私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

出かけます。探さないでください。・・・ の巻

2017-07-27 21:17:13 | 外国の淡水魚図鑑紹介
2017年7月27日(木)

海外へ出かけることになった。
7月の終わりから8月上旬にかけて。
しばらくブログを留守にします。

そういえば、お気に入りのうどん屋さんが
「しばらく店を留守にします。探さないでください。」の張り紙をして、店を閉めてたのだ。
「どないなっとんな?」
「何があったんやろか?」とウワサがウワサを呼んだ1ヶ月後、店が再開してるとの知らせ。
さっそく出かけ、奥さんにおそるおそる聞いてみた。
「うちの人、スキーで骨折入院してただけなんですよ。」
「どっひゃ~!」というくだらんことを思い出す。(オッサン、また話それてまっせ)

そんなことはどうでもいいのである。

話は、非公式な会食中(一緒にメシ食うとったと書かんかいっ!)
「外国へ一人で行ってくるけえな」との友の言葉に
「ワシも行く、連れてって!」と反射的に答えたことからはじまった。

だから、とある国の総理大臣だって
「学部つくりたいわ」とかなんとかいった友の言葉に
「ワシも何とかしてみます」くらいは反射的に応えるのが自然じゃね。(オッサン、横道クネクネクネクネ・・・)

話がまたそれた。

どこに行くのか、というとタイである。
タイにはタイを釣りにいくのでもなくメコンオオナマズに会いにいくわけでもなく、


タイのチェンマイあたりでチェンマイ魚を釣りたいと思うとるのである。
できればこんなのを。


再就職後、まだ4ヶ月。
少々休みが長くなる。
職場の上司に思い切ってお願いしてみた。
「どうぞ、どうぞ。いってらっしゃい!」(・・・・・・どうやら役に立ってないらしい)

その他いろいろもトントンと進み、今日を迎えているのである。

海外に出かけるとなると「お魚の予習」だ。

古い「タイの淡水魚図鑑」らしきものを引きずり出した。


1945年にアメリカのスミソニアン博物館が刊行したもの。
1945年というとちょうど日本が敗戦を迎えた年である。
Amazon.usaの古書コーナーでやっすい価格で買ったのである。

上の魚の写真やスケッチもこの図鑑から使わせていただいたものなのだが・・・・・・


この時代のスケッチはつくづくといいねえ。

どう見てもこの本ボロボロだけど、70年以上たった今もほぼ未開封。
製本が古い古い袋とじ方式になってて、1ページごとにペーパーナイフで開けんといけん。
その袋とじがそのまんまなのだ。(ずいぶん昔にうちの子が一枚開けやがって)
そこらへんのオッサンが耳にしたらウハウハ状態になるやもしれん。

もったいのうて、ページを開く気になれんで、すき間からのぞいとる。

も、予習はナシじゃ。
帰ってきたら、旅の思い出とともに裁断機で一気に開けるぞお!

根魚Xの正体をあばかん!? の巻

2017-07-26 06:46:19 | 海釣り
2017年7月23日(日) ファイナル

スズメダイの撮影を終え、突堤の付け根へ移動。

フフフ・・・・・・ここは突堤の底に大きな割れ目があいてるのだ。
以前、潮が大きくひいたときに確かめているのだ。

メバル・カサゴ・ムラソイなど、必ず根魚たちはいる!
ただし、困ったことにしゃがんで腕と竿を伸ばし、かろうじて仕掛けが届くのだ。
つまり、突堤の高さは約4mってことじゃ。

相棒は、先週この姿勢で腰を痛めた。
私は、何度もアタリの後もぐり込まれてハリスを切られた。

今日こそリベンジなのである。
早合わせをしてもぐりこまれないようにしなければ・・・・・・

ようやく釣れたのはシロメバル。
ありゃ? 目にかかっとるわ。


もう腰を痛めたくない相棒はキュウセン釣ったり、
釣れた魚をボウズ同然でショボショボと帰り道をたどるお父さんにあげたりしとる。

シロメバルではない黒っぽいXがおるのはわかっとる。

よおし、今日こそ正体をあばいちゃるわい!

まず、移動してハゼをねらう。
以前別の漁港で釣ったシマハゼ類に食いつき、あと一歩だった経験を生かさねば・・・・・・

よおし! 大きめのドロメが釣れた。想定内だ。

そのまま移動して、そっとすき間へ・・・・・・
ありゃりゃ?
ドロメくん、ササッとすき間の奥の奥へともぐりこんだがな・・・・・・
いきなり完全根がかりじゃっ!

