どーも、こんちワっす。そうだいっす。本日も三条会アトリエ公演がありましたよ。今日の回もおもしろかったなぁ。また、当然ですがお客さんの反応が毎回違ってくるのもいいですね。生の舞台はほんとに楽しいもんだよ!
いやぁ、自分でビックリしちゃった。なんと、昨日の回でわが『長岡京エイリアン』もついに100回を数えることになったんですね! あいやー、まさか、ここまで続いてしまうとは。やってみるもんだねぇ! まぁ、内容はとんでもない駄文ばっかなんですけど。
これからも、マイペースでボ~ンヨリとやっていく所存でございますよ。エッチラオッチラと楽しくあゆんでいこうじゃないか。
さてさて、今回はどんなことをくっちゃべろうかしら。あ、そうだ、この前に行った池袋・新文芸坐の「アニメスペシャル 劇場版・機動警察パトレイバー」の感想でも。
毎回楽しく通っていた新文芸坐のオールナイト企画なんですが、今まで行ったのはタルコフスキー監督に『帰ってきたウルトラマン』と、以前に少なからず観たことのある作品の特集だったために、多少は居眠りしてしまうような余裕がありました。
ところが今回はちがう! 特集の内容、あの日本を代表するアニメーション監督・押井守の映画2本とその他2本は、どれも観たことがない。しかも、私は「機動警察パトレイバー」の「機」の「木へん」の第1画目も知らないというていたらく。
まいった……眠くなる余裕なんて、できるはずもない!!
結果としては、まさにその通り。夜明けには、身体はヘトヘトなのにじぇんっじぇん眠くないという覚醒状態で家路につくことになってしまいました。要するに、それだけおもしろかったってことだったんですよ、「機動警察パトレイバー」が!
オールナイトの内容は、押井守監督の『劇場版 機動警察パトレイバー』(1989年)と『劇場版 機動警察パトレイバー2』(1993年)、そして2002年に公開された現時点でのシリーズ最新作『劇場版 機動警察パトレイバー3 ウェイステッド13』と、同時上映された3本立て短編オムニバス『ミニパト』の4作品でした。
どれもおもしろかった……はっきり言わせていただければ、どれも観たことのない人間にとってはぜいたくすぎる企画でした。1日1本ずつ観るのが適量ですよ。全部終わった時には、脳みその容量ギリギリめいっぱいのところまできちゃってたからね、あたしゃ!
とにかくおもしろかったのよ、全部。「機動警察パトレイバー」シリーズの作品設定も充分におもしろかったんですが、それにのっかって各作品で花開いていく監督の色味もそれぞれにいいんですねぇ! とても1つのシリーズというくくりででまとめきれない魅力が。
つうことで、まず今回は、映画化された「パトレイバー」シリーズの第1作『劇場版 機動警察パトレイバー』について感じたことをぶつぶつ語ってみよう!
「機動警察パトレイバー」シリーズとは! 1988年に発売されたOVA(オリジナルビデオアニメ)シリーズ全7巻によって始まった、その時代からおよそ10年後の日本を舞台としたSFアニメである。
えっ、1988年から10年後? そうなんです、当然ながら「パトレイバー」の作品世界は現実とは違って、作業用に発達した10~20メートルの大きさの人間型ロボット「レイバー」が自動車のように普及した世界にはなっているものの、それ以外はさほど大きな飛躍のない日本の風景のままなんです。
しかも、「パトレイバー」の物語は、1998~2002年のころのものと設定されているため、あの『北斗の拳』の「西暦19××年」のごとく、2010年の現在から見ると余裕のよっちゃんで過去になっているという、この不思議な感じ!
ご存じの方も多いかと思いますが、『機動警察パトレイバー』の原作はあくまでアニメ作品であり、原作者はこの作品のアニメ化のために結成された制作チーム「ヘッドギア」です。つまり、他のいろんなアニメ化された作品のように、もとに漫画家のマンガ原作があってそれがアニメ化された、という流れとは違うわけなんです。
「ヘッドギア」は、メカニックデザインの出渕裕(いずぶちゆたか)、漫画家のゆうきまさみ、脚本家の伊藤和典(平成『ガメラ』シリーズで有名)、そして映画監督の押井守らが集まって編成された制作チームです。これでつまんない作品ができるわけがねぇ!
