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閉経した母親シャチが守るのは息子だけ、娘や孫は守らず ナショナル ジオグラフィック

2023-11-02 23:39:19 | 動植物全般・恐竜・動物・昆虫・魚類・植物


北部ノルウェーの冷たい海でニシンの大群を襲うシャチの群れ。子どももいる。
シャチは閉経後も長く生き続けるわずか6種類の動物の1種だが、その有益さを科学者たちは解明し始めている。

 

 

墨を吐いたり、体の色を変化させたりする動物の能力は、人間から見れば不思議に思えるかもしれない。しかし動物界全体から見れば、「閉経」こそもっとも不可思議な現象であることはご存じだろうか。

「自然界において閉経は非常にまれな特性です」と指摘するのは、英国エクセター大学の動物行動学者チャーリー・グライムス氏だ。閉経し、生殖能力を失ったあとも長く生き続ける動物はたったの6種類。ヒトと5種のハクジラだけだ。

ハクジラ類のシャチもそうした動物の仲間だ。そこで、なぜシャチのメスが閉経を迎えたあとも20年以上生き続けるのか、大規模な調査が行われてきた。

その結果、2023年7月20日付けで学術誌「Current Biology」に発表されたグライムス氏らの論文によると、閉経後のシャチの母親は、自分の息子が他のシャチとの争いに巻き込まれて負傷しないように守っているという。

 

これはグライムス氏らがシャチの皮膚にある他のシャチの歯で付けられた傷を調べたことで明らかにされた。とはいえメスたちが守るのは息子だけで、娘や孫は対象外だ。

「メスが息子だけをサポートするのは本当に衝撃でした」とグライムス氏は言う。

 

母親の助けはあったほうがいい

今回の調査は、米国の太平洋岸北西部の沖合で1年のほとんどを過ごし、絶滅も危ぶまれている「南部定住(レジデント)グループ」に焦点を当てたもの。

調査を行ったのはエクセター大学の他、英ヨーク大学、そして米国ワシントン州にある「クジラ研究センター(the Center for Whale Research)」の研究員たちだ。

シャチは最上位の捕食者であり、特にこのグループは魚を餌にしているため、獲物から傷を負わされることはない。「シャチにある傷は群れにいる他のシャチによって付けられたものであることにまず間違いはないでしょう」とグライムス氏は言う。



南部定住グル

ープを47年間追い続けてきたクジラ研究センターは、グループに属する103頭のシャチの写真を7000枚近く保有している。ここの研究員は1頭1頭のシャチを背びれと背びれの根本付近にある白い模様で識別できるという。

今回の調査では傷の密度が調べられた。結果、閉経後の母親を持つオスは、繁殖可能な母親を持つオスに比べ、傷が少ないことが分かった。一方で、繁殖可能な母親を持つオスと母親のいないオスの間に目立った違いはなかった。

 


尾ひれを海面にたたきつけ、ジャンプしようとするシャチ(Orcinus orca)。尾ひれにはかまれた痕が見られる。調査の結果、閉経後の母親を持つシャチにはかみ傷が少ないことが分かった。それは年長の母親が子どもを守っているためと考えられる。


「調査結果には驚きました」と話すのは米国でシャチの保護活動を進める非営利団体「ワイルドオルカ」の主任研究員デボラ・ジャイルス氏だ。「私も母親がカギだと考えたでしょう」

繁殖可能な母親は「今抱えている子どもの世話で手いっぱいだと思います。その点、閉経後のメスには時間もあり、自分が産んだ子どもへの関心も高いと考えられます」とジャイルス氏は続けた。なおジャイルス氏は今回の調査には参加していない。

「皮膚の傷は動物に重大な結果をもたらし得ます」と、米海洋大気局(NOAA)の野生生物学者ブラッド・ハンソン氏は言い、今回の調査は「シャチの社会の複雑性やその戦略、閉経後のメスの重要性について新たな知識を授けてくれました」と続けた。ハンソン氏も今回の調査に参加していない。


なぜ息子だけ特別扱い?



今回の調査では、母親の繁殖能力の有無に関係なく、若いメスの傷の状態に差がなかった。つまり母親が娘を特別に保護することはないようだ。

同じシャチのグループを対象にした以前の調査でも、シャチの母系社会において閉経後のメスが担う他の役割で似たような現象が報告されている。


例えば群れを餌場に導くのは閉経後のメスだが、閉経後のメスは捕まえたサーモンを2つに食いちぎり、半分を息子に与えるという。

この行動は特に主たる餌であるサーモンが不足した時、顕著になり、息子が成長したあとも続く。一方、娘は性的に成熟すると母親から自立するようになる。


南部定住グループでは、息子も娘も生涯を同じ群れで過ごす。ただし、オスは別の群れの複数のメスと交尾する。

つまり生まれた子どもの世話は交尾相手のメスが属する群れが担うことになり、オスが属する群れにとってはいわばコスト削減になる。さらに、母親にとっては、娘より息子の方が、自分の遺伝子を多く伝えてくれる。

 

「オスの方がメスに比べ生殖の機会が多く、メスは交尾相手として年長の体の大きいオスを好みます」とジャイルス氏は説明する。

「もし閉経後のメスが息子に十分な食料を与え、争いごとから守ってやれれば、オスはそれだけ年齢を重ね、大きく成長できる可能性が出てきます」


今回の調査結果は「メスが成長した息子を優先的に世話するのは、息子が繁殖により成功するようにして、自分の遺伝子を伝えるためだとするシナリオを裏付けるものとなりました」とジャイルス氏は言う。

では孫についてはどうだろうか? 閉経後のメスが孫に対し、餌場など生活環境に関する知識を授けることはあるものの、祖母がそばについているからと言って、孫たちの体についた傷の数が少なくはない。



さらに興味深いことに、息子の傷が少ないのは、閉経後の母親が体を張って息子を暴力から守るわけではないようだ。

 

体に傷が一番少ないのは閉経後のメスだということが以前の調査から分かっている。

つまり、年長のメスは自分の豊富な社会的な知識を使って、争いを回避したり、「息子が危険な行動をとったりしないよう合図を送っているようです」とグライムス氏は言う。


ではシャチのメスはいつ閉経するのか? 人間の女性の場合、40歳から50歳の間だが、シャチも40歳ごろから閉経に近づくとグライムス氏は言う。

閉経する人間は動物界では例外的な存在かもしれないが、シャチとはちょっとした仲間のようだ。


文=LIZ LANGLEY/訳=三好由美子(ナショナル ジオグラフィック日本版サイトで7月24日公開)

 

 

日経記事 2023.08.16より引用

 

 

 


日本人10人と家族8人、ガザからエジプト側に退避

2023-11-02 22:34:10 | 中東情勢・基礎知識・歴史・問題・真実

イスラエルとイスラム組織ハマスによる戦闘が続くパレスチナ自治区ガザから日本人10人とパレスチナ人家族8人がエジプトに退避した。外務省幹部が2日朝、明らかにした。

ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所が1日に開通したのを受け、封鎖されていたガザから出られるようになった。



希望者は全員退避を終えたという。日本政府は情勢が悪化するガザに残っていた邦人の退避に向けて関係国に協力を求めていた。

松野博一官房長官は2日の記者会見でガザに退避を希望していない日本人が1人滞在していると明らかにした。パレスチナ人家族とともに現地に生活拠点を置いていると説明した。


ガザからは1日にラファ検問所が開通したことにあわせ、外国籍保有者や負傷者の避難が始まった。300人以上の外国籍保有者がエジプトに入国したもようだ。民間人の退避はハマスが10月7日にイスラエルを奇襲攻撃して以降初めて。

ガザでは実効支配するハマスとイスラエルの衝突以降の死者数が1万人を超え、被害が広がっている。




日経記事 2023.11.02より引用

 

 

 


糖摂取で痛みに鈍感、東大が仕組み解明 鎮痛薬にも

2023-11-02 22:23:03 | 科学技術・宇宙・量子・物理化学・生命・医学・生物学・脳科学・意識・人類史

東京大学の榎本和生教授らは、空腹の状態で糖を食べると痛みを感じにくくなる仕組みを解明した。生物のエネルギー源である糖を食べると痛覚を抑制する新しい神経細胞のグループを発見し「SDGs」と名付けた。研究成果は、疼痛(とうつう)治療や鎮痛薬の開発などに役立つとみている。