冷静に振り返ると、やっとることがとっても恥ずかしい。
ニッチもサッチもいかんのんで、誰にもバレないよう、しかけをはずした。

「母さぁ~ん、大きいのんにしかけまるごととられたけえ、メガネ探すとき一緒に回収するわあ。」
「ん、わかったあ~。」

これを読んでる人の中に知り合いがいたとしても相棒にだけは言わんといてくれい。
(これでノンフィクションなんだから、世話をする気にもならんじゃろうし)

この日の釣果

スズメダイ:お前はハトか?の巻

2017-07-25 07:51:49 | 海釣り
2017年7月23日(日) の続き

101種目のキジハタを釣るまでの話。

まず、相棒たって(もちろんすわってるケド)の希望でフリマへ、
それから釣具屋さんへ立ち寄って、いつものイソゴカイ100円分を買おうとして、
チンケな干物カゴが1つぶらさがっとるのを発見!
どう見ても500円以下である。
よおし、買おうじゃないかっ!
ところが店員さん、いくら調べても値段がワカランのんである。
時間だけが過ぎていく。
相棒もシビレをきらして車から店へとのりこんできた。

てなことをやっとったので、到着したのは11時頃。

ほぼ満潮。
長い突堤の真ん中くらいで竿を出す。

即アタリ!

スズメダイである。


これが結構手ごわくひいてくれるから面白い。
ちゃんとした竿でいえば35cmオーバーのチヌとヤリトリしてる感覚なのである。


水中は、まるで公園でポップコーンに群がるハト状態になっとる。
摂餌行動のスイッチが入ってしまった魚たちには警戒心のかけらもない。


1時間もしないうちに2人とも「ツ抜け」になりそうだったので、納竿。
撮影をして場所移動じゃ!

ちなみに「ツ抜け」とは、ひとつ・ふたつ・・・・・・と数えていくと10で「つ」を使わなくなることから
タナゴ釣り師なんぞが「たくさん数を釣った自慢」として
「今日はツ抜けだよ。」なんていうときに使うのである。

食べもしない、しかもカネヒラとタイリクバラタナゴを除く
10数種を超えるすべてのタナゴ類が絶滅危惧種だというのに。
タナゴ釣りに関しては、数を競うように釣ることが何の自慢になるのだろう? 






キジハタ(アコウ):幻なんてのは昔の話の巻 釣査101種目

2017-07-24 13:50:00 | 海水魚
2017年7月23日(日)

キジハタ(アコウ)の幼魚である。180cmタナゴ竿での101種目なのだ。


1週間ぶりの釣り。

ここんとこ通いつめてる漁港の突堤へ。


ここにキジハタがおる。潮が引いたとき上から見える。


ただし、イソゴカイをそっと落としてもエビを落としても見向きもしない。
もうこの闘いは3週間もくり返されとるのである。
2日前にも淡水魚に精通してる友に電話で相談した。
「キジハタおるけど釣れんのんや。どうすりゃええんかの?」
「そんなもん、聞かれても分からんわ。」

こうなりゃ今日は、あえて「シランプリ作戦」や。
つまり、キジハタを釣ろうなんぞ素振りも見せずに釣りをするのだ。(単に釣りしとるだけとちゃうか?)

いろいろ釣って楽しんでると、
「父さん、おっきいキュウセン釣ったよ。ハリがうまくはずせんわ。」と相棒が言う。
「おうっ! まかしとき。」と、チャチャッとはずして、バケツの中へ。 う~む、かっこええ!
入れようとかがんだときであった。
メガネが突堤からコロコロと海へ。 う~ん、かっこわる!
「あ~っ! メガネがぁ~!」
「なんしょんね! 高かったんやろ!」
もうキュウセンをはずしてやった恩なんぞ、どっかにふっとんどる。

(ここらでひと休み:キジハタをお楽しみくだされ)


車へ予備のメガネを取りに帰るしかないわな。
戻ってみると相棒少し落ち着かれとる。
「こうなりゃ潮が引くまで釣りをしとって、メガネ拾いに行くんやで。」
「はぁ~い!」
こりゃ長いこと釣れるわ、ラッキー!

昼がすぐ過ぎ、かなり潮が引いてきた。
おっ! 突堤のちょうどメガネを落としたあたりの壁面にキジハタがおる。
背中の黒点ではっきりわかるぞっ!
キジハタの幼魚に見られる特徴である。
さあて、シランプリして他の魚たちにエサを与え続けた効果を試す時がきたのだ。



活きのいい小さなイソゴカイを壁にそって少しずつ落とす。
変な動きが入るとプイッと去ってしまうのは経験済みじゃ。
あくまでキジハタくんが自らエサを見つけ、近づき、食べてくれるのを見守るのである。
何事も相手の立場と主体性は大切にしてやらねばならぬ。



それにしても食いにくるまで、なが~い、なが~~い。
ジリッ、ジリッ、・・・・・・ツンツン、パクッ・・・・・・食ったあ~!


