長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第23回『半兵衛の遺言』

2014年06月23日 23時12分03秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第23回『半兵衛の遺言』(2014年6月8日 演出・本木一博)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治  …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

明智 光秀      …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

荒木 村重      …… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

高山 右近 重友   …… 知力71、統率力75
 (演・生田斗真)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

丹羽 長秀      …… 知力82、統率力73
 (演・勝野洋)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

瀧川 一益      …… 知力66、統率力78
 (演・川野太郎)

佐久間 信盛     …… 知力57、統率力51
 (演・立川三貴)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

織田 信忠      …… 知力73、統率力69
 (演・中村倫也)

別所 重棟      …… 知力64、統率力57
 (演・佐戸井けん太)

荒木 村次      …… 知力48、統率力78
 (演・中山卓也)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

小寺 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

●村次「父上……そんな刃物のあつかい方をしていたら、指をケガするのは当たり前です! 刃物は外側に、外側に!!」
 ふだん、日本刀をぶっさして仕事してる人が、どうしてこんなアホの子みたいなナイフの持ち方をするんだろうか。茫然自失はいいわけにならんでしょ! 戦国武将をなめんなよって話ですよ。

●九郎右衛門「うわごとに申されていた牢番のせがれは救い出しました。」
 まぁ、そんなことは戦闘中にはできませんよね。加藤又左衛門重徳の息子は、胸に「牢番のせがれ」って書いてあるネームプレートでもつけてたのか!?

●こんなこと、無理な相談なのは百も承知の上でグチっちゃうんですけど、やっぱり救出後の官兵衛の容姿がキレイすぎるというか……まぁ、少なくとも見舞いに来た秀吉の肩をつかむその手は、ちゃんといいもの食べてる太さですよね。こればっかりはしょうがないですけれどもね。
 代替案としては、あの『八代将軍吉宗』(1995年)における、子役から西田敏行さんへの見事すぎるシフト演出のひそみにならいまして、有岡城に監禁されているまでは岡田准一くんで、救出されたら斉藤洋介さん(『功名が辻』)になっているというプランはいかがでしょうか。そんでま、官兵衛の快復にしたがって、寺島進さん(映画『清須会議』)をまぶしつつもまたじょじょに岡田くんに戻していき、歳をとるにつれて真田広之さんになっていったら、どうかしら。

○秀吉「じゃあ、打ち合わせどおり、なるべくつらそうな顔をして板に乗っかっとるんじゃぞ、官兵衛。」
 信長「うん、まぁその……あれはホラ、有岡城が思ったよりも難攻不落でイラっときちゃってたから……きみ、官兵衛くんだっけ? なんか、ごめんね。」
 官兵衛「えっ、まさかの息子登場サプライズ!? 聞いてないよ~……」
 松寿丸「うわ~ん、会えたのはうれしいけど、かさぶたとかがぐちゃぐちゃしてて気持ち悪いよう!!」

 いろんなことを死んだ半兵衛のせいにして丸くおさめる秀吉……恐ろしいやつよのう!
 それにしても官兵衛さん、あの状態で兵庫~滋賀間を往復させられるなんて、強行スケジュールもたいがいにしてほしいですよね。

○やっぱりありますよね~、官兵衛の PTSD(心的外傷後ストレス障害)描写!
 「放送第8回で酒のつまみの佃煮にされた恨み!」とばかりに、ハイテンションで官兵衛の背中にはりつくムカデが、実にいい仕事をしていすね。ムカデの毒はほんとに痛くて怖いらしいから、気をつけろ!!

●だし「死ぬのは、ここにいる荒木の一族だけでじゅうぶん。」
 オイオイ、おまえが言うな!! 亭主の手綱をちゃんとにぎりきれなかったおまえのせいで、妊娠してる人とか子どもの命も全部ダメになることになったんだぞ!? 亭主はいないんだから、無駄だとしても、おまえだけは右近のつてを頼って助命嘆願の努力をし続けろ!! 他の誰よりも即効であきらめんな大バカ!!
 まぁ、まわりのみなさんも「こんなバカ夫婦が主君になったのが運のつきか……」とため息も出ない心境でしょうけどね。本当にかわいそう。

●だし「これが……裏切りの報い!」
 って、600名以上もの人々が処刑されて初めて思い知ったような顔をするんですから、もうつける薬もありません。
 1年も籠城して戦争してたんですから(しかもその主犯はいまだに別の城に籠城し続けてるんですから)、そのくらいの見せしめ利用は当たり前なんじゃないでしょうか。まぁほんとに……散っていった多くの命には、無言で手を合わせるしかないですよね。

