長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

なんぼ感謝してもしたりない一冊の思い出  ~学習マンガでミステリー!?~

2014年05月21日 23時45分00秒 | ミステリーまわり
『学研まんが事典シリーズ 第26巻 世界の名探偵ひみつ事典』(1988年1月 学習研究社 201ページハードカバー 当時880円)
 構成・竹本 みつる、監修・藤原宰太郎(推理クイズ作家)
 作画・竹本 みつる、今道 英治、桜多 吾作、かぶと虫太郎

 『世界の名探偵ひみつ事典』は、世界中の人たちに読まれ、親しまれている有名な探偵小説19編をとりあげ、主人公の探偵の活やくを中心にえがいてあります。探偵の推理方法やその過程は、小説の中心となる部分から、まんがにふさわしいところを選んで構成しています。 
 ※学研の『まんが事典』シリーズは、1972年から始まった学研『まんがひみつ』シリーズの姉妹シリーズにあたる。

 竹本みつる …… 1936年、兵庫県神戸市生まれ。高校在学中に少女マンガ家としてデビュー。『ふたりの花物語』、『お姉さんのいる街』など作品多数。学習マンガにも多くの著作がある。


《目次》
序章「名探偵登場」作画・竹本みつる
・エドガー=アラン=ポオ『モルグ街の殺人』(1841年)より 『なぞの怪人』(オーギュスト=デュパン)作画・今道英治
・ガストン=ルルウ『黄色い部屋の秘密』(1907年)より 『密室のさけび声』(ジョゼフ=ルールタビーユ)作画・竹本みつる
・ポースト『ズームドルフ事件』(1911年)より 『太陽の殺人』(アブナー伯父)作画・桜多吾作
・横溝正史『本陣殺人事件』(1946年)より 『はなれの殺人』(金田一耕助)作画・かぶと虫太郎
トリック講座1「密室トリック」作画・竹本みつる
・コナン=ドイル『唇のねじれた男』(1891年)より 『夫が消えた部屋』(シャーロック=ホームズ)作画・桜多吾作
 モーリス=ルブラン『白鳥の首のエディス』(1913年)より 『保険金をねらえ』(アルセーヌ=ルパン)作画・かぶと虫太郎
 バロネス・オルツィ『リッスン・グロープの謎』(1905年)より 『死者の足音』(隅の老人)作画・今道英治
 横溝正史『黒猫亭事件』(1947年)より 『空き地の死体』(金田一耕助)作画・かぶと虫太郎
トリック講座2「一人二役・二人一役」作画・竹本みつる
 ジャック=フットレル『消えた首飾り』(1906年)より 『首かざりをさがせ』(ヴァン=ドゥーゼン博士)作画・かぶと虫太郎
 ギルバート=ケイス=チェスタトン『見えない男』(1911年)より 『見えない犯人』(ブラウン神父)作画・今道英治
 エラリイ=クイーン『神の灯』(1935年)より 『消えた黒屋敷』(エラリイ=クイーン)作画・かぶと虫太郎
 アーネスト=ブラマ『フラットの惨劇』(1927年)より 『合わない帽子』(マックス=カラドス)作画・桜多吾作
トリック講座3「消失トリック」作画・竹本みつる
 岡本綺堂『半七捕物帳 おばけ師匠』(1917年)より 『ヘビののろい』(半七親分)作画・かぶと虫太郎
 イーデン=フィルポッツ『闇からの声』(1925年)より 『仮面の復讐』(リングローズ)作画・かぶと虫太郎
 エラリイ=クイーン『Xの悲劇』(1932年)より 『路面電車の殺人』(ドルリイ=レーン)作画・桜多吾作
 フリーマン=ウィルス=クロフツ『クロイドン発12時30分』(1934年)より 『完全なアリバイ』(フレンチ警部)作画・今道英治
トリック講座4「意外な凶器」作画・竹本みつる
 オースティン=フリーマン『歌う白骨』(1912年)より 『消えた灯台守』(ソーンダイク博士)作画・かぶと虫太郎
 江戸川乱歩『心理試験』(1925年)より 『びょうぶのきず』(明智小五郎)作画・桜多吾作
 ジョン=ディクスン=カー『皇帝のかぎ煙草入れ』(1942年)より 『くだけた煙草入れ』(キンロス博士)作画・今道英治
トリック講座5「アリバイ」作画・竹本みつる

 ほとんどのページのコマ隅に、推理小説の歴史や文章テクニックに関する「まめちしき」が書かれている。




《このめくるめく、異常なる濃密空間……もうたまら~ん!! 途中です》
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日から、またがんばりま~っす

2014年05月18日 22時41分38秒 | 日記
 ヘヘイヘイど~もこんばんは、そうだいでございま~すっとぉ。みなさま、日曜日いかがおすごしでしたでしょうか?
 今日はまた、千葉も東京もこの上ない陽気なお天気でねぇ。わたくしも久しぶりに休日にお休みをいただいて、かな~り幸せなひとときを満喫させていただきました。

 お休み……そうなんです、今日が終わったら、私はしばらくの間、「丸一日のお休み」とは縁のない生活を明日から送ることになっておりまして。まぁ、無論のこと自分がそうすると決めたからそういうスケジュールになったわけなんですけど。
 本来ならばいつものように、適当に何日かお休みをもらって、今月5月もノンビリコンと後半を乗りきっていく予定だったのでありまするが……


 不肖そうだい、明日から月末31日まで、夢の「13連勤」ロードに大突入のコトなのよ~いっと!! あ~らよいよい♪


 しかもこれは、あくまでも今の時点で決まっている5月ぶんだけのシフトの範囲内のことなので、まだ決まっていない来月6月以降も、連続勤務記録が更新されていく可能性、かぎりなく大! 夢は広がりますね~☆

 世間の、もっといっぱい働かれておられるみなさまにしてみたら、なんということもないことなのかも知れませんが、少なくとも私は、これから経験する予定の「およそ2週間ずっと休日なしよ」っていうスケジュールは、いまだかつて味わったことがなくて……1週間くらいが最長だったかなぁ、今までは。いったい私はどうなってしまうのでありましょうか!?

