私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

コサメビタキ Muscicapa dauurica :ごみステーションにも?!

2024-10-09 09:34:25 | 鳥類
2024年10月9日(水)

コサメビタキ Muscicapa dauurica

20241005   13cmほど

スズメを2回りほど小さくしたヒタキ科の小鳥。
図鑑では夏鳥となっているけど、私の暮らす備後地方南部域では夏が終わり涼しくなった初秋頃北部の山からおりてくる気がする。

猛暑が少し収まった日にスズメほどの大きさのエゾビタキを隣町で見かけ


その翌日、小雨の中いつものごみ捨て係を全うしようとデジカメを持って向かったら
ごみステーション前の電線にエゾビタキらしき小鳥が止まっていて・・・

20241003
「あららっ!わが町にもおったんかいっ!」

さらに、歩みを進めていると小さな小鳥も藪から出てきて・・・

20241003
「エゾビタキとちゃうぞっ!コサメビタキっぽいぞっ!」

とはいえ、小雨の中遠くからの安物コンデジ撮影はこの程度が限界だ。
コサメビタキなのか?サメビタキなのか?
いつまでもへっぽこな鳥見ニストの私にはよくわからないのだ。

そこで、良く晴れた日に吟行を兼ねながら近場を散策して回ることにした。
何せ歩き回るから、鳥見には向かないのだが・・・
5000歩を越えた頃、逃げずに枝に止まっている小鳥がいたっ!


種名もよくわからないまま、枝から枝へと移るたびにシャッターを切る。


胸の模様・口ばしの色や形から

コサメビタキなんだろうな、たぶん。

ヒタキ科の小鳥たちは、年中種類を変えながら顔を出すし、何となくかわいい。
かわいいかかわいくないかは人の主観にすぎないけどね。
長年暮らしている地域でも、見ているようで見えていない生き物はまだまだ沢山いるもんだ。

エゾビタキ Muscicapa griseisticta :渡りの途中ですか?

2024-10-06 07:04:24 | 鳥類
2024年10月6日(日)

エゾビタキ Muscicapa griseisticta

20241002  16cmほど

卵やベーコン特売のスーパーへ買い物に行ったついでに隣町のため池へ。
まだ渡りのシギチドリは見られず、しかも工事が派手に行われていて・・・
雑木林に囲まれたベンチで休んでいるとやってきた小鳥。


どうやら寒くなると南方へと渡っていくエゾビタキみたいだ。
草刈りをしていた地元の方に話を聞くと、このため池にも大規模工事の話が進んでいるらしい。
渡りをする鳥たちの休憩地がまた一つ消えていくことになるのかなあ・・・

※追記 20241011 ごみ捨ての帰りにエゾビタキに出会った。


私の町内にもいるんだなあ・・・


イスカ Loxia curvirostra ですか?

2024-03-17 09:57:00 | 鳥類

2024年3月17日(日)

イスカ Loxia curvirostra のメスですか?

20240316  スズメ大

昨日まで、「先祖の墓参り」ついでの「うどん屋さん・鮮魚屋さんツアー」を兄貴としたり
チラシ配りをしたり
駄文書きで図書館に通いつめ、形になるたびに素材探しに出かけ、また駄文に書き加え
その分文章を削り、また形になったら出かけ・・・
という無駄なリサイクル運動をしたりと、バタバタしてた。

で、ひとまず目途がついたので・・・
「そろそろオツネントンボが飛んでる頃かもしれない」と、近隣の町の湿地帯へ。
長く机についてると、妄想は膨らみ、腰は痛み、体はきしみ、つい出かけたくなる。
弁当を食い、オツネントンボを探す。
・・・いなかった。
代わりといってはなんだが、初見のホソミオツネントンボらしき錆のような赤茶けたイトトンボがいた。
・・・いたけど、見つけた頃にはこっちも見つかっていて、風に乗りすぐ飛んで行ってしまった。
枯草に紛れ見つけにくくて・・・

ふと、空を見上げると・・・逆光の中にスズメ大の小鳥が1羽。

「んっ? 何だ?この鳥?」
露出を最大オーバーにして・・・

「え~っ! イスカじゃないのお~っ?」とかみさんへ。
口ばしが妙にかみ合ってない(イスカの特徴)ように見えたのだ。

「んなわけないよ! 昨年末知り合ったおじさん、わざわざ寒い中4泊5日の鳥見旅を組んでまでイスカ見に行ったって誇らしげだったじゃんっ!」
たしかに私にもその記憶はあって、イスカなんぞ私ら素人にはそうそう会える小鳥ではないと思う気持ちは今も同じだ。

しかも、今は春、イスカは冬鳥。
さらにコイツは赤くない。


コイツより小さなマヒワも群れていてせわしなく、まぎらわしい。

じっくりピントもあわせられない。

なんとかイスカらしきヤツが松ぼっくりをつつく姿をコマ撮りして・・・
 
コイツ、イスカのメスですか?と
また、生き物に詳しい知人に聞いてみようっと!


ホシムクドリ Sturnus vulgaris :冬の銀河のごと

2024-03-01 10:02:09 | 鳥類
2024年3月1日(金)

ホシムクドリ Sturnus vulgaris

20231127   体長20cmほど

黒と褐色の地模様に白い斑点をちりばめた冬の銀河のような美しい鳥だ。
日本には冬鳥として主に西日本以南に飛来するそうだ。

この日、隣町を散策中電線に止まってたムクドリの群れの中に、少し小さなヤツが1羽混じってて

モニター画面を確かめて「ホシムクドリじゃあ~」と驚いた。

いかんせん逆光である。
カラスたちがよく集まる通りに狙いをしぼって順光側からぶらぶら歩く。
「いたっ!」数十羽の群れだ!
と、何枚か撮ってたら・・・

カラスの急襲


襲われたら、飛んで逃げるのではなく、まず落ちるのだと知った。


かくして、まともな画像は最初とこの1枚。


この日から、何度か足を運んだけど全然会えてないもんなあ。
ホンマに冬鳥なのかなあ~?
もっと暖かいとこへと渡りを続けてるんとちゃうんかなあ~?

