ウクライナ侵攻の長期化でロシアの国防予算消費が加速している
(破壊されたロシア軍の戦車、2023年7月)=ロイター
【ロンドン=時事】ロシアが2023年上半期だけで、年間国防予算を12%上回る5兆5900億ルーブル(約8兆3000億円)を消費したことが分かった。政府歳出全体の3割強に当たるといい、ウクライナ侵攻の長期化による戦費膨張が、ロシア財政に重くのしかかっている実態が明らかになった。ロイター通信が4日、政府文書を基に伝えた。
ロイターによると、ロシアの今年の国防予算は4兆9800億ルーブル(約7兆4000億円)だった。6月までにこれを使い切ったため、国防予算を見直し、9兆7000億ルーブル(約14兆4000億円)に倍増させた。ただ、新予算でも既に半分以上を消費していることになる。
ロシアは2011〜22年に、政府予算の13.9〜23%を国防費に充てていた。今年の国防費比率は当初予算の17.1%だった。ウクライナ情勢は先が見通せず、国防費の拡大でロシア財政がさらに逼迫するのは避けられない情勢だ。
日経記事 2023.08.05より引用