どうもこんにちは。そうだいです。最近は私の町はいい天気が続いていますが、やっぱり陽が落ちると寒くなるやね。年の瀬も近いなぁ。
私は、昨日から始まった、所属している劇団「三条会」のアトリエ公演の手伝いをしています。22日の月曜日までやってます。
私自身は今回から役者としては参加していないんですが、三条会はおもしろいよ! 手前味噌で申し訳ないんですが、それを承知で言わせていただきます。ぜっったいにおもしろい!
来年あけすぐに、東京の下北沢にある劇場ザ・スズナリでも公演をしますので、来られる方はぜひとも観にきてくださいよ、おもしれぇから!
そういえば先月の公演でいただいた花束も、今週に入ってついに最後の1輪が枯れてすっかりなくなってしまいました。こうやって時は過ぎてゆくのだねい。
いや~、前回までやっていた「アイドルヌード」の話がとにかく長びいてしまって……調べることも山ほどあった話題だったもんで、疲れた疲れた。救いようがないのは、ぜんぶ私が勝手にやってるってことね! 仕事でもなんでもねぇのに、この労力。なのになぜやんのかっていうと、そりゃもうアナタ、楽しいからよ!!
ブログの中で個人的にやろうと考えていたお題もいくつか残っているんですが、どれも力を入れなきゃいけないものばっかりなんで、今回は休憩ターンということで、前回にもチラっと言っていた、最近観た映画の感想みたいなものをつづってみたいと思います。
観た映画とは、『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』(監督・石井隆)。日本の新作映画で、新宿と銀座で単館上映されていました。今でも、銀座では観られるかな?
前回までさんっざんヌードヌード言っていたので今回はそこから離れたいのですが、タイトル通り、この映画に関する世間の話題のメイントピックは、「グラビアアイドルの佐藤寛子が脱いだ!」というもの。またヌードか!
でも、実際に作品を観てみて、あたしゃビックラこきました。この映画は佐藤さんのヌード披露ということだけでは絶対に語りきれない魅力と美学とおそろしさがある!
ただ、佐藤さんのヌードをぬきにしても充分楽しめる、とかいった単純なおもしろさでもありません。はっきりいって、この映画で佐藤さんが演じた役は、制作された2010年の日本では、佐藤さん以外の誰にも演じることのできない役でした。そして、その役が周囲の人間達の人生に大きくからんでくるのが、この物語の大筋なのです。ただちょっと、わき役で出演したグラドルの女の子がヌードを初披露した、なんていう生やさしいものではないんです。佐藤さん、脱ぎすぎ!
佐藤寛子さんは2002年に17歳でデビューして以来、実際に生徒会長をつとめたこともあるという清楚で知的なイメージと、それに反するかのようにグラマーな体型のアンバランスな魅力で人気を集めていました。とくに佐藤さんの場合は、ウエストのくびれがすばらしいのね! なみいるグラドルたちが割拠していた2000年代の中でもひときわ輝く、非常にメリハリのきいた美しさを持っていました。
ところが、本人がグラビアでの仕事に専念しすぎたためか、はたまた外見通りのマジメさだったためにバラエティ番組のノリについていけなかったのか、佐藤さんは世間での知名度をいまいちあげることができませんでした。そんな中で、いつしか数年がたち20代になった彼女は水着を脱いだセミヌード写真集を発表したのですが、それも丸見えヌードが氾濫する現代においては、肝心のものが見えないもどかしいだけの作品になってしまっていたのです。
そして! 「じゃあやってやるよ!」とばかりに佐藤さんが渾身の気合いをこめてまさに裸一貫でチャレンジしたのが、今回の映画主演だったのです。