 でもまぁ、丸一日勤務が2週間続くっていうわけでもなく、半日勤務にしていただいている日もぽつぽつあるし、曜日によってはゆっくりできる仕事内容の日もあるので、やればやるほど疲れがたまるっていうひどさにはならないはずなんで、ね。まぁ~、ケガなくミスなく! 家に帰ったらなるべく早く寝て、そして早起きするという健康的な日々を、江戸時代のお百姓さんのように淡々と、地道に、一歩一歩すすんでいきましょうや。

 そもそも、こんなスケジュールになってしまったのは、私の職場と日ごろ連携をとっていた別の職場で緊急事態が発生してしまい、そのフォローに人員を割かなければいけなくなってしまったことが直接の原因なんであります。他ならぬ私自身も、去年その職場さんで2~3ヶ月ほど働かせていただいたことがあったので、もちろん対岸の火事ではありません。

 「義を見てせざるは勇なきなり」!! 助けることに理由なんているか? という精神で、たいして役にも立たない一足軽の身ではありますが、一肌脱がせてもらいま~っす。
 まぁ、これで途中で身体ぶっこわして、周囲の皆さんにさらなる迷惑をかけるのだけは回避したいんですが、もし万が一そうなったら、私の肉体も、いよいよ本格的に無理がきかないオッサンになったんだなぁ、ということを実感することになるんだろうなぁ。
 うむ、それだけは絶対にイヤ!! だからがんばりまっす。

 南無八幡大ぼさーつ!! 我に無難で波風の立たぬ2週間をあたへたまへ。七難八苦は440年くらい前に山中先輩がほしいって言ってらしたんで、そっちにお願いします!


 そんなこんなで、これからの5月後半戦にのぞんで、貴重にもほどのある休日となった本日は、コンセプトは「呑まなきゃやってらんない」ということで東京・目黒までのこのこ出かけ、アルコール・軽食つきのフラメンコライヴを観てきました。オレーイ♪

 私としては初めて行くことになった会場の「ラテン文化サロン」は、まさに知る人ぞ知るといった絶妙なロケーションにひっそりとたたずむコンパクトなカフェだったのですが、まぁ~生で楽しむフラメンコのギター、歌声、そして花も実もあるダンスの迫力ときたら。すばらしかったですねぇ。しかも、それらが全て日本で第一線で活躍しておられる日本のアーティストのみなさんで送られるのだからものすごい。日本人でもラテンのノリをこんなに自然に演じられるのかと、ただひたすら感動してしまいました。歌詞の意味もわからんし、ダンスの所作のひとつひとつの意味もわからんけど、とにかく良かった! 会場は50名ほどで満員というスペースだったのですが、今回のライヴは70名オーバーの超満員御礼だったそうで。こういう場が大盛況になるのはステキなことですよね~。さすがは東京!

 なんといっても、神谷真弓さんと田倉京(みやこ)さんのお2方によるフラメンコダンスの、2人2様の色っぽさと真剣さに目を奪われたのですが、花はやっぱり、散るときが来ることを自分で理解しているからこそ美しい。そういう意味でもそうだし、踊り手と唄い手が分離している形態からも、私は日本の文楽を観ているような、美しさと表裏一体の無常観を強く感じました。
 う~ん、ラテン文化と日本の江戸文化は、相性がものすごくイイ!! 『鬼平犯科帳』とジプシー・キングスのしっくり感は、やはりハッタリではなかったのだ。吉右衛門さんの『鬼平』はモロに平成生まれですけど。

 日本の武道に「残心」という思想がありますが、フラメンコの踊り手さんの、特に自分の目で見えない範囲、つまりは「背中」に対しての美しい所作の徹底のさせ方には、まさしく残心に通じる姿勢があると見受けました。後ろ姿に計算されつくした美学があるっていうのは、360°ぐるりとめぐった空間全体と、そこで自分が巻き起こした空気の流れと余韻とを全部ひっくるめて「自分そのものにする」っていう、並大抵な技術ではとうてい不可能なチャレンジなんですからね! 振付をマスターすればいいなんていう話じゃないんでしょう。つまるところは、世界との闘い方なんだなぁ、ダンスってものは。


 時間は午後2時から4時くらいだったのですが、私もそんなまっ昼間から、提供されたカバ(スペイン製のスパークリングワイン)を2杯もいただきまして……超下戸の身としては自分がいちばんひやひやしながら飲み干したんですが、まぁとにかくおいしくて、しかも特に反動がくることもなく気持ちいいまんま千葉に帰還できたので大いに安心しました。記憶する限り、これほど多量のアルコールを摂取したのは(多量なの! 私にとっては!!)少なくとも10年ぶりくらいだったのですが、学生時代のスキー合宿のときみたいに頭も痛くならなかったし、意外に大丈夫でしたね。フルーティなワイン系はおいしいんですよね~。


 う~ん、仕事帰りの晩酌に赤ワインでもたしなめるような体質がほしい! え、お酒といっしょに食事? なに言ってんのあなた、こっちは身体中のなけなしのホルムアルデヒド全軍スクランブルでアルコールを分解するのに精一杯なんですから、同時にものをつまめる余裕なんかあるわけがなかろうもん!! 牛肉がどうこうとか魚肉がどうこうとかぜいたく言ってる場合じゃありません、アルコールのかたわらには、その3倍の量の水分なのよ~!!


 ということで、明日からの闘いの日々さん、なにとぞおてやわらかに、よろしくお願いいたします……電車で眠るのがほんとに最高な季節ですねぇ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第19回『非常の罠』

2014年05月15日 08時40分41秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第19回『非常の罠』(2014年5月11日 演出・田中健二)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治  …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

明智 光秀      …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

高山 右近 重友   …… 知力71、統率力75
 (演・生田斗真)

荒木 村重      …… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

中川 清秀      …… 知力26、統率力75
 (演・近江谷太朗)

小寺 兵庫助 利高  …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

小寺 政職      …… 知力44、統率力49
 (演・片岡鶴太郎)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

小寺 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

○秀吉「村重ェ! おぬしの向かうのは滅びの道じゃ、裏切りの道じゃぁ! うがぁああ!!」
 荒木村重説得の役目を主君・信長からおおせつかってはみたものの、まったくもっての「けんもほろろ」状態で村重に追い返されてしまう秀吉と光秀。光秀はどことなく熱のない態度で「とついだ娘(養女)を返してくれるんなら、ま、いっか。」といった感じなのですが、秀吉はいつにない激烈な剣幕で村重に怒りの捨てゼリフを叩きつけます。
 「毛利家や石山本願寺と手を組んだところで新しい世など創れない」という秀吉の主張ももっともらしいのですが、「じゃあ信長がおれたち家臣を大事にして新しい世を創ってくれるとでも思ってんのか?」という村重の疑問も、少なくとも天正六(1578)年の時点ではかなりシビアなものとして2人の胸に突き刺さったことでしょう。アバンタイトルの短いやりとりでしたが、非常に濃密なシーンだったと思います。
 それにしても、ここでも他人事で「裏切りなんて……ぼかぁ理解できないなぁ~。」といった軽さの目立つ光秀。そして将来、「ああいったかたち」で村重と再会することになる秀吉。これからの展開がますます楽しみになりますね。特に秀吉と村重は、どんな演技合戦を見せてくれるんだろ?
 あれ、1996年の『秀吉』では、後年の秀吉と村重(演・大杉レンレン)の再会って、描写されてましたっけ?