コウノトリ Ciconia boyciana の巣立ち:その光と影

2024-02-25 10:24:51 | 鳥類
2024年2月25日(日)

コウノトリ Ciconia boyciana 

20230628   1m大 翼長2mほど

巣立ち直前の3羽のコウノトリ、キキとキラとキララだ。(命名は公募の結果、地元の小学生たち)
昨春、広島県世羅町に飛来・営巣していた親コウノトリが子育てに成功したのだ。

世羅町は広大な台地を利用した梨などの果樹や米、園芸植物などで有名な町だ。
私たち夫婦は、超格安(十数個で500円とか)で美味しいのに出荷されない梨を毎年買いに行く。

たまたま、そんな傷物の梨を買いに訪れたこの日、営巣地付近を通ってたら、巣へと長いクレーンが伸びてるのが見え
「何事ぞっ!」と眺めてたら、人が集まっていた。
どうやら研究関連の人とかマスコミや地元の方々(一部遠方より野鳥観察好き)みたいだ。
邪魔にならぬよう遠巻きに近づいてみた。
たまたま、ちょうど「個体識別の足環」を装着し終えたところだった。
マスコミ各社は、地元の方々や研究者さんにマイクを向けたり、大きなカメラを振り回したりと大忙し。
1956年、特別天然記念物に指定されてる鳥だし、こういう時でないとうかつに近づけるものではない。

「たまたまの幸運は準備をしていた者にしか訪れない」と言ったのは
リンネだったかラマルクだったかデカルトだったか・・・すっかり忘れたが
かみさんが「梨を買いに行くだけよ!」と言うからといって「カメラの準備」は忘れない。
寄り道して早速撮影するのに曇天が続き、この画像の一瞬の晴れ間もまさに偶然の賜物だ。

翌日、地方のマスコミ各社は大変喜ばしいニュースとして報道していた。
地元の農家さんたちも減農薬をして対応したり、電気供給ラインの変更を工夫したりと頑張った成果だ。
コウノトリ観光が町おこしになる!という光の部分だ。
ただ、光が当たれば影もできる。

理系の一人として、常に逆の側面からも覗いてみる思考法を心がけてるから天邪鬼かもしれぬが、手放しで喜ぶわけにはいかない。

一番大きな(キキかな?)が羽ばたきの練習を何度も繰り返してた。

コウノトリは、ロシア北東部で繁殖し、中国などアジア東部で越冬をする冬鳥。
ただ、一部留鳥(1年中とどまり繁殖する鳥)として過ごすケースもある。
たまたま移動コースをはずれ、ほぼ迷鳥として日本へ飛来することもある。


花札にも描かれてる「松に鶴」の鶴はコウノトリのこと。(本物の鶴は松にとまれない)
だから、日本でも古くからよく知られてる野鳥だ。
西洋では「赤ちゃんを運ぶ幸運な鳥」として、口ばしの赤いシュバシコウが有名だが
あれは、よく似てるけど口ばしの色以外にも違いがあり、コウノトリとは違う鳥だそうだ。
だから、コウノトリは赤ちゃんを運んでくるという伝聞はちょっとあやしい。


さて、1960年代のこと、日本のコウノトリは野生下でも人工繫殖下でも完全に絶滅した。
困った国は飛来してくるのを待つ余裕もなく、ロシアからコウノトリ数羽を譲り受け、繁殖を試みた。
その結果、兵庫県豊岡市で繁殖成功し、個体数も回復し、野生へと放鳥するまでにいたった子孫たちなのである。

つまり、コイツらは、日本で昔から留鳥として繁殖を繰り返していた野生種とは少なくとも地理的にかなり異なる『国外外来種』といってもおかしくない。


ヒナに与えるエサであるカエルやヘビの量は、毎日1羽あたり1~2kgにもなるという。
3羽も育てられるほどの豊富なエサがいる世羅町の自然はすばらしい。
例えば、シマヘビの幼体が道路わきを這っていたりもして、散歩してても楽しい。


ところが、近辺では短足で動きの鈍いナゴヤダルマガエル岡山集団も野生分布してるのである。


そりゃ、コウノトリが外来種であるウシガエルやアメリカザリガニ・スクミリンゴガイばかり食べてくれれば何ちゃ問題はないのだが
在来種も外来種も「根こそぎ食っちゃ移動する」のである。
それを嫌って農家は追い払ったり農薬を使ったり、狩猟者は撃ったり食べたりもしてきた。
自然開発も含め、それらの歴史の結果として、絶滅は起こるべくして起きたのではなかったんじゃないかなあ。

ごく一部の地域にかろうじて生き残ってるナゴヤダルマガエル岡山集団たちにとって、コウノトリは根こそぎ食いつくし、絶滅へと導く大悪党の飛来でもある。
といって、毎日、飛来を監視するわけにもいかない。
防止網でも張って万が一コウノトリが絡み、死滅させるわけにもいかない。
長年保護活動を続けておられる研究者さんにとっては憤懣やるかたないだろう。

これは、コウノトリ繁殖をめぐる影の部分なのかもしれない。

さてさて、私のこんないい加減な話より
4月13日(土)開催「広島県の生物多様性と希少種の状況」シンポジウム

では、きっと専門家の方たちから詳しくわかりやすく話してもらえるものと思うからね。

ぜひ、ご参加のほど!