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私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

アシナガオトシブミ Phialodes rufipennis :初めてオスを

2023-04-28 08:37:49 | オトシブミ・チョッキリ・ゾウムシの仲間
2023年4月28日(金)

アシナガオトシブミ Phialodes rufipennis オス

20230426 10mmほど

一昨日、山道散歩中にかみさんが見つけた。

クヌギの若葉にとまってて、撮影しようとしたらポトン!

あきらめきれないかみさんが草むらで再び見つけ


「うわぁっ! オスじゃんっ!」


オスは初めて!
オスは吻と触角がメスより長くて、今までメスしか見つけてきてなかったのだ。


その数日前、家の周りを一人で散歩中
メスを見つけていて

20230422 8mmほど

やはりクヌギの若葉にいて


思い起こせば、一昨年、友人の夫人が地元山間部の草むらに落ちてるのを見つけ
こんなオトシブミが市内にいるとは知らなくて・・・
何度となく足を運んで、探すも見つからず

昨年、再度挑んで、やっぱりかみさんが草むらに落ちてるのを見つけ
遅ればせながら私も見つけ、ひと段落ついて

それが今年、自宅から徒歩1000歩圏内にいることを味わい・・・


やっぱり地元・足元から知っていくことの大切さを噛みしめていたのだった。


ただし、メスしか会ってなかったから
「オスは見つからないねえ。見つけたらお互い知らせようね」と、知人と話してたばかり。

かみさん、もってるねえ。
で、向きは少しずれてるけど、違いがわかるようオスメス並べてみたからね。


5/23追記:赤みの強い上翅のアシナガオトシブミのオスを見つけた。

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ヒメゴマダラオトシブミ Paroplapoderus vanvolxemi:剪定された欅から

2022-09-25 10:08:38 | オトシブミ・チョッキリ・ゾウムシの仲間
2022年9月25日(日)

ヒメゴマダラオトシブミ Paroplapoderus vanvolxemi

20210619 7mmほど

今頃になって後悔と反省をしている昨春の話。
懺悔も込めて正直に書くことにした。

昨春、友の画像がきっかけでオトシブミ探し散歩に火がついて👇
ウスモンオトシブミ:揺籃づくりの春夏④

5月下旬、自然公園へと向かう山道整備のためか、ケヤキの大きな枝が切り落とされかけていて


駐車場には伐採木がたくさん積まれていて、このケヤキも無価物として処理されるのかなあと

葉を眺めていたら・・・
たくさんの揺籃がついていて・・・

「このままでは一緒に燃やされて命を落とすだけだ」
「友のみつけたルイスアシナガオトシブミが出てくるかもしれない」と
10個ほどの揺籃を持ち帰った。

私なりに飼育方法を調べ、すぐに簡単な飼育装置をつくった。
そして、あきらめかけた約3週間後、8匹のヒメゴマダラオトシブミたちが羽化したのだった。


てっきりルイスアシナガオトシブミが羽化すると思っていたから
この未知のオレンジと黒のこぶこぶオトシブミにびっくりした。
ヒメコブオトシブミとゴマダラオトシブミのキメラ?とも思った。


後悔と反省しているのはここからの行動なのである。

私は、大切な命だからと、次々と羽化していったコイツらを元の場所へと逃がしに通ったのだ。

そのときは、元の場所へ戻すのは良いことだとすっかり思い込んでいた。

その後、虫や植物に保護に詳しい方々との出会いを重ねていって、2つの問題に気づかされた。
1つは、燃やされる運命の伐採木の枝の揺籃とはいえ、公有林の植物の葉を採り持ち帰ったのは、厳密には「森林窃盗罪」にあたるということ。
私有・公有に関わらず生えている植物や茸など「移動しない生き物の持ち帰りは所有者の許可がない限り窃盗罪」になるということを調べていなかった。
もう1つは、飼育個体の放虫だ。
3週間の飼育中、自宅で予期せぬ菌類など付着してしまったかもしれないと考えるべきだった。
安易に元の場所であろうと他の場所であろうと放つべきではなかった。

「何で魚ならわかりきっていたことなのに、昆虫となると想像できなかったんだろう?」
「最後を看取るまで飼育するか標本にしておくか、どっちかだったなあ」
と、悔やみ、学んだ後はきっちりするようにしているけれど・・・

飛んでいった画像に胸が痛むのであった。

キスジアシナガゾウムシ Mecysolobus flavosignatus:口吻のるつぼたち⑫

2022-09-12 17:20:30 | オトシブミ・チョッキリ・ゾウムシの仲間
2022年9月12日(月)

キスジアシナガゾウムシ Mecysolobus flavosignatus

20220909  8mmほど

ヤマジノホトトギスをしゃがんで撮影してたら
足元の野草にしがみついているコイツを見つけた。


なるほど、目線を低くするだけで見える世界は一気に変わるもんだ。

アシナガゾウムシの仲間にしては、さほど前肢は長くないかな。
平地から低山地に普通にみられ、幼虫のホストはヤブマオやアザミだそうだ。
普通にみられるらしいのだが、あまり詳しい情報はわからなかった。
コイツが、人間の利害、特に農林業関連で『やっかいではなく、地味で小さな虫』として、あまり相手にされていないためなのかもしれない。

タデノクチブトサルゾウムシ Rhinoncus sibiricus ?:口吻のるつぼたち⑪

2022-08-09 17:20:17 | オトシブミ・チョッキリ・ゾウムシの仲間
2022年8月9日(火)

タデノクチブトサルゾウムシ Rhinoncus sibiricus かなあ?