●私は、個人的には磯部勉さんは大変な名優だと思うし、舞台で観たときに実に存在感のある方だなぁ、と圧倒された経験もあります。
 でも、この『軍師官兵衛』で磯部さんが演じているキャラクターの貧相さ、知性の低さといったら、どうだい……
 ひどいもんですよねぇ、今回やっと! 初登場から4ヵ月後にしてやっと迫力みたいなもんが「ちろっ」と見えてきたんだもんね。しかしそれも、出た時点で「死亡フラグ」がビンッビンにおったっているという残念さ!!
 「役不足」とは、まさしくこのことよのう。なんなんだろ、このもったいないにも程のある配役。

●う~ん、やっぱり、荒木謀反の時点で小寺政職と官兵衛がドラマで描写されるほどはっきりした主従関係にあったと考えるのは、無理があるんでないかい? 政職の謀反で、お光の方が秀吉に預けたわが子・松寿丸の命を心配するのは、どうみてもおかしいような気がするんですが。
 だってもう、ここ最近の官兵衛は完全に秀吉の部将みたいに立ち振る舞っているし、信長も政職サイドの人質を政職の家臣の子どもでよしとして、しかもその子を家臣の秀吉に任せるという処遇の甘さと軽さが気になるんだよなぁ。
 こりゃもう、織田家としては官兵衛と小寺政職を「ひとつの勢力」とははなっから認識していなかったって観るのがいちばん自然なんじゃないですか? 信長は官兵衛を「秀吉の現地調達ガイドさん」としてしか認識しておらず(いや、認識すらしていなかったかも?)、ましてや政職なんかはそれ以外の「神吉」「櫛橋」とおんなじ地方領主おおぜいとしか捉えていなかったでしょう。
 ドラマはやっぱり、物語をムリに盛り上げようとして、政職の謀反を史実以上にいびつにクローズアップしているようにしか見えないなぁ。
 実際の官兵衛はたぶん、鼻でもほじりながら「あぁ~政職、あいつ絶対裏切ると思ってたんだよな~。これで縁が切れてせいせいしたわ。」くらいにかまえていたんじゃないんでしょうか。そんな、岡田くんみたいにオロオロあたふたしないって! そりゃ、村重の謀反のほうでてんやわんやになっていたとは思いますが。
 村重謀反と政職謀反じゃ、どだい重大さがまるで違っていたということですね、結局。

●前回の展開から強く確信し続けているのですが、村重の謀反の悪い部分というか、いちばんの原因と責任を、村重ではなくて家臣の中川清秀に押しつけているのは、どんなもんなんでしょうか。なんか、せっかくの村重一世一代の大バクチが、「家臣の失敗を隠すための決断」というミョ~に消極的なものになっちゃった気がするし、戦国武将にあるまじき大失態をおかした(とドラマが語っている)清秀のヒドさが、それまでなんの伏線もなかったのに前回に唐突に出現してしまったから、村重も清秀も、どっちのキャラクターの説得力も共倒れになってしまうという印象があるのです。
 確かに田中哲司さんの演技が素晴らしいことはよくわかるんですが、村重、自分がなさすぎるんじゃないのか? ドラマにおける「武将・荒木村重」の魅力はかなり減衰してしまいましたよね。なんか疲れ切った中間管理職のサラリーマンみたい。いや、そういう人が戦国時代にいても一向にかまわないとは思うんですが、それがあの荒木村重ってことはないだろう!!
 それだったら、従来どおりの「梟雄」「野心家」村重のほうがいいんですけど……だって、そんなに心の清い男が、ドラマみたいに一介の浪人から一国のあるじにのし上がれるかね!? 男はもっとワイルドに、ダーティに~。

●子持ちの人妻でありながら、昼間からまっピンクの服を着てダンナの部下と1対1で密会するだし……変わらぬ美しさというよりは、立場相応でない若作り(実際に若いとしても)からくるイタさしか伝わってこない!! 私には、有岡城内に参集するつはものどもの心の叫びがありありと聞こえてきます。

「あの……すみません奥さん。おれたち、真剣に生きるか死ぬかっていう大仕事の準備をしてるとこなんで、そういう緊迫感のかけらもないバカまるだしのファッションセンスで城内をうろつくの、本当に勘弁してもらえませんかね!? あなたがおれたちのリーダーの嫁さんだと思うと、心の底から『大丈夫か』って不安になってきますんで!!」

 私はどうしても好きになれないな、このドラマの桐谷さん……ホントに、だしを原田美枝子さんみたいなお方が演じておったら! 観たかったなぁ~、大河ドラマでマクベス夫人みたいな悪女が。悪女とはまるで逆の方向性でイヤな女性ですよね、このドラマのだしって。こういうレベルの一大事の最中でもそんなかっこうしていいのは、深田恭子さんだけ!!

●なんか今回は、だし……というか、桐谷さんの演技の耐えられない軽さが異様に目立つ。高山右近の切々とした告白を聞く表情も、どこからどう観ても、
 「ヤバい、このイケメンなに言ってんのか全然わかんない。なんか重たそうな話だから、重たそうな顔して聞いてるか。」
 って気持ちになってるとしか思えないんですよね! ホントに一昔前のフル CGアニメのキャラクターみたいな、表情筋と知性の欠如。
 でも、わざとだかなんだかは知らないけど、右近の長い告白に対して、だしからのリアクションを一言ももうけなかった脚本も脚本ですけどね。シーンの場所もキリスト教の天主堂みたいだし、だしを神にでもたとえたかったんでしょうか? ずいぶんとうすっぺらいでうす様ですこと!!
 まぁ、史実のだしさんだったら、右近の長話なんて、「あぁ、今の時代じゃよくある話ですわね。いいじゃないですか、死ななかったんですから。」って一蹴していたことでしょう。