 


痛みを感じる神経細胞を光らせたショウジョウバエの幼虫。糖を食べると痛みを感じにくくなる=東京大学提供

 

動物が自然界で生存や繁殖のために欠かせないのが、「逃げる」と「食べる」行動だ。この2つを同時にこなすのは難しく、食べ物があるところには敵がいる場合が多い。

普段は安全な場所にいるほうがいいが、空腹時は危険を冒してでも食べ物を得る必要がある。


空腹時に糖を食べると、痛みを感じにくくなる反応は、少し危険な状況でも餌を食べられるように進化してきたと考えられているが、詳しい仕組みはわかっていなかった。

研究チームは、ショウジョウバエの脳を調べて、糖を食べると痛覚を抑制する神経細胞のグループSDGsを見つけた。SDGsは痛みや熱などの刺激に反応する神経細胞に抑制のシグナルを出して、痛みへの応答にブレーキをかけていた。

空腹にした幼虫に糖を与えると、熱刺激を加えても糖を食べない場合より痛みに反応して転がる行動が鈍くなる。SDGsを人為的に働かなくさせると、反応が鈍くならなかった。



満腹時に糖を食べても痛みを和らげる効果はない。危険を冒して食べ物を得る必要がないからだ。榎本教授は「ちょっとでも痛いと感じると動物はそれほど危険ではなくても逃げてしまう。空腹の状態なら、食べている間は痛みを軽減した方が生存確率が高まる」と話す。

SDGsは脳領域や神経伝達物質の名前を並べた正式名称の略称だが、国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)にちなみ、「個体をサステナブルに維持するための神経細胞」という意図も含めた。

 

 

日経記事 203.11.02より引用

 

 

 


ロシアの反政権バンド、侵攻批判の音楽動画

2023-11-02 22:07:18 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


        ロシアのプーチン大統領批判で知られるパンクバンド「プッシー・ライオット」=ゲッティ共同

 

ロシアのプーチン大統領批判で知られるパンクバンド「プッシー・ライオット」が1日、ウクライナ侵攻を批判する音楽ビデオを公開した。同時に公表した声明で、侵攻後に始まったロシアの子どもに対するプロパガンダ教育の廃止と、ウクライナから連れ去った子どもの返還を求めた。ロシア独立系メディア「メドゥーザ」が伝えた。

ビデオはロシアの作曲家チャイコフスキーのバレエと同じ「白鳥の湖」という題名。ソ連時代に指導者死去などの際、国営テレビが正式発表まで白鳥の湖を放送していたことから、政権が真実を隠しているとの意味を込めたという。

ロシアで愛国教育が強まり、侵攻に疑問を呈した子どもが叱咤(しった)されたり、反戦の絵を描いた子どもが孤児院に送られたりしていることから制作した。手を真っ赤に染めた子どもが兵士の玩具で遊ぶ映像を背景に、メンバーが「祖国の成功は命より尊い」と皮肉って歌っている。

声明は、政権の宣伝を担う者は「ウクライナで民間人を殺した兵士や、命令を下した将軍と同じ戦争犯罪者だ」と非難した。


プッシー・ライオットは2012年、プーチン氏を批判するパフォーマンスをしてメンバーが逮捕された。米紙ニューヨーク・タイムズによると、22年の侵攻後、メンバーのほとんどが海外に逃れた。(共同)

 
 
 
日経記事 2023.11.02より引用
 
 
 
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ロシアの男どもは、プーチンに尻尾を振るヘタレばかり。 この女の子たちを見習え、ドアホらが!
 
 

「来ないでほしい」がエジプトの本音…ガザ避難民の流入をどうしても避けたい理由【アニメで解説】

2023-11-02 15:17:54 | 中東情勢・基礎知識・歴史・問題・真実


「来ないでほしい」がエジプトの本音…ガザ避難民の流入をどうしても避けたい理由【アニメで解説】https://www.youtube.com/watch?v=wgjELUndavk&list=PLGdFuLPaPgJ1pWk8yqlJOPWB9U93XJyEY&t=51s