人公がメガドライブ(セガ)とおぼしき家庭用ゲーム機を自宅に持っていることから、「1989~94年ごろ」であると推定される。
 また、作中に登場するフィクション上の縦スクロール型シューティングゲーム『連射』シリーズ(『連射王』『大連射』『大連射2』『大連射 sp 』)を制作したゲーム会社について、実在した「東亜プラン」(1984~94年)を意識したと思われる描写が多く見られ、本作が東亜プランの倒産を目前にひかえた「1993年」の物語である、と解釈しても矛盾はない。
 ちなみに、『連射王』のモデルは東亜プランの『タツジン』(1988年)、『大連射』のモデルは『達人王』(1992年)、『大連射2』のモデルは『バツグン』(1993年)であると考えられる。


川上作品の「都市世界」とは……
 「都市世界」は、川上稔による各小説シリーズの舞台となっている架空の世界観である。
 時間の順番としては、「 FORTH 」、「 AHEAD 」、「 EDGE 」、「 GENESIS 」、「 OBSTACLE 」と、それらの滅亡と発展を繰り返した先に始まる「 CITY 」というそれぞれの世界を指す。各小説シリーズには、この世界の中の様々な時代・場所で発生した出来事が語られている。

世界の成り立ち
 最初に、「 CITY(都市世界)」の基礎となる「 FORTH 」、「 AHEAD 」、「 EDGE 」、「 GENESIS 」の4時代が存在した。これらはまとめて「基礎世界」と呼ばれ、ひとつの連続した時代でもある。この基礎世界は最終的に滅びることとなり、安定した世界を模索して世界の構築と崩壊が繰り返された「 OBSTACLE 」と呼ばれる時代となる。その末に成立した、これまでで最も滅びに強い世界が、都市世界と呼ばれる「 CITY 」である。

FORTH(前望の時代)
 全体としては概ね平和だった時代。この時代に開発された技術を「旧技術」と呼ぶ。世界が無個性であるがゆえに、個人重視となっていた。簡潔に言えば、今現在の現実世界(『連射王』の舞台となる、平成時代の日本もこれに含まれる)のことを指す。

AHEAD(前進の時代)
 基礎世界が、元々この世界に存在していなかった技術(二足歩行の大型人型機械や「異族」の存在、人体改造技術など)の導入により、変容していった時代。しかしその技術はまだ受容するだけの状態であり、人類が自由に利用できる技術にするための研究が進められた。なお、はるか未来の「 CITY 」時代では、それらの技術の由来は謎とされているが、この「 AHEAD 」時代の最初期にあたる『終わりのクロニクル』シリーズでは、その始まりの歴史が語られている。

EDGE(大先端の時代)
 「 AHEAD 」時代の技術を、人類が自らのものとしていった時代。また、人類は地球を出て外宇宙へと進出している。原因はある星系による内乱といわれているが、詳しくはわかっていない。さらにこの時代では、「 AHEAD 」後期に発見された「流体」と呼ばれる新しい燃料が実用化されている。

GENESIS(大基盤の時代)
 人類が地球に戻ってきた時代。「旧技術」の大半が使用できなくなり、それ以降の時代の技術が主流となり、それらの新技術が完全に人類のものとして定着した。最終的には、「 EDGE 」時代を終える契機となった大戦争が再び勃発し、この世界も滅びることとなる(『境界線上のホライゾン』シリーズがこの時代にあたる)。

OBSTACLE(大障壁時代)
 基礎時代をベースに様々な要素が追加されたり削られたりした世界が、無数の構築と崩壊を繰り返した時代。そのそれぞれの世界が、これまでの基礎時代と同程度の長さの歴史を持っていた。2004年2月から連載が開始されている短編小説シリーズ『 OBSTACLE OVERTURE 』(現在は休載中)がこの時代にあたる。

CITY(都市の時代)
 基礎時代と「 OBSTACLE 」にあった全ての技術が集約された時代。これまで世界自体に組み込まれていた「世界保護」の機能が無く、滅びに世界の住人が対峙できるようになった「自己責任の時代」でもある。そのため、何度も世界滅亡寸前の事態が起きているが、そのたびに住人(一連の「都市シリーズ」作品における主人公たち)の活躍によって滅亡は回避されている。
コメント
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