○観たか桐谷さん、その直後のシーンでの、うちゆき姫の「まぁ……怖いお顔。」というわずかなセリフに込められた限りない愛情と色っぽさの密度を!!
 こういうのを「貴婦人の風格」っていうんですよ! う~む、これはやっぱ、実生活での経験の積み重ねも必要なんでしょうね。うちゆき姫もいろいろあったわけだ……その……北の国あたりで。

●信長とお濃の方との幸若舞『敦盛』イメージシーン、超ダサい。スタジオ撮影まるだしなのが、なんちゅうか……いいようもない劇的残念空間を演出していますね。
 でも、他人にとってはファッキンどうでもいい、あるいは純然たるハタ迷惑でしかない「夫婦のイチャイチャぶり」を、大河ドラマで表現できるギリギリのラインで可視化したとも解釈できる、実に意味のない数十秒間の世界に愕然といたしました。
 まぁ、お濃の方が信長とこんなに夫婦仲がいい時代劇ドラマも久しぶりかと思いますんでね……いいんじゃないっすか、アツアツ敦盛で。

○かなり徹底した演出で、「わざと」兵装が古臭くなっている御着城の小寺家。でも、ただ黒いだけの黒田家の当世具足よりも、やっぱこっちの南北朝の気風を残した胴丸甲冑のほうがかっこいいよね~!! あと、片岡鶴太郎さんはど~してもこの中世様式の甲冑に身をつつんでいなくちゃあ、ね! 小寺政職は、そりゃあそんなに大物な武将ではないですが、いよいよキタキタ~って感じですよ。ま、北条高時はあんまり鎧を着込んでいるっていう印象は最期までなかったけど。

●官兵衛は……バカなのね~、バカなのよ~。
 自信過剰にもほどがありますよね。自分が単身で乗り込んで説得すれば、荒木村重も謀反を撤回し、それによって主君の政職も謀反を撤回し、信長もゴキゲンをなおして最終的に人質の息子は助かる、ってか……謀反って、撤回すればなかったことになるもんなんだ……
 これはまぁ……まるまる一年は牢獄の中で頭を冷やさないと治らないバカさ加減ですよね。若さゆえの代償はなによりも厳しく、逃れようもなく必ず我が身にふりかかってくるものであることよ。人間、日々精進。

●殺陣は確かにカッコいいんですけど、まぁ、裏切られた末の行き場のない八つ当たりですからね……今回の官兵衛はホントに、いいとこがどこにも見当たらないですね。天才軍師の道は、ただただひたっすらに遠い。

●御着城も有岡城も、城下町全体を堀や土塁で防御する「総構え」式の大城塞だったらしいんですけど、そこらへんが一向に描写されないまんま、とうとう今回の謀反の段まできちゃいました……
 来週は、来週こそは、それぞれの城郭の威容が CGとかなんとかで描写される、はず!?
 松永弾正の信貴山城をあんなにサービス特盛で再現しちゃったんですから、こっちもよろしくお願いしますよ~!!


結論、「第20回がとてもたのしみです。」

 今回は、今まで引きずってきた「政職と官兵衛の親密度」がついに決裂するというクライマックスで終わりましたが、そんなの最初っからなかったんじゃなかろうかと思うより他ない、官兵衛の異常な政職LOVE がミョ~に不自然に見えてしまう回になってしまいました。ピュアすぎるんだよな、官兵衛の思考回路が……あなた、『孫子』のどこを読んでたんですかって話なんですよね。官兵衛はそんなに、現代のオタクのように頭でっかちで現実に目を向けていない甘ちゃんだったのでしょうか?

 まぁともかく、そんなヤング官兵衛を徹底的に芯から叩きなおす「牢獄イヤー」は、いよいよ来週からスタート! み~ん~な~で~み~て~ね~☆

 ……そんなん、好きこのんで観るわけないか……視聴率がひたすら不安ですが、主人公が官兵衛になった時点でこの流れは確定なんですから、かまわず突き進んでいってくだされい!!

 そういえば、今回は武将リストを見てもわかるとおり、これまでの回と比べて登場する武将が極端に少ないという、かなり挑戦的な転換点エピソードとなったのですが(新登場武将もゼロ)、そこでクローズアップされたのがただかわいいだけのピンクかかし1本だったということで、人が少ないことだけがよくわかるスッカラカンな回でしかなくなってしまったような……「有岡城編」はかなり心してかからないといかんぞ、これは。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

てらおかよ! さなだかよ!!

2014年05月14日 23時12分05秒 | 日本史みたいな
 ハイどーもぉ、こんばんは。そうだいでございまするよっ。みなさま、本日も大変お疲れさまでございました!

 さぁさぁ、今回はこんなニュースがたてつづけに、ということで。


NHK 大河ドラマ『軍師官兵衛』寺尾聰、41年ぶり2度目の徳川家康役 岡田准一と初共演「楽しみ」
 (オリコンスタイル 2014年5月14日付け記事より)

 俳優の寺尾聰(66歳)が、NHK の大河ドラマ『軍師官兵衛』に徳川家康役で出演することが13日、わかった。寺尾が大河ドラマで家康を演じるのは、1973年の『国盗り物語』以来、41年ぶり2度目。前回は家康の前半生を若々しく演じたが、今回は後半生の老獪で辛酸をなめつくしてきた「タヌキの皮をかぶった狼」を演じる。黒田官兵衛役で主演する岡田准一(33歳)に対しては、「ナチュラルなお芝居が清々しい。」と称賛を贈り、「初共演で向き合えることをとても楽しみにしています。」と呼びかけた。
 同作では、羽柴(豊臣)秀吉役の竹中直人(58歳)に続いて「2度目」の壁に挑むことになった寺尾。「(41年前)大先輩たちに囲まれて息をするのもはばかられるような緊張感の中で、自分なりに考えた若かりし家康を一直線に演じていました。それから42年、さまざまな経験を積んだ今の家康にどうつなげることができるか、今回演じる上での挑戦です。」と自らを奮い立たせる。

 起用にあたって中村高志チーフプロデューサーは、「(黒田)官兵衛が『負けて悔いなし』と思える、高い壁になってくれることを大いに期待しています。」とコメント。

 戦国乱世を終焉に導く天才軍師・官兵衛の生涯を描く同作では、官兵衛の前途に織田信長、秀吉、そして家康の「三英傑」が複雑に絡んでくる。最終勝利者となる家康は、秀吉に天下取りで先を越されるも、天下分け目の関ヶ原の戦いで官兵衛の嫡男・長政を巧みに操り、勝利をたぐり寄せる人物。
 寺尾は、「寡黙で口数少ない家康が発するひと言ひと言に何か含みを持たせながら、家康の存在を通して、官兵衛をより魅力的に映し出すことができたら面白くなるだろうと思っています。」と話している。寺尾演じる徳川家康は、第27回(7月6日放送)より登場の予定。