映画主演! そうです、間違いなく佐藤さんは主人公、この映画の台風の目となる役「れん」を演じきりました。熱演とはこのことです。こう言っちゃうと失礼なんですが、ありあまる肉体美を持っていながら、いやむしろそのせいなのか、「こんなはずじゃなかったのに、どうして……」というどん底人生を送る女に、佐藤さんは圧倒的なリアリティをもってなりきることができていたのです。そういう意味で、これは非常に残酷な映画です。
残酷なのはそれだけではありません。この映画は血みどろグッチャグチャの連続殺人事件がからんだサスペンスです。佐藤さんをやしなっているのは、場末のストリップバーを経営している母親ですが、それを演じている大竹しのぶの力演がすごいのなんのって。「怪演」なんてもんじゃありません。
大竹さんの犯罪もの映画のキャリアの中でも忘れてならないのが、1999年に公開された『黒い家』(監督・森田芳光)だと思うんですが、まるでそこで演じていた怪物が復活したかのようなパワフルしのぶが再びスクリーンで観られたのにはびっくりしました。10年たってるのに、元気だねぇ。
物語がサスペンスなもんなので、詳しい内容をあまり言うわけにはいけないのですが、そんなしのぶママやこれまたキッツい姉(演・井上晴美)のいびりに耐えておぞましい犯罪の下働きをさせられる佐藤さんが、極限状態にいたってどうなってしまうのか!? これが物語の軸となっていきます。
今回の映画は佐藤さんの役と佐藤さん本人の距離がかなり近いので、はっきり言ってしまうと、佐藤さんが「演技のうまい女優さんだな。」と思える部分はあまりありません。ただただ、素の佐藤さんが苦しみ悩んで狂っていく時間が記録されていくだけなんです。それが延々と続いたからこそ、物語終盤であんなになっちゃう佐藤さんが異様に光り輝いて見えてくるんですね。この映画は本当に、「女優じゃない方法で役を演じた」佐藤寛子を映し出すことに大成功した作品です。あと、見事な肉体美もあますことなく映し出しました。実に哀しいヌードです。
とまぁ、ここまでは佐藤寛子さん周辺のことをつづってきたわけなんですが、実は! 私がこの映画を観てほんとにびっくりしたのは、そのあたりじゃなかったんです。
この映画ね、ほんとに、ほんっとにマンガ的なんですよ。しかも、男が読んで喜ぶようなロマンたっぷりの映画!
「男が読んで喜ぶ」というと、ついついエロい美女が出てくるだけの話かと考えがいきがちなんですが、そんな単純なもんじゃありません。男のロマン、それは、「大都会の片隅で孤独に、そして不器用に生きるなんの取り柄もない男に天使が舞い降りる」という展開! Oh,It's浪漫!!
この映画の主演女優が佐藤さんならば、主演男優はなんといっても竹中直人演じる、大都会の廃工場に事務所をかまえるなんでも屋・紅次郎。これがいいんだ!
この紅という男、だいぶ年季の入った中年ボディを引きずるようにして都会の中をはいずり回り、時には警察に泥棒と間違えられたり、また時にはヤクザもんにボコボコにされたりしながら日々を生きています。そしてそこにからんでくるのが謎の依頼人・佐藤寛子というわけなんですが……
とにかくね、竹中さんのおさえにおさえた「枯れた中年」っぷりがいいんです! ただの「ハイテンションおやじ」じゃない、名優としての竹中さんをそうとう久しぶりに観ることができました。よかったなぁ~!
およそ20年前に巻き込まれた「ある事件」以来、夢も希望も失ったまま、それでも都会に生き続ける男。そこに現れた不思議な美女。マ、マンガだ……
こんな探偵くずれの中年に犯罪のにおいのする美女という取り合わせ。出会いから別れまで、最初っから最後まで、この2人はマンガ的です。当然、キャラクター設定だけでなく、セリフのかもしだす雰囲気から幻想的なカメラワークまで、ぜんぶ!
なぜこんなにマンガ的なのか!? 答えはかんたん、監督が漫画家だから。
ずいぶんはしょってしまいましたが、監督の石井隆というお方は、ただの漫画家さんではありません。1970年代の劇画シーンを疾走した伝説の大先生です。テーマはズバリ、「運命の女」と「女に人生を狂わされる男」~!
ま、まんまだ! しかもこの石井先生は、画業にあきたらず1980年代からみずからの脚本を映像化せんと映画監督業にも乗り出しておられる。
そして、その集大成ともいえる最新作が、この『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』だったわけか……そのこだわり、実に30年。そりゃ気合いの入れ方が違うわ。
とにかく荒唐無稽とも言える展開なんですが、私はそこらへんのアラよりも、役者さんたちの名演や怒涛のクライマックスに圧倒されて魅入ってしまいました。そこらへんの勢い勝負なところもマンガ的。
決して今回の映画はマンガ原作ではないのですが、脚本も担当した石井隆という方が、映画監督である以前に漫画家である以上、作品は理想的なマンガのリズムを持ったものに生まれてくるわけなんです。こりゃもうすごいことです。
終盤に現れる「ドゥオーモ」と呼ばれる場所の雰囲気も、設定としてはリアリティに欠ける場所なんですが、見栄えがいいからよし!なんですね。佐藤さんの最後の演技もしかりです。
最近は、ドラマでも映画でも2次元のマンガ作品を3次元の世界でリメイクするこころみが濫発ぎみに世に出ていますが、そんなの全部が全部成功するはずがないんですね。
だって、マンガが現実の世界に変換されるためには、その間でアダプターになる人間の人生がマンガじゃなきゃいけないんだから! 石井監督の生き方は、そんなことを教えてくれているような気がします。男と女の物語にじいちゃんになってももこだわりつづけるなんて、なかなかできるもんじゃあねぇよ!
いろいろ言ってきましたが、私がこの映画でもっとも好きなのは、エンディングのクレジットが流れている最中のシーンです。まさにさんざん女に振り回たあげくボロボロになりはてた男に、ささやかな再生のともしびがともる、といった感じのシーン。流れてくる音楽もいいんだなぁ!
『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』。おすすめします。内容のこまかいところは気にせずに、あとちょっとグロテスクな描写も多いですが、とにかく雰囲気、しじゅう降っている雨の湿気などを感じて楽しんでいただきたい。
でも、女の人がこれを観たらどう思うかなぁ。ロマンチックすぎて、あきれてしまうかも? ちょっと聞いてみたいな。
しっかし、津田寛治さんって、あんな俳優さんだったっけ? こえぇこえぇ!!
私は、昨日から始まった、所属している劇団「三条会」のアトリエ公演の手伝いをしています。22日の月曜日までやってます。
私自身は今回から役者としては参加していないんですが、三条会はおもしろいよ! 手前味噌で申し訳ないんですが、それを承知で言わせていただきます。ぜっったいにおもしろい!
来年あけすぐに、東京の下北沢にある劇場ザ・スズナリでも公演をしますので、来られる方はぜひとも観にきてくださいよ、おもしれぇから!
そういえば先月の公演でいただいた花束も、今週に入ってついに最後の1輪が枯れてすっかりなくなってしまいました。こうやって時は過ぎてゆくのだねい。
いや~、前回までやっていた「アイドルヌード」の話がとにかく長びいてしまって……調べることも山ほどあった話題だったもんで、疲れた疲れた。救いようがないのは、ぜんぶ私が勝手にやってるってことね! 仕事でもなんでもねぇのに、この労力。なのになぜやんのかっていうと、そりゃもうアナタ、楽しいからよ!!
ブログの中で個人的にやろうと考えていたお題もいくつか残っているんですが、どれも力を入れなきゃいけないものばっかりなんで、今回は休憩ターンということで、前回にもチラっと言っていた、最近観た映画の感想みたいなものをつづってみたいと思います。
観た映画とは、『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』(監督・石井隆)。日本の新作映画で、新宿と銀座で単館上映されていました。今でも、銀座では観られるかな?
前回までさんっざんヌードヌード言っていたので今回はそこから離れたいのですが、タイトル通り、この映画に関する世間の話題のメイントピックは、「グラビアアイドルの佐藤寛子が脱いだ!」というもの。またヌードか!
でも、実際に作品を観てみて、あたしゃビックラこきました。この映画は佐藤さんのヌード披露ということだけでは絶対に語りきれない魅力と美学とおそろしさがある!
ただ、佐藤さんのヌードをぬきにしても充分楽しめる、とかいった単純なおもしろさでもありません。はっきりいって、この映画で佐藤さんが演じた役は、制作された2010年の日本では、佐藤さん以外の誰にも演じることのできない役でした。そして、その役が周囲の人間達の人生に大きくからんでくるのが、この物語の大筋なのです。ただちょっと、わき役で出演したグラドルの女の子がヌードを初披露した、なんていう生やさしいものではないんです。佐藤さん、脱ぎすぎ!
佐藤寛子さんは2002年に17歳でデビューして以来、実際に生徒会長をつとめたこともあるという清楚で知的なイメージと、それに反するかのようにグラマーな体型のアンバランスな魅力で人気を集めていました。とくに佐藤さんの場合は、ウエストのくびれがすばらしいのね! なみいるグラドルたちが割拠していた2000年代の中でもひときわ輝く、非常にメリハリのきいた美しさを持っていました。
ところが、本人がグラビアでの仕事に専念しすぎたためか、はたまた外見通りのマジメさだったためにバラエティ番組のノリについていけなかったのか、佐藤さんは世間での知名度をいまいちあげることができませんでした。そんな中で、いつしか数年がたち20代になった彼女は水着を脱いだセミヌード写真集を発表したのですが、それも丸見えヌードが氾濫する現代においては、肝心のものが見えないもどかしいだけの作品になってしまっていたのです。
そして! 「じゃあやってやるよ!」とばかりに佐藤さんが渾身の気合いをこめてまさに裸一貫でチャレンジしたのが、今回の映画主演だったのです。
映画主演! そうです、間違いなく佐藤さんは主人公、この映画の台風の目となる役「れん」を演じきりました。熱演とはこのことです。こう言っちゃうと失礼なんですが、ありあまる肉体美を持っていながら、いやむしろそのせいなのか、「こんなはずじゃなかったのに、どうして……」というどん底人生を送る女に、佐藤さんは圧倒的なリアリティをもってなりきることができていたのです。そういう意味で、これは非常に残酷な映画です。
残酷なのはそれだけではありません。この映画は血みどろグッチャグチャの連続殺人事件がからんだサスペンスです。佐藤さんをやしなっているのは、場末のストリップバーを経営している母親ですが、それを演じている大竹しのぶの力演がすごいのなんのって。「怪演」なんてもんじゃありません。
大竹さんの犯罪もの映画のキャリアの中でも忘れてならないのが、1999年に公開された『黒い家』(監督・森田芳光)だと思うんですが、まるでそこで演じていた怪物が復活したかのようなパワフルしのぶが再びスクリーンで観られたのにはびっくりしました。10年たってるのに、元気だねぇ。
物語がサスペンスなもんなので、詳しい内容をあまり言うわけにはいけないのですが、そんなしのぶママやこれまたキッツい姉(演・井上晴美)のいびりに耐えておぞましい犯罪の下働きをさせられる佐藤さんが、極限状態にいたってどうなってしまうのか!? これが物語の軸となっていきます。
今回の映画は佐藤さんの役と佐藤さん本人の距離がかなり近いので、はっきり言ってしまうと、佐藤さんが「演技のうまい女優さんだな。」と思える部分はあまりありません。ただただ、素の佐藤さんが苦しみ悩んで狂っていく時間が記録されていくだけなんです。それが延々と続いたからこそ、物語終盤であんなになっちゃう佐藤さんが異様に光り輝いて見えてくるんですね。この映画は本当に、「女優じゃない方法で役を演じた」佐藤寛子を映し出すことに大成功した作品です。あと、見事な肉体美もあますことなく映し出しました。実に哀しいヌードです。
とまぁ、ここまでは佐藤寛子さん周辺のことをつづってきたわけなんですが、実は! 私がこの映画を観てほんとにびっくりしたのは、そのあたりじゃなかったんです。
この映画ね、ほんとに、ほんっとにマンガ的なんですよ。しかも、男が読んで喜ぶようなロマンたっぷりの映画!