人生初のキジハタは、こうして私の手のひらにおさまったのであった。


ちなみに、かつて「幻の高級魚」と呼ばれていたキジハタも
今では、水産試験場でのすぐれた養殖技術によって増殖されてる。
ある程度育てた幼魚の放流をさかんにやっておられるために
今やアッチコッチで釣られるようになってる。
幻でも何でもなくなっているのだ。

でもね、念の為に言っとくと、仕掛けの長さを含め半径3mしか探れないノベ竿で釣るのは簡単じゃない。

意外と背中からのお姿がキュート。


今日の見事な成果は、すべて私がメガネを落としたおかげなのであった。

えっ? メガネはどうなったのかってか?

そりゃ、もちろん潮が引くまで釣りをして、車に戻り、胴長はいて、
海水浴にいそしむ若者たちの怪しい視線を浴びつつ、突堤の階段へ向かい、
突堤の下をジャポジャポ何度も往復し、
まるで枯れ枝のように擬態していた我がメガネをやっとの思いで探し出し、
我が家の居間のテーブルの上に置いているのである。

めでたしめでたし

やっぱ日本の沿岸魚もホンマつくづくと・・・・・・ええねえ!
(この日の釣果は後日)







ナガレホトケドジョウ:そっとしとこ の巻

2017-07-23 01:05:51 | 純淡水魚
ナガレホトケドジョウである。


ミミズハゼなんぞの細長クネクネ一族を書いとるついでに。
といってもまったく別の一族だけど。

話は「薮からスティック」なのである。

「いつかコイツを見てみたい」と思ってた頃、
たまたま、あるアウトドア雑誌に
トゥギャザーされてる芸人さんの連載を古本屋で立ち読みした。(あえて名前を伏すぞ)

たまたまたま、連載の回がナガレホトケドジョウだった。
山奥の小さな沢で、ウェーダーをはき、タモ網を振り回し、
「ドギャッ! グワッシャッ!」とくり返し、やっと1尾ゲットされてた(ようだった)。
「ああっ、こんな苦労をしなきゃ会えないんだなあ。」とか
「こんなハデにドシャガシャして沢の環境は大丈夫かいな?」とかイメージしてた。

(話に飽きるといかんのんで、このへんで若い個体)


たまたまたまたま、そのアズスーンアズだった。(もうおちょくるのヤメんかいっ!)
ある地域の若い研究者さんから
「一緒に見に行ってもいいですよ。」と言われ、イソイソとついてくことに。

(若い個体を背側から)


現地到着後、胴長・タモ網の私たちに対し、
研究者さん、長靴に観賞魚の飼育水槽に使う小さな網を数本という軽装である。
「この網、よかったら使いますか?」
やさしい言葉がけだが「これを使えっ!」とおっしゃられとるんである。

しばらく採集の様子を見る。
沢にしゃがみこみ、岩のすきまにそっと手を入れていく。
「ああっ、いましたよ。ソッチの岩の下へ・・・・・・見えましたか?」
「網をかまえとってください。追い出してみます。」
石コロ1つ動かさない。
そっと、そ~っと、やわらかな小さな網へと。
実に、実にやさしい採集方法なのだ!
若い研究者さんの採り方は、まさに「目からスケール」だったのである。(もうっ、やめときッ!)

(ここらで幼い個体、カワイイよねえ)


確かに採るのは自由だ。
コイツの場合、いくら絶滅危惧種だろうと日本固有種だろうと法的になんら処罰を受けることはない。
でもなあ、西日本の山奥の沢に孤立し、地域ごとのキャラを秘めつつ、ひっそりと生き延びてんだよなあ。
地元の人たちが保護活動されてたりもするんだよなあ。
だから無秩序な自由であってほしくない。

トゥギャザーさん風に言えば (また使うんかいっ!)
「人社会での自由ってさあ、フリーなんかじゃないんだぜ! リベラルなんだぜ!」てなとこかな。

私たちは採集した3尾を撮影後、そっと、そ~っと、もとの沢へ返したのであった。
         (このオッサン、たまに真面目になるけえなあ)

やっぱり日本の淡水魚はホンマにつくづくと・・・・・・ええねえ。