2016年 NHK大河ドラマは三谷幸喜脚本『真田丸』 大坂の陣から400年、真田幸村を描く
 (オリコンスタイル 2014年5月12日付け記事より)

 NHKは12日、2016年度の大河ドラマを三谷幸喜(52歳)脚本による『真田丸』と正式発表した。戦国時代屈指の英雄として知られる人気武将・真田信繁(真田幸村)の生涯を描く。
 信州(信濃国)の武将・真田家に生まれ、幼少期から青年期を上杉景勝、豊臣秀吉の人質として過ごした信繁。天下分け目の関ヶ原の合戦では西軍につき、豊臣方と徳川方の最後の戦いとなった「大坂の陣」では劣勢の豊臣勢のリーダーとして、徳川家康を相手に孤軍奮闘。難攻不落の大坂城の弱点を補うべく砦「真田丸」を築いて対抗、最後は戦場に散った。
 同局では、砦だけでなく「戦国の荒波に立ち向かう真田家を一艘(そう)の船に例え」てタイトルを『真田丸』に決定。信繁は悲劇の英雄として講談や小説も数多く作られ、真田十勇士を率いて家康に挑む英雄「真田幸村」として広く知られている。

 三谷が NHK大河ドラマの脚本を手がけるのは、SMAP香取慎吾主演の『新選組!』(2004年)以来、12年ぶり2度目。大河ドラマ第55弾作品として、2016年1月より全50回放送予定。


 いや~、寺尾さんですか! でも私、『国盗り物語』リアルタイムで観てた世代じゃないからなぁ。DVD で総集編を観ることは観たんですけど、そんときゃ完全に足利義昭公役の伊丹十三さんと、異常に美人な松坂慶子さんしか記憶に残らなかったし……確か、寺尾さんは今現在からはちょっと想像がつかないくらいに若々しくて、若干お顔がぷっくらしてたような?

 そうそう、斎藤道三・織田信長・明智光秀がトリオ主人公の『国盗り物語』でしたから、だいたい本能寺の変まわりがクライマックスになるわけで、当時20代の寺尾さんが家康を演じてもなんら違和感はなかったのでしょう。家康40歳までを演じればおしまいだったわけでして。
 それが今回、60代なかばにして満を持して「その後の家康」を演じると! ものすごい話ですね~。同じく、以前演じた同役のその後に挑戦するということでは竹中秀吉も無論そうであるんですが、秀吉さんのほうはいちおう59歳までを『秀吉』で演じていたので残る「未演技期間」はわずか3年。それにひきかえ、寺尾家康の場合は「未演技期間」なんと35年! その生涯の約半分しか演じることができなかったわけだったのです。これは俳優として、実にやりがいのある再チャレンジと観た!!
 今回のアナウンスや公開された写真の風貌からしても、おそらくすぐには参戦せずに、やっぱり本能寺の変まわりか、その後からの登場になりそうですね。若々しくはないわけなんですが、「あの大御所俳優が圧倒的な存在感で他を圧倒する!」といった、エネルギッシュな最近の家康キャスティングともちょっと違う、「静かにこわい家康」が観られるのではないかと、なにげにとっても楽しみにしております。ミュージシャンという側面もあるためなのか、寺尾さんはご年齢の割にはイメージが身軽というか、キャリア相応に積み重なっていくはずの重厚さから脱した、なんか仙人みたいなフットワークの軽さがあると思うんですよね。孤独とは一味違う「孤高さ」がそのたたずまいにあるという気がするんです。

 そういえば、私自身は黒澤映画(特に『夢』!)か『西部警察』の再放送くらいでしか寺尾さんを拝見した経験はないのですが、そんな彼を評して、彼とほぼ同年代の我が父は「役者にも歌手にもなりぎっでねぇ、コウモリみでなやづだず! 親の七光りなだけだべ。」と毛嫌いしていましたっけ。マルチタレントのはしりということになるのでしょうか。
 でも、それをどっちもやりながら現役バリバリで67歳になろうとしてるんですからね。こりゃもう大したもんでしょ! すごいですよねぇ。

 まぁ、私は個人的には『秀吉』でご自身も相当に悔いが残ったという西村雅彦さんにぜひっとも家康を演じてもらいたかった、もしくは弟(羽柴秀長)役ではない立場から高嶋政伸さんに竹中秀吉との演技対決を……と願っていたのですが、寺尾家康でまったく異存はありません。
 だって、竹中直人と寺尾聰ってあなた、年齢的にもそりゃ約10歳という差はありますけど、現在俳優として活動するまでにいたるバックグラウンドが違いすぎるでしょ! どちらも TVでその名声を得たという共通点はあるのでしょうが、その TVの活躍場所と年代がまるで異世界なわけです。かたやアングラコント、かたや音楽&石原プロ。
 これほどの温度差がある秀吉 VS 家康は、『徳川家康』(1983年)の武田鉄矢 VS 滝田栄いらいなのではなかろうかと! そして、今年のほうがず~っとず~っとおもしろい対決になりそうなんだもの!!

 いつから出てくるんだろ? 「タヌキの皮をかぶった狼」ですって。ほんとに楽しみですね~。余談ですけど、リアルなタヌキは、それだけですでにけっこう怖いですよ。


 さぁ! そしてもうひとつのニュースは、これまた満を持しての「真田信繁やっと大河主役」の報であります。

 個人的な記憶としては、確か中学生くらいのころに NHKの総合か衛星放送だったかの午後の再放送で『真田太平記』(1985~86年)をやっていたのを夢中になって観て、

「いや~、この大河ドラマほんとにおもしろいな! 丹波哲郎って、こういうすごい人だから態度がでかくてもいいのか!!」

 と勝手に勘違いしていました。丹波さん、当時は「ダウンタウンに楽しそうにからむ爺さん」っていう印象しかなかったもんね。

 私としましては、2016年度の大河ドラマはまるまる1年間『真田太平記』の再放送にして、予算をたっぷりためて翌年にものすんごいやつをドカンとやってもいいんじゃなかろうかと思うんですが、三谷脚本による完全新作ということで。いいんじゃないっすか!?
 どうやら、真田信繁の役は堺雅人さんの方向で本ぎまりになりそうなんですが、NHK も本気で視聴率を狙いにきたな!って感じですよねぇ。

 三谷脚本の『新選組!』(2004年)は、私の記憶する限りは堺雅人さんが初めて TVの世界でブレイクした話題性豊かな作品といった感じなのですが、平均視聴率は「17.4% 」ということで、当時の大河ドラマとしてはあまりかんばしくはなかったんですね。まぁ、それでも今年の『軍師官兵衛』は、放送第25回までの段階で関東地区での平均視聴率が「15.6% 」ですからね……がんばってほしいなぁ、官兵衛!