20220717 3mmほど

所用を済ませた河原近くの草原で
オオバコの葉にとても小さなゾウムシ(3mm弱)がいるのを知人が見つけた。

小さい割にすばしこい。
しかも何度も翅を広げて飛ぼうとして、結局去ってった。

ならば、「まだ他にもいるはず」と、オオバコに頭をつっ込んでたコイツを見つけた。

割とおとなしく、撮影もすぐ終えて・・・

帰宅後調べてみたら・・・
知人が見つけたゾウムシと私のとは全然違うゾウムシだった!
吻の長さ・細さ、体色・体型など、まるで違う。
こういうとき老眼なのはとても哀しい。

で、私のは吻が太く(クチブト)、体型と肢からサルゾウムシの仲間っぽい。

その中で、ギシギシクチブトサルゾウムシタデノクチブトサルゾウムシに辿りついたんだけど
体色・斑紋でいえば、より薄いタデノクチブトサルゾウムシに近く
ホスト(食草)でいえば、どちらにも当てはまらない。
そもそも「オオバコクチブトサルゾウムシ」なんてのは、ネット上でもヒットしないし。

ま、そういう訳で、移動休憩中のタデノクチブトサルゾウムシということにして・・・

問題は、知人が見つけたゾウムシで
同じ種類のゾウムシと思い込んでたため、手元には1枚の画像しかなくて、調べようにも難しいのであった。

さてさて、こうして書いてないままにしてる初見の生き物記録が昨年からずっとたまってる。
そんな中で、少しずつでも最近の小さな生き物を紹介してるのは
夏休みの理科研究に、もしお家の人がが本気協力するなら、小さな地味な昆虫の記録や採集がもってこいでもあるから。
特別な場所に出かける必要もなくて、近くの川のほとりの草原で十分だもの。
今は、ネット上にいくらでも情報や画像が出てくるしね。
カブトムシやクワガタを追いかけるよりもずっと深くて、友達とかぶらないユニークな作品になると思うよ。

暑い日が続いて、この頃用事以外は外出もせず、散歩も控え目。
2週間ごとに、PCで事前予約をした市内図書館の10冊の書籍・図鑑を読みあさる日々。

カシワノミゾウムシ Rhynchaenus japonicus :口吻のるつぼたち⑩

2022-06-28 13:39:17 | オトシブミ・チョッキリ・ゾウムシの仲間
2022年6月28日(火)

カシワノミゾウムシ Rhynchaenus japonicus  

4mmほど  20220601

広い公園内に数本植樹されてたコナラの葉に

びっしりついていた。

ひっついてるときは扁平な虫に見えるけど、触れようとするとピンッと跳ねた。
どうやらノミゾウムシの仲間らしいと、そっと気配を消して何枚か撮る。

この後肢の太さはすごいよね。

ノミハムシの仲間も跳ねるけど、それよりもはるかに発達してる。

大きな複眼も太く長い吻も何となくアンバランスな違和感を感じる。


一枚の葉に何匹もついてて、公園のコナラは半分枯れ葉状態になってた。

和名の通り、コナラに限らず、カシワとかシイ・ナラ類をホストとする昆虫。
昆虫と植物は、切っても切れない関係の中で『共進化』してきてるという。
ドングリの殻の硬さとシギゾウムシの吻の長さなんてのが典型的な例だ。

また、アインシュタインは「昆虫が滅びた数年後は人類も滅びる」みたいなことを言ってる。

そして、ふと疑問に思う。


整備されたきれいな公園内に植樹されたコナラにはびっしり大発生していたけど
そこから山道へと散歩し続け、二次林に生えてるカシワ・シイ・ナラの葉はみんな青々と元気なのだ。
1枚、また1枚と葉の裏を確かめてみたけど、コイツ1匹もいないのだ。

・多様な植生の中では様々な要因が作用して大発生できないのではないだろうか?
・公園に植えられたコナラが弱っていたのだろうか?目立っていたのだろうか?
・作物への虫の食害も、人間が「より食べやすい無害な植物を目立つ場所」に育てているからだろうか?

そんなことを考えているうちに、コイツに気付かれスタコラサッサと逃げはじめたのであった。