○何度も言うようですが、敗者の処刑シーンや死亡シーンというものはなにかとエモーショナルで美しく見えがちです。
 しかし!! その末路までにいたった経緯には、必ず、まったく感動できない人生上の重大な選択ミスというものがおうおうにしてあるものなのです。そこ! そこを見極めるほうがよっぽど重要よ!! 同情してる場合じゃないのよ、リアルタイムで生きてる私たちは。死にゆく者たちの美しさなんか、ほんとの美しさじゃない! 正義は生者にあり……良きにつけ悪しきにつけ。

○正室だし処刑の報に、所有の茶器をいくつも叩き割って絶叫し、号泣する荒木村重。
 例によって、村重を演じる田中哲司さんの狂気が光るシーンなのですが、後年の生きざまを考えると、荒木村重はなにがあっても自分の審美眼にかなった所有物だけは自分で割ることは絶対にしなかった……というか、どんな心境にあってもそこにだけは手を上げられないという、芸術家としての呪縛があったんじゃないかな、とも思えるんですよね。そう簡単には八つ当たりできませんって!
 もしくは、ドラマのように叩き割ることがあったのだとしても、あの激情の中でも、常に冷静に「これは割ってもいいいいやつ、あ、これは割っちゃダメなやつ……」と瞬間的に判断する別の荒木村重が心の中にいたりして。そっちのほうが、政治と芸術の中で分裂する村重の「業」がよく出ていてものすごいですね。映像化はまだまだ先か!

●ナレーション「その後、荒木村重は城を捨て、逃亡した。その行方は杳として知れなかった……」
 あらら~、尼崎城の村重のシーンでこのナレーションが流れたってことは、その次の「花隈城籠城戦」のくだりはまるごとカットなんですか!?
 ということは、花隈城主で村重の最後の重臣となった従弟の荒木志摩守元清とか、花隈城攻撃でけっこうがんばった池田恒興あたりの見せ場は全部おあずけ……なんというもったいなさ! これが「放送スケジュールの都合」という、神のご意志の残酷さなのか……

○救出されたはよかったものの、監禁前とはうって変わって三白眼な目つきになり、ダークなつぶやきをぶつぶつ言うことが多くなったリハビリ官兵衛。
 う~ん、いいね! 少なくとも、頭でっかちで清廉潔白なだけだった監禁前よりはずっと魅力的なキャラクターになったぞ。さすがは岡田くん!!
 でも、これが NHK大河ドラマの主人公とは……なんという冒険!

○竹中半兵衛に託された軍配をたよりに、なかなかテンションの上がらない親父のケツをひっぱたく息子・松寿丸。う~ん、なかなかやるのう!!

○杖をつきながらも自力で歩行できるまでに快復し、苦みばしった笑顔で秀吉の陣所にカムバックする官兵衛。
 どうでもいいですけど、歩くたびにミョ~になめらかに左右にスライドする首がノリノリですね。ミュージシャンか!? なんにせよ、元気になってよかったよかった。


結論、「第24回がとてもたのしみです。」

 今回は、有岡城の開城後に待っていた荒木村重一族の末路と、官兵衛のリハビリ奮闘記ということで、またしてもドラマティックな見どころが満載なエピソードとなりました。高山右近はなにかにつけてだしの近辺をうろついてて、フリーターなみにヒマそうでしたね。とってもうらやましい!
 本編終了後の『官兵衛紀行』の有馬温泉にものすんごい魅力を感じてしまう私は、いっちょまえに働いて疲れる大人になれたということなのか、それとも、ただ単にオッサンくささに拍車がかかったというだけのことなのか……うわー、もうどっちでもいいから温泉いきたいよー!! え、「7日間で11回つかった」だって!? うらやましいにもほどがある。

 ところで、今回のオープニングクレジットでは、確かに別所重棟を演じる佐戸井けん太さんのお名前があったのですが……佐戸井さん、一体どこに出てた?
 あぁ、秀吉の陣所にいたのか……って、いつのまに三木城から離反したの、あんた!? もう、そこらへんの別所家中の兄弟相克もちゃんと描写しといてくれないとダメじゃないの、物書きさ~ん!! おいしいところをことごとくスルーするよね。
 三木城も御着城も、まだまだ落城してないのか……みんな、がんばっとるねぇ!!
コメント
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