 三谷幸喜に歴史上の大人気スター総出演の戦国時代ものとなると、もう鬼に金棒なわけなんですが、映画『清須会議』ともまたずれた世代がメインになるわけで、信玄・信長・謙信といったカリスマ第一世代亡き後の乱世を、次なる若手ホープたちがどう割拠していくのか、といったあたりが物語の焦点になりそうなところは、若者が時代の中心に飛び込んでいった『新選組!』に大いに通ずるものがあると思いますね。
 つまり、世代的にはあの『独眼竜政宗』(1987年)とかぶるわけなんでしょ? これは期待するしかないでしょうよ。伊達政宗は誰が演じるのかな~。同じ世代を題材にした『天地人』(2009年)での松田龍平さんのクール政宗も良かったんですが、今度はもっとギラギラしてエネルギッシュな政宗が出てきてほしいな! あと、できたら最上義光公も……いや、ムリだったらいいんすけど……

 他のキャスティングもものすごく楽しみなんですが、なんか、真田昌幸を小日向文世さんが演じそうなかほりがぷんぷんしますね。ま、そうなったらベッタベタすぎるから別の役になるでしょうけど。

 単純にいち視聴者として(2016年にはまっとうに TVで大河ドラマを拝見するつもりですので……)ものすごく楽しみな『真田丸』なんですが、来年の『花燃ゆ』もそうなんですが、おそらく今年のように毎週観た感想を我が『長岡京エイリアン』でつづっていく、というまでには入れあげないことになるだろうな、と感じています。
 来年の場合は単純に興味・関心がうすいからなんですが(それでも毎週観れたら観ます)、三谷脚本はさぁ、完全にダウトありきでお話を作ってくるじゃん!? そうなったらもう、ツッコミ甲斐がなくなっちゃうんだよなぁ! 『清須会議』でも強く感じたんですけど、そういう「そうじゃなかったことを証明できないんだから、そうでもいいじゃん。」っていう「可能性への逃げ方」って、そりゃもう歴史に造詣が深いからそういうテクニックを弄することができるわけなんですけど、私、好きじゃないんですよ。
 近藤勇と坂本龍馬が若いころに会ってても、織田家家臣団が砂浜でかけっこ大会やってても別にどうでもいいんですけど、それ、モデルの人物たちが活躍した時代の魅力をちゃんと汲み取ってるの? それ、ただあなたがやりたいだけのコント企画じゃないの? って強く感じるんですよね。日本史のスケールを TVサイズに縮小してる小細工にしか見えないんですよね。

 だから、たぶん『真田丸』はなるべく距離をもって毎週チェックすると思います。あと、私個人がそれほど真田家を好きでないということもありますし、それ以上に三谷さんが足利義昭公をドしろうとの分際で演じたということに対する、まことに一方的な恨みもありますし(『功名が辻』)……結局ぜ~んぶこれが理由なんじゃねぇか!!

 でもさぁ、ただ単に私がオッサンになったっていう証拠にしかならないんですけど、今現在の俳優業界って、かなり人材の味わいがライトになったっていう気がするのよねぇ。丹波哲郎とか中村梅之助とか、佐藤慶とか細川俊之とかさぁ、それこそ映画かマンガの世界にしか出てこないような濃い~面がまえのメンツが、どれだけ『真田丸』に集結してくれるでしょうか!?

 2016年も、実に見ものであります!! それまで、せいぜいがんばって五体満足で生きよ~っと。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金田一さんとこのお孫さんのドラマがまた始まるんですかそうですか  ~ File 3~

2014年05月11日 23時56分37秒 | ミステリーまわり
TV ドラマ版『金田一少年の事件簿』についての、あれやこれや~


 日本テレビ系で、これまでに連続ドラマシリーズ3作と、単発スペシャルドラマ6作が放送された。第1~2シリーズ(1995~97年)では堂本剛が主演を務め、以降キャストを変えて続編がたびたび制作されている。また、第2シリーズは映画化作品も公開(1997年12月、東宝)されている。

 第1~2シリーズ(合わせて「初代金田一」)を除き、その後の作品ではキャスト・スタッフが異なり、設定も別個に独立したものになっている。メインキャストはそれぞれ、堂本剛・ともさかりえ・古尾谷雅人(初代)、松本潤・鈴木杏・内藤剛志(2代目)、亀梨和也・上野樹里・加藤雅也(3代目)、山田涼介・川口春奈・山口智充(4代目)。また、堂本と松本は共にこの作品が連続ドラマ初主演作でもある。
 なお、連続ドラマシリーズは全て、日本テレビの夏の『土曜ドラマ』枠(21:00~21:54)での放送となっている。


初代(1995~97年)
 連続ドラマ第1・2シリーズ、単発スペシャルドラマ『学園七不思議殺人事件』、『雪夜叉伝説殺人事件』、映画『上海魚人伝説』の5作品が制作された。演出家で映画監督の堤幸彦の出世作でもあった。

メインキャスト
金田一 一  …… 堂本 剛( KinKi Kids 16~18歳)
七瀬 美雪  …… ともさか りえ(15~18歳)
剣持 勇   …… 古尾谷 雅人(37~40歳 2003年没)
真壁 誠   …… 佐野 瑞樹(ジャニーズJr. 21~24歳)
佐木 竜太  …… 原 知宏 (当時ジャニーズJr. 16~18歳 2011年に芸能界を引退)
鷹島 友代  …… 三浦 理恵子(21~24歳)
速水 玲香  …… 中山 エミリ(16~19歳)
明智 健悟  …… 池内 万作(23~25歳)
いつき 陽介 …… 利重 剛(32~35歳)


単発スペシャルドラマ『金田一少年の事件簿 学園七不思議殺人事件』(1995年4月8日・日本テレビ系列21:00~22:54放送 92分)
 1993年に連載された同タイトルの原作マンガ長編の実写映像化。
主なスタッフ
演出 …… 堤 幸彦(39歳)
脚本 …… 深沢 正樹(30歳)
音楽 …… 見岳 章(38歳)


連続ドラマ『金田一少年の事件簿』第1シリーズ(1995年7月~9月・日本テレビ系列毎週土曜日21:00~21:54放送 各話54分全8回7エピソード)
 最終話のみ21:00~22:24に拡大。第6話までは1話完結形式。前作の単発スペシャル『学園七不思議殺人事件』の好評を受けて連続ドラマ化。平均視聴率23.9%(クール中首位)を記録し、大人気を博した。
 1992~95年に連載された原作マンガの長編を実写映像化した。
エンディング主題歌『ひとりじゃない』(歌・堂本剛)

欠番エピソード『異人館村殺人事件』に関して
 連続ドラマ第1話『異人館村殺人事件』(原作マンガは1992~93年に連載)は、島田荘司の推理小説『占星術殺人事件』(1981年刊行)とのトリックの類似が指摘されて問題となったため、現在では欠番になっている。その後、DVD ソフトは当初から収録されていない。
 なお、原作マンガではこのエピソードは「占星術殺人事件のトリックを用いています。」と注記して刊行されている。のちのアニメ版『金田一少年の事件簿』では、『首吊り学園殺人事件』と共にアニメ化されなかった。


単発スペシャルドラマ『金田一少年の事件簿 雪夜叉伝説殺人事件』(1995年12月30日・日本テレビ系列21:00~22:54放送 114分)
 放送の前週の1995年12月23日には、放送前特別番組として第1シリーズの総集編と、『イヴイヴに贈る!金田一少年からメリークリスマス』も放送された。
 1993年に連載された同タイトルの原作マンガ長編の実写映像化。
主なスタッフ
演出 …… 堤 幸彦
脚本 …… 成田 はじめ(35歳)
音楽 …… 見岳 章


連続ドラマ『金田一少年の事件簿』第2シリーズ(1996年7月~9月・日本テレビ系列毎週土曜日21:00~21:54放送 各話54分全9回6エピソード)
 第1シリーズと同じキャスト、スタッフによる続編。平均視聴率22.4%(クール中首位)を記録し、第1シリーズに続き20% を超えた。
 第7話『異人館ホテル殺人事件』は一が入院して休養する設定となり、代わりに美雪が推理を披露している。また、原作マンガ同様に登場人物は前シリーズから加齢していない。
 1994~96年に連載された原作マンガ長編および CDドラマ版エピソードを実写映像化した。
エンディング主題歌『 Kissからはじまるミステリー』(歌・KinKi Kids)


特別番組
『これで見納め?! 金田一少年の事件簿・永久保存版 はじめちゃんが殺害された!金田一はじめの葬儀実況中継!! その時何かが……』(1996年9月21日放送 視聴率28.5%)
 TV ドラマ版オリジナルの特別篇を加えた、第1・2シリーズの総集編。
 金田一一が何者かに撲殺され、その葬式で一の軌跡を振り返るという内容の総集編となっている。最後に、一は一命を取り留めていたことがわかり、一の殺害を企んだ犯人を推理する。

『お笑い金田一少年の事件簿』(1997年4月12日放送 視聴率15.8%)
 バラエティ番組の形式をとった、TV ドラマ版オリジナルの特別篇。途中までは普通のバラエティ番組として進行するが、その本番中に殺人事件が発生し、出演者がドラマのキャラクターに変身して推理を行う。また、放送の最後では映画版の公開決定が発表された。


映画『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』(1997年12月公開 116分)
 興行収入21億円。第1・2シリーズ(初代金田一)の完結篇となっており、ラストで一と美雪が想いを伝え合う。実写版の全シリーズを通して唯一、明確な完結が描かれた作品でもある。
 内容は映画オリジナルである(直前の1997年11月に小説版『上海魚人伝説殺人事件』が刊行されている)。
主なスタッフ
監督 …… 堤 幸彦
脚本 …… 田子 明弘
音楽 …… 見岳 章


2代目(2001年)
 キャスト・スタッフともに一新し、「21世紀の金田一少年」として若返りを図った。単発スペシャルドラマ『魔術列車殺人事件』と連続ドラマ第3シリーズが制作された。

メインキャスト
金田一 一 …… 松本 潤(嵐 17~18歳)
七瀬 美雪 …… 鈴木 杏(13~14歳)
剣持 勇  …… 内藤 剛志(45~46歳)
佐木 竜太 …… 長谷川 純(ジャニーズJr. 15~16歳)
速水 玲香 …… 酒井 若菜(20~21歳)
高遠 遙一 …… 藤井 尚之(36歳)


単発スペシャルドラマ『金田一少年の事件簿 魔術列車殺人事件』(2001年3月25日・日本テレビ系列21:00~22:54放送 114分)
 1996年に連載された同タイトルの原作マンガ長編の実写映像化。
ゲストキャスト
一の母 …… 室井 滋(42歳)
主なスタッフ
演出 …… 下山 天(35歳)
脚本 …… 小原 信治(31歳)
音楽 …… 土井 宏紀(33歳)


連続ドラマ『金田一少年の事件簿』第3シリーズ(2001年7月~9月・日本テレビ系列毎週土曜日21:00~21:54放送 各話54分全9回6エピソード)
 前作の単発スペシャル『魔術列車殺人事件』の好評を受けて連続ドラマ化。松本潤の連続ドラマ初主演作。平均視聴率13.7%。
 1995~99年に連載された原作マンガ長編および小説版エピソードを実写映像化した。
エンディング主題歌『時代』(歌・嵐)


3代目(2005年)
単発スペシャルドラマ『金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件』(2005年9月24日・日本テレビ系列21:00~23:09放送 129分)
 再びキャスト・スタッフを一新。「3代目金田一」として制作された作品は1作のみである。
 2004年に連載された同タイトルの原作マンガ長編の実写映像化。

メインキャスト
金田一 一 …… 亀梨 和也( KAT-TUN 19歳)
七瀬 美雪 …… 上野 樹里(19歳)
剣持 勇  …… 加藤 雅也(42歳)

主なスタッフ
演出 …… 池田 健司
脚本 …… 福間 正浩
音楽 …… 仲西 匡(34歳)
エンディング主題歌『ツキノミチ』(歌・KAT-TUN)


4代目(2013年~)
 再びキャスト・スタッフを一新。単発スペシャルドラマ『香港九龍財宝殺人事件』、『獄門塾殺人事件』の2作が制作されている。また、連続ドラマとして『金田一少年の事件簿N(ネオ)』が、2014年7月より放送予定である。

