・ロスチャイルド財閥ー247 ドイツの台頭と19世紀後半の混乱するヨーロッパ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/3947e90a2431d1d32d33e186b709d019
・ロスチャイルド財閥ー248 ユダヤ人迫害の負の歴史、英金融街成立の影にhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/73062f0ecc8f5312f2b1ade1742f29ba
からの続き
ロスチャイルド家は19世紀後半の相次ぐ戦争を生き延びましたが、各分家にはそれぞれ明暗がありました。
パリ家、ロンドン家は益々の繁栄を見せていました。 フランクフルトのロスチャイルド家も健在であり、ウィーン家も弱体化したハプスブルグ家とともに存続し討づけましたが、ナポリ家だけ没落しました。
しかし、ヨーロッパの社会変動の激しさを考えれば、これだけの犠牲で済んだことは、むしろ奇跡的と言えます。
これは何よりも「兄弟は」何事も力を合わせるように」という初代マイヤーの遺訓を守った事にあると思われます。
5人兄弟のスクラムは、競争者の挑戦を受けるたびにむしろ強靭になり、一つの国だけを基盤とする競争者は国境を超えたロスチャイルド家の組織力の前に太刀打ちできませんでした。
それぞれの分家が忠誠を誓わなければいけない国家同士が戦争するという難しい状況においては、まず戦争の阻止を試みて、力及ばずとなればドライにビジネスに徹しました。
どのためには、それぞれが属する国家を欺くことも辞しませんでした。
一族が中、世を誓っていたのは国家ではなく、家と組織であって儲け、利益というビジネスを何よりも信奉するのが、同家の規範でした。
普通の会社なら飲み込まれてしまうような歴史の大波、それを乗り越えるロスチャイルド家のスケールに目を奪われがちですが、その基本はあくまでも実務的なビジネスマンだったのです。
しかし、時代の変化はこうしたコスモポリタンなロスチャイルド一族を次第に追い詰めていきます。
19世紀前半の一時期には可能だった平和調停が、その後ほとんど不可能になったことからも分かるように、ヨーロッパでは不可侵の主権を持つ「国民国家」がいよいよ怪物のような軍事力と経済力を持って登場しつつありました。
そしてイギリス、フランス、ドイツ、イタリアといったこれらの国家は、産業革命の発展に伴う市場拡大を求めて、アフリカからアジアに至る植民地主義をほしいままにするのであります。
そして、来たる20世紀には無慈悲な国民国家群による二度の全面戦争が待ち受けていました。国境を越える露チャイルド家にとって、それはこれまで以上の厳しい試練が待ち受けていました。
(参考資料)
・ロスチャイルド財閥ー235 エルサレムの安息日と祭り
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/528565a342f25f42fc42a5017f1ce301
・ロスチャイルド財閥-236 極貧からのスタート
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/24dd0ae4d6ccbccfb22a00f28872aeff
・ロスチャイルド財閥-237 三男ネイサン イギリス・マンチェスターに派遣
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2d137df07bb86c88075df556d2008689
・ロスチャイルド財閥ー238 ナポレオンのプロシア侵攻とヴィルヘルム9世の資産隠しhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e5393c3584a8087bb961bf112f990844
・ロスチャイルド財閥-239 ウェリントン将軍に軍資金を運ぶロスチャイルド
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e5393c3584a8087bb961bf112f990844
・ロスチャイルド財閥-240 ワーテルローでの情報戦で財閥の基盤を築いたロスチャイルドhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7f2f01ab591c9d318a0f7bf1d9e37ff4
・ロスチャイルド財閥-241 ウィーン会議 王政復古https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/a4ec2db957152b354e33c530468ea6f0
・ロスチャイルド財閥-242 アーヘン列国会議とRothschildの逆襲https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0b04a5ee54512cecd6fb4451d87d51bf
・ロスチャイルド財閥ー243 放たれた五本の矢
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/3031557341f3c3a374dadfbb3e6ff2eb
・ロスチャイルド財閥ー244 ロスチャイルドの平和工作https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e076fb7fdf245ac7bf69826bc075e57b
・ロスチャイルド財閥ー245 産業革命と鉄道事業 そしてナポレオン三世https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/4a86405cc341370f0640381eb9e8fd83
・ロスチャイルド財閥ー246 ナポリ分家の消滅
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/87a2a9ba34b4aa291aac29bd2a7bcbd7
・ロスチャイルド財閥ー247 ドイツの台頭と19世紀後半の混乱するヨーロッパ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/3947e90a2431d1d32d33e186b709d019
・ロスチャイルド財閥ー248 ユダヤ人迫害の負の歴史、英金融街成立の影にhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/73062f0ecc8f5312f2b1ade1742f29ba
・ロスチャイルド財閥ー249 19世紀後半のロスチャイルド一族https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/af4fda1973cee3f44349b3747d1e8d42
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