『機動警察パトレイバー』には、最初のOVAシリーズとほぼ同時に『週刊少年サンデー』で連載が開始されたゆうきまさみのマンガ作品がありますが、これはアニメ原作のゆうきさん解釈による「漫画化」という位置づけになっているんだそうです。あれだ、アニメの『新世紀エヴァンゲリオン』と、今でものったらくったら続いている(批判じゃないぜ! 批判じゃないけど……)貞本義行版のマンガ『新世紀エヴァンゲリオン』の関係とおんなじですね。
さて、そんなアニメから誕生した『機動警察パトレイバー』なんですが、1988年のOVAシリーズは、TV放映でなくビデオ販売という、まだ一般的でない形式だったにも関わらず大ヒットを記録したようです。
でも私、まだ観たことないんですよねぇ、このシリーズ。ほとんどの作品を押井監督が手がけているという話だし、観たいなぁ、いつか!
ということで、OVAシリーズのヒットをうけて制作され、翌年の1989年7月に公開されたのが、『劇場版 機動警察パトレイバー』だったわけなんです。監督はモチのロン、押井守監督!
オールナイト上映の時点で、私は「パトレイバー」のことをまったく知らない! そんなヤツが飛び級で『劇場版』を観てよいのか!? 脳裏に、かつてTV版をまったく観ずにのぞんでしまった映画『劇場版 新世紀エヴァンゲリオン シト新生』での悪夢がよみがえる……
見終わってからの感想。そんなものは、杞憂、杞憂、きゆう~!! いやぁ、おもしろかったなや~! シリーズ未見の人間でも十二分に楽しめるエンタテインメント作品でしたよ。押井監督はほんとに器用!
かつて、押井監督はインタビューでこんなことを言っています。
「僕らは、特定のファンに対するサービス精神は、あまりないんだ。全般に映画を見たいと思っている人間に対するサービス精神はふんだんにある。」(講談社『ロマンアルバム 攻殻機動隊 PERSONA 押井守の世界』より)
まっさに、そのとおり! 「パトレイバー」シリーズをまったく知らない私でも楽しめる、映画として第1級のエンタテインメントになっていたのです。
物語は、見たところ普通に平和な東京の各地で連続発生する、ささいな作業用レイバーの暴走事故からはじまります。なんの脈絡もなさそうなレイバー事故の頻発に共通項があると直感した主人公たちは、それらの影に見え隠れする巨大なたくらみに挑んでゆくのでした。
ざっというとこんなあらすじなのですが、物語は東京に大型台風が襲来するクライマックスまで、何の変哲もない夏の風景がえんえんと続いていきます。ささいな事故はありますがそれ以外なんにも変わらない炎天下、ほうぼうかけずり回って「大変だ、大変だ!」とあたふたしているのは「パトレイバー」のレギュラーキャラである警察官のみなさんだけ。「まさか、こんなくわだてが……!」とみんなが驚愕する計画犯罪の全貌も、せまい下宿アパートの中にあるパソコンのシミュレーション画面でしか明らかになりません。外の風景はいつもの平和な夏。
ここらへんは、さすが「パトレイバー」シリーズ。1989年に、あそこまでの確度の高さできたるべき未来を想定できていたとは! 私はこの作品の犯罪に利用されたものについての知識が弱かったので、オールナイトをいっしょに観た友だちの解説によってあらためて感心しました。予言してるねぇ! 21世紀になった今観てもおもしろいもんね。
平和な夏におとずれる非日常。それに、ささいなことからじょじょに高まるサスペンスとくれば、いやがおうでも近年の傑作『サマーウォーズ』(2009年 監督・細田守 あっ、この人もマモルさん!)が連想されますが、こちらはいろんな世代の家族や世界中の人々がいちがんとなって巨大な敵に闘いをいどむのに対して、『パトレイバー』のほうでガンバるのは、あくまでも10人弱の若者たちだけ。なんかこの若者だけに許された、学園祭の出し物のために汗かきながら走り回ってる学生みたいな、ちょい上がり目のテンションこそが「押井印」なのか!? なーんて思っちゃったりして。
物語の中盤、夜の海辺のレストラン。2人でピザをつっつきながら、男はまだみぬ巨大な敵のくわだてに思いをはせ、女はそんな気もそぞろの男の様子を見て、なにかが起こる胸騒ぎに耐えきれず涙する。
これ、名シーンだね! 最高のエンタテインメントでありながら、あいだにこういった男女のヒダヒダをつっつく小にくったらしいシーンをはさんじゃうんだからもう、押井監督は天才よねぇ……
いろいろと素晴らしいポイントは山ほどあるんですが、とにかく「何かが起こる……」という胸騒ぎで引っぱりに引っぱり、最後にドカンとロボットものらしい見せ場のフルコースで締めくくるという教科書にのせたくなるような展開に魅せられました。
『劇場版 機動警察パトレイバー』。とにかく傑作です。後続の劇場版2作からは残念ながら消え去っている「終わらない夏の日々」が、そこにはつねに輝いています。
いやぁ、自分でビックリしちゃった。なんと、昨日の回でわが『長岡京エイリアン』もついに100回を数えることになったんですね! あいやー、まさか、ここまで続いてしまうとは。やってみるもんだねぇ! まぁ、内容はとんでもない駄文ばっかなんですけど。
これからも、マイペースでボ~ンヨリとやっていく所存でございますよ。エッチラオッチラと楽しくあゆんでいこうじゃないか。
さてさて、今回はどんなことをくっちゃべろうかしら。あ、そうだ、この前に行った池袋・新文芸坐の「アニメスペシャル 劇場版・機動警察パトレイバー」の感想でも。
毎回楽しく通っていた新文芸坐のオールナイト企画なんですが、今まで行ったのはタルコフスキー監督に『帰ってきたウルトラマン』と、以前に少なからず観たことのある作品の特集だったために、多少は居眠りしてしまうような余裕がありました。
ところが今回はちがう! 特集の内容、あの日本を代表するアニメーション監督・押井守の映画2本とその他2本は、どれも観たことがない。しかも、私は「機動警察パトレイバー」の「機」の「木へん」の第1画目も知らないというていたらく。
まいった……眠くなる余裕なんて、できるはずもない!!