メインキャスト
金田一 一 …… 山田 涼介(Hey!Say!JUMP/NYC 19歳~)
七瀬 美雪 …… 川口 春奈(17歳~)
佐木 竜二 …… 有岡 大貴(Hey!Say!JUMP 21歳~)
剣持 勇  …… 山口 智充(45歳)※連続ドラマシリーズ『N(ネオ)』より登場予定


単発スペシャルドラマ『金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件』(2013年1月12日・日本テレビ系列21:00~22:54放送 114分)
 日本テレビ開局60年特別番組の第1弾として放送。アジア各国・北米地域でも同日に放送された。
 2012年に連載された同タイトルの原作マンガ長編の実写映像化。
主なスタッフ
演出 …… 木村 ひさし(45歳)
脚本 …… 天樹 征丸(50歳)
音楽 …… 見岳 章
エンディング主題歌『ミステリー ヴァージン』(歌・山田涼介)


単発スペシャルドラマ『金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件』(2014年1月4日・日本テレビ系列21:00~23:18放送 129分)
 原作マンガと異なり、一部登場人物が外国人に置き換えられている他、事件の舞台もマレーシアの密林の中となっており、前作同様に現地でロケが行われた。開局60年特別番組。
 2006年に連載された同タイトルの原作マンガ長編の実写映像化。
ゲストキャスト
高遠 遥一 …… 成宮 寛貴(31歳)
主なスタッフ
演出 …… 南雲 聖一
脚本 …… 天樹 征丸
音楽 …… 見岳 章
エンディング主題歌『 Ride With Me』(歌・Hey!Say!JUMP)


連続ドラマ『金田一少年の事件簿N(ネオ)』(2014年7月~・日本テレビ系列21:00~21:54放送予定)
 連続ドラマとしては13年ぶり4作目となる新シリーズである。



《特別付録・今までレギュラー陣を演じてきた俳優・声優さんがたをまとめてみました》

1995年4月~97年12月「TV ドラマ第1~2期版」
初代・金田一一  …… 堂本 剛( KinKi Kids 16~18歳)
初代・七瀬美雪  …… ともさか りえ(15~18歳)
初代・剣持勇   …… 古尾谷 雅人(37~40歳 2003年没)
初代・佐木竜太  …… 原 知宏 (当時ジャニーズJr. 16~18歳 2011年に芸能界を引退)
初代・速水玲香  …… 中山 エミリ(16~19歳)
初代・明智健悟  …… 池内 万作(23~25歳)
初代・いつき陽介 …… 利重 剛(32~35歳)

1996年1月~97年4月「CD ブック版」
2代目・金田一一 …… 関 俊彦(33~34歳)
2代目・七瀬美雪 …… 氷上 恭子(27~28歳)
2代目・剣持勇  …… 梅津 秀行(40~41歳)
初代・一の母   …… 川村 万梨阿(34歳 『悪魔組曲』のみの出演)
2代目・明智健悟 …… 置鮎 龍太郎(27歳 『死神病院』のみの出演)

1996年11月~99年8月「プレイステーション版」
3代目・金田一一  …… 岩永 哲哉(26~29歳)
3代目・七瀬美雪  …… 宮村 優子(23~26歳)
3代目・剣持勇   …… 高橋 功(?歳 『悲報島』『地獄遊園』の出演)
7代目・剣持勇   …… 大塚 明夫(39歳 『青龍伝説』のみの出演)
2代目・いつき陽介 …… 二又 一成(41歳 『悲報島』のみの出演)
3代目・明智健悟  …… 森川 智之(31~32歳 『地獄遊園』『青龍伝説』に出演)
初代・佐木竜二   …… 結城 比呂(33歳 『地獄遊園』のみの出演)

1996年12月「アニメ映画版」
4代目・金田一一 …… 山口 勝平(31歳)
4代目・剣持勇  …… 夏八木 勲(57歳 2013年没)
4代目・七瀬美雪 …… 中川 亜紀子(23歳)

1997年4月~「TV アニメ版」
5代目・金田一一   …… 松野 太紀(29歳~)
5代目・七瀬美雪   …… 中川 亜紀子(23歳~)※アニメ映画版第1作から続投
5代目・剣持勇    …… 小杉 十郎太(39歳~)
3代目・明智健悟   …… 森川 智之(30歳~)※プレイステーション版からの続投
2代目・速水玲香   …… 飯塚 雅弓(20歳~)
2代目・佐木竜太   …… 難波 圭一(39歳~)
初代・金田一二三   …… 池澤 春菜(21歳~)
3代目・いつき 陽介 …… 平田 広明(33歳~)
初代・高遠遙一    …… 小野 健一(39歳~)

1998年1月「セガサターン版」
6代目・金田一一  …… 草尾 毅(32歳)
6代目・七瀬美雪  …… 飯塚 雅弓(27歳)
6代目・剣持勇   …… 土師 孝也(45歳)
4代目・いつき陽介 …… 藤原 啓治(33歳)
4代目・明智健悟  …… 子安 武人(30歳)
3代目・速水玲香  …… 倉田 雅世(28歳)

2001年3~9月「TV ドラマ第3期版」
7代目・金田一一 …… 松本 潤(嵐 17~18歳)
7代目・七瀬美雪 …… 鈴木 杏(13~14歳)
8代目・剣持勇  …… 内藤 剛志(45~46歳)
3代目・佐木竜太 …… 長谷川 純(ジャニーズJr. 15~16歳)
4代目・速水玲香 …… 酒井 若菜(20~21歳)
2代目・高遠遙一 …… 藤井 尚之(36歳 『魔術列車』のみの出演)
2代目・一の母  …… 室井 滋(42歳 『魔術列車』のみの出演)

2005年9月「TV スペシャルドラマ版」
8代目・金田一一 …… 亀梨 和也( KAT-TUN 19歳)
8代目・七瀬美雪 …… 上野 樹里(19歳)
9代目・剣持勇  …… 加藤 雅也(42歳)

2013年1月~「TV ドラマ第4期版」
9代目・金田一一 …… 山田 涼介(Hey!Say!JUMP/NYC 19歳~)
9代目・七瀬美雪 …… 川口 春奈(17歳~)
2代目・佐木竜二 …… 有岡 大貴(Hey!Say!JUMP 21歳~)
10代目・剣持勇  …… 山口 智充(45歳)※連続ドラマシリーズ『N(ネオ)』より登場予定
3代目・高遠遥一 …… 成宮 寛貴(31歳 『獄門塾』からの出演)




《ふ~ん 途中》
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする