ニトリは現在80〜90店舗に導入している家電専門売り場を国内全店に拡大する。
これまで主に小型家電を販売していたが、販売価格を9万9900円に抑えたドラム式洗濯乾燥機も発売するなどファミリー向け大型家電の取り扱いを増やす。ニトリホールディングス(HD)の似鳥昭雄会長は「家電を4番目の柱に育てる」方針だ。
「ファミリー向けの大型家電を、試作を重ねて取り組んできた。このたび、ようやく品質も価格も機能性も他社に負けないくらいの商品開発ができた」。11月22日に開いたドラム式洗濯乾燥機の発表会の席上で、似鳥会長はこう強調した。
ニトリは現在80〜90店舗に導入している家電専門売り場を国内全店に拡大する。これまで主に小型家電を販売していたが、販売価格を9万9900円に抑えたドラム式洗濯乾燥機も発売するなどファミリー向け大型家電の取り扱いを増やす。ニトリホールディングス(HD)の似鳥昭雄会長は「家電を4番目の柱に育てる」方針だ。
「ファミリー向けの大型家電を、試作を重ねて取り組んできた。このたび、ようやく品質も価格も機能性も他社に負けないくらいの商品開発ができた」。11月22日に開いたドラム式洗濯乾燥機の発表会の席上で、似鳥会長はこう強調した。
11月から販売を始めたドラム式洗濯乾燥機。同型機の市場平均価格の半値以下だ
同日から販売を始めたドラム式洗濯乾燥機は、標準洗濯容量が10キログラム(標準乾燥容量は5キロ)で販売価格が9万9900円と同型機の市場平均価格の半値以下だ。
黒と白の2色をそろえ、1時間で洗濯・乾燥できる「特急洗乾コース」も備える。洗濯容量12キロ(同6キロ)の商品も12万9900円で発売した。
ニトリによると、縦型洗濯乾燥機の市場平均価格が7万円程度だが、ドラム式は22万円と価格が高い。購入に二の足を踏む消費者も多く、家庭での普及率は25%にとどまる。共同開発した中国メーカーとコストを削減し、無駄な機能を減らすことで低価格を実現した。
従来機では洗濯と乾燥に2〜3時間ほどかかるが、新商品は2キログラムの衣類なら1時間で洗濯・乾燥できる。サイズは容量10キログラムで幅60センチメートル、高さ85.7センチメートル、奥行き59.5センチメートルと同社が販売中の縦型機よりも小さい。ある家電量販店の幹部は「あの機能性の商品を9万9900円で出すのはうちでは絶対無理」と舌を巻く。
現在のニトリの家電売り場。小型家電が中心だ
ニトリは2009年から家電の販売を開始。入学や就職で新生活を始める単身世帯向けに主に小型の家電などを家具とともに販売してきた。22年4月には家電量販大手のエディオンのLIXILが保有する全株を買い取った。
エディオンと資本業務提携し、今も9.73%を出資する筆頭株主だ。エディオンとは家電の共同開発や一部店舗では互いに商品を販売するなど、家電への取り組みを強化してきた。
ただ、家電と家具の組み合わせた販売を強化することでシナジー効果も期待されたが、具体的な成果を生み出せていないのが現状だ。
今後は家電への取り組みを本格化させる。現在、約550店ある国内店舗のうち80〜90店に家電売り場を導入しているが、25年に300店、将来的には全店に導入する計画だ。
似鳥昭雄会長は「家電を家具、寝具や布製品、
雑貨に次ぐ4番目の柱にしたい」と話す
似鳥会長は「家電を家具、寝具や布製品、雑貨に次ぐ4番目の柱にしたい」と話す。家電売り場の面積は店舗の形態により約165〜230平方メートルを中心に、大型店では330平方メートル程度を想定している。
ニトリホールディングスは21年にホームセンター大手の島忠を買収。アパレル品ブランド「N+(エヌプラス)」や雑貨に特化した「デコホーム」なども展開する。
家電量販ではヤマダホールディングスが「暮らしまるごと」を掲げ家電以外にも家具や住宅などを販売している。業界の垣根を越えた競争が激しくなりそうだ。(逸見純也)