結果としては、まさにその通り。夜明けには、身体はヘトヘトなのにじぇんっじぇん眠くないという覚醒状態で家路につくことになってしまいました。要するに、それだけおもしろかったってことだったんですよ、「機動警察パトレイバー」が!
オールナイトの内容は、押井守監督の『劇場版 機動警察パトレイバー』(1989年)と『劇場版 機動警察パトレイバー2』(1993年)、そして2002年に公開された現時点でのシリーズ最新作『劇場版 機動警察パトレイバー3 ウェイステッド13』と、同時上映された3本立て短編オムニバス『ミニパト』の4作品でした。
どれもおもしろかった……はっきり言わせていただければ、どれも観たことのない人間にとってはぜいたくすぎる企画でした。1日1本ずつ観るのが適量ですよ。全部終わった時には、脳みその容量ギリギリめいっぱいのところまできちゃってたからね、あたしゃ!
とにかくおもしろかったのよ、全部。「機動警察パトレイバー」シリーズの作品設定も充分におもしろかったんですが、それにのっかって各作品で花開いていく監督の色味もそれぞれにいいんですねぇ! とても1つのシリーズというくくりででまとめきれない魅力が。
つうことで、まず今回は、映画化された「パトレイバー」シリーズの第1作『劇場版 機動警察パトレイバー』について感じたことをぶつぶつ語ってみよう!
「機動警察パトレイバー」シリーズとは! 1988年に発売されたOVA(オリジナルビデオアニメ)シリーズ全7巻によって始まった、その時代からおよそ10年後の日本を舞台としたSFアニメである。
えっ、1988年から10年後? そうなんです、当然ながら「パトレイバー」の作品世界は現実とは違って、作業用に発達した10~20メートルの大きさの人間型ロボット「レイバー」が自動車のように普及した世界にはなっているものの、それ以外はさほど大きな飛躍のない日本の風景のままなんです。
しかも、「パトレイバー」の物語は、1998~2002年のころのものと設定されているため、あの『北斗の拳』の「西暦19××年」のごとく、2010年の現在から見ると余裕のよっちゃんで過去になっているという、この不思議な感じ!
ご存じの方も多いかと思いますが、『機動警察パトレイバー』の原作はあくまでアニメ作品であり、原作者はこの作品のアニメ化のために結成された制作チーム「ヘッドギア」です。つまり、他のいろんなアニメ化された作品のように、もとに漫画家のマンガ原作があってそれがアニメ化された、という流れとは違うわけなんです。
「ヘッドギア」は、メカニックデザインの出渕裕(いずぶちゆたか)、漫画家のゆうきまさみ、脚本家の伊藤和典(平成『ガメラ』シリーズで有名)、そして映画監督の押井守らが集まって編成された制作チームです。これでつまんない作品ができるわけがねぇ!
『機動警察パトレイバー』には、最初のOVAシリーズとほぼ同時に『週刊少年サンデー』で連載が開始されたゆうきまさみのマンガ作品がありますが、これはアニメ原作のゆうきさん解釈による「漫画化」という位置づけになっているんだそうです。あれだ、アニメの『新世紀エヴァンゲリオン』と、今でものったらくったら続いている(批判じゃないぜ! 批判じゃないけど……)貞本義行版のマンガ『新世紀エヴァンゲリオン』の関係とおんなじですね。
さて、そんなアニメから誕生した『機動警察パトレイバー』なんですが、1988年のOVAシリーズは、TV放映でなくビデオ販売という、まだ一般的でない形式だったにも関わらず大ヒットを記録したようです。
でも私、まだ観たことないんですよねぇ、このシリーズ。ほとんどの作品を押井監督が手がけているという話だし、観たいなぁ、いつか!
ということで、OVAシリーズのヒットをうけて制作され、翌年の1989年7月に公開されたのが、『劇場版 機動警察パトレイバー』だったわけなんです。監督はモチのロン、押井守監督!
オールナイト上映の時点で、私は「パトレイバー」のことをまったく知らない! そんなヤツが飛び級で『劇場版』を観てよいのか!? 脳裏に、かつてTV版をまったく観ずにのぞんでしまった映画『劇場版 新世紀エヴァンゲリオン シト新生』での悪夢がよみがえる……
見終わってからの感想。そんなものは、杞憂、杞憂、きゆう~!! いやぁ、おもしろかったなや~! シリーズ未見の人間でも十二分に楽しめるエンタテインメント作品でしたよ。押井監督はほんとに器用!
かつて、押井監督はインタビューでこんなことを言っています。
「僕らは、特定のファンに対するサービス精神は、あまりないんだ。全般に映画を見たいと思っている人間に対するサービス精神はふんだんにある。」(講談社『ロマンアルバム 攻殻機動隊 PERSONA 押井守の世界』より)
まっさに、そのとおり! 「パトレイバー」シリーズをまったく知らない私でも楽しめる、映画として第1級のエンタテインメントになっていたのです。
物語は、見たところ普通に平和な東京の各地で連続発生する、ささいな作業用レイバーの暴走事故からはじまります。なんの脈絡もなさそうなレイバー事故の頻発に共通項があると直感した主人公たちは、それらの影に見え隠れする巨大なたくらみに挑んでゆくのでした。
ざっというとこんなあらすじなのですが、物語は東京に大型台風が襲来するクライマックスまで、何の変哲もない夏の風景がえんえんと続いていきます。ささいな事故はありますがそれ以外なんにも変わらない炎天下、ほうぼうかけずり回って「大変だ、大変だ!」とあたふたしているのは「パトレイバー」のレギュラーキャラである警察官のみなさんだけ。「まさか、こんなくわだてが……!」とみんなが驚愕する計画犯罪の全貌も、せまい下宿アパートの中にあるパソコンのシミュレーション画面でしか明らかになりません。外の風景はいつもの平和な夏。
ここらへんは、さすが「パトレイバー」シリーズ。1989年に、あそこまでの確度の高さできたるべき未来を想定できていたとは! 私はこの作品の犯罪に利用されたものについての知識が弱かったので、オールナイトをいっしょに観た友だちの解説によってあらためて感心しました。予言してるねぇ! 21世紀になった今観てもおもしろいもんね。
平和な夏におとずれる非日常。それに、ささいなことからじょじょに高まるサスペンスとくれば、いやがおうでも近年の傑作『サマーウォーズ』(2009年 監督・細田守 あっ、この人もマモルさん!)が連想されますが、こちらはいろんな世代の家族や世界中の人々がいちがんとなって巨大な敵に闘いをいどむのに対して、『パトレイバー』のほうでガンバるのは、あくまでも10人弱の若者たちだけ。なんかこの若者だけに許された、学園祭の出し物のために汗かきながら走り回ってる学生みたいな、ちょい上がり目のテンションこそが「押井印」なのか!? なーんて思っちゃったりして。
物語の中盤、夜の海辺のレストラン。2人でピザをつっつきながら、男はまだみぬ巨大な敵のくわだてに思いをはせ、女はそんな気もそぞろの男の様子を見て、なにかが起こる胸騒ぎに耐えきれず涙する。
これ、名シーンだね! 最高のエンタテインメントでありながら、あいだにこういった男女のヒダヒダをつっつく小にくったらしいシーンをはさんじゃうんだからもう、押井監督は天才よねぇ……
いろいろと素晴らしいポイントは山ほどあるんですが、とにかく「何かが起こる……」という胸騒ぎで引っぱりに引っぱり、最後にドカンとロボットものらしい見せ場のフルコースで締めくくるという教科書にのせたくなるような展開に魅せられました。
『劇場版 機動警察パトレイバー』。とにかく傑作です。後続の劇場版2作からは残念ながら消え去っている「終わらない夏の日々」が、そこにはつねに輝いています。
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