「男が読んで喜ぶ」というと、ついついエロい美女が出てくるだけの話かと考えがいきがちなんですが、そんな単純なもんじゃありません。男のロマン、それは、「大都会の片隅で孤独に、そして不器用に生きるなんの取り柄もない男に天使が舞い降りる」という展開! Oh,It's浪漫!!
この映画の主演女優が佐藤さんならば、主演男優はなんといっても竹中直人演じる、大都会の廃工場に事務所をかまえるなんでも屋・紅次郎。これがいいんだ!
この紅という男、だいぶ年季の入った中年ボディを引きずるようにして都会の中をはいずり回り、時には警察に泥棒と間違えられたり、また時にはヤクザもんにボコボコにされたりしながら日々を生きています。そしてそこにからんでくるのが謎の依頼人・佐藤寛子というわけなんですが……
とにかくね、竹中さんのおさえにおさえた「枯れた中年」っぷりがいいんです! ただの「ハイテンションおやじ」じゃない、名優としての竹中さんをそうとう久しぶりに観ることができました。よかったなぁ~!
およそ20年前に巻き込まれた「ある事件」以来、夢も希望も失ったまま、それでも都会に生き続ける男。そこに現れた不思議な美女。マ、マンガだ……
こんな探偵くずれの中年に犯罪のにおいのする美女という取り合わせ。出会いから別れまで、最初っから最後まで、この2人はマンガ的です。当然、キャラクター設定だけでなく、セリフのかもしだす雰囲気から幻想的なカメラワークまで、ぜんぶ!
なぜこんなにマンガ的なのか!? 答えはかんたん、監督が漫画家だから。
ずいぶんはしょってしまいましたが、監督の石井隆というお方は、ただの漫画家さんではありません。1970年代の劇画シーンを疾走した伝説の大先生です。テーマはズバリ、「運命の女」と「女に人生を狂わされる男」~!
ま、まんまだ! しかもこの石井先生は、画業にあきたらず1980年代からみずからの脚本を映像化せんと映画監督業にも乗り出しておられる。
そして、その集大成ともいえる最新作が、この『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』だったわけか……そのこだわり、実に30年。そりゃ気合いの入れ方が違うわ。
とにかく荒唐無稽とも言える展開なんですが、私はそこらへんのアラよりも、役者さんたちの名演や怒涛のクライマックスに圧倒されて魅入ってしまいました。そこらへんの勢い勝負なところもマンガ的。
決して今回の映画はマンガ原作ではないのですが、脚本も担当した石井隆という方が、映画監督である以前に漫画家である以上、作品は理想的なマンガのリズムを持ったものに生まれてくるわけなんです。こりゃもうすごいことです。
終盤に現れる「ドゥオーモ」と呼ばれる場所の雰囲気も、設定としてはリアリティに欠ける場所なんですが、見栄えがいいからよし!なんですね。佐藤さんの最後の演技もしかりです。
最近は、ドラマでも映画でも2次元のマンガ作品を3次元の世界でリメイクするこころみが濫発ぎみに世に出ていますが、そんなの全部が全部成功するはずがないんですね。
だって、マンガが現実の世界に変換されるためには、その間でアダプターになる人間の人生がマンガじゃなきゃいけないんだから! 石井監督の生き方は、そんなことを教えてくれているような気がします。男と女の物語にじいちゃんになってももこだわりつづけるなんて、なかなかできるもんじゃあねぇよ!
いろいろ言ってきましたが、私がこの映画でもっとも好きなのは、エンディングのクレジットが流れている最中のシーンです。まさにさんざん女に振り回たあげくボロボロになりはてた男に、ささやかな再生のともしびがともる、といった感じのシーン。流れてくる音楽もいいんだなぁ!
『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』。おすすめします。内容のこまかいところは気にせずに、あとちょっとグロテスクな描写も多いですが、とにかく雰囲気、しじゅう降っている雨の湿気などを感じて楽しんでいただきたい。
でも、女の人がこれを観たらどう思うかなぁ。ロマンチックすぎて、あきれてしまうかも? ちょっと聞いてみたいな。
しっかし、津田寛治さんって、あんな俳優さんだったっけ? こえぇこえぇ!!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます