私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ニホンアマガエル Dryophytes japonica の鳴き袋

2022-06-30 13:14:37 | 爬虫類・両生類
2022年6月30日(木)

ニホンアマガエル Dryophytes japonica

20220529

腹部にためた空気で鳴き袋を目一杯膨らませていた。

「いいもの見せるから一緒に行かん?」と、生き物フェチの友人に誘われた夜散歩。
そりゃ、晩酌の酒やつまみなんぞ、とうの昔に切り捨てた私としては最高のおもてなし。
居酒屋に寄ったり飲んだくれたりよりもよほど精神的にいい。

その一つが田んぼで大合唱してたニホンアマガエルたち。
ほんま昼間のうだるような暑さや鬱陶しさもなく、心が癒される。
NHKの「ダーウィンが来た!」によれば
ニホンアマガエルたちは間違いなく『カエルの合唱(歌)』を輪唱しているそうだ。
だからなのか余計心地よいリズムで、聞き飽きない。

撮影したのは田んぼ脇の三面コンクリ用水路。
道路のすぐ横だ。
だから鳴いても鳴いてもメスが近づく様子もなく・・・モテないオスたちだ。

鳴き袋を目一杯膨らませてるタイミングの撮影は難しい。
少しずれるとこんな感じ


隣で鳴いてたオスはこんな感じ


ついでに、近くのツチガエルなんかは警戒心が強いのか、待ってても鳴かない。


おまけに、少し体色がユニークなニホンアマガエル

20220416

中国東部・朝鮮半島・ほぼ日本全土に生息するそうで
多くの人たちにとって身近なカエルだと思うから
ぜひお近くの田んぼへと、夜道を散歩してみるのも一興なのではなかろうか?

カシワノミゾウムシ Rhynchaenus japonicus :口吻のるつぼたち⑩

2022-06-28 13:39:17 | オトシブミ・チョッキリ・ゾウムシの仲間
2022年6月28日(火)

カシワノミゾウムシ Rhynchaenus japonicus  

4mmほど  20220601

広い公園内に数本植樹されてたコナラの葉に

びっしりついていた。

ひっついてるときは扁平な虫に見えるけど、触れようとするとピンッと跳ねた。
どうやらノミゾウムシの仲間らしいと、そっと気配を消して何枚か撮る。

この後肢の太さはすごいよね。

ノミハムシの仲間も跳ねるけど、それよりもはるかに発達してる。

大きな複眼も太く長い吻も何となくアンバランスな違和感を感じる。


一枚の葉に何匹もついてて、公園のコナラは半分枯れ葉状態になってた。

和名の通り、コナラに限らず、カシワとかシイ・ナラ類をホストとする昆虫。
昆虫と植物は、切っても切れない関係の中で『共進化』してきてるという。
ドングリの殻の硬さとシギゾウムシの吻の長さなんてのが典型的な例だ。

また、アインシュタインは「昆虫が滅びた数年後は人類も滅びる」みたいなことを言ってる。

そして、ふと疑問に思う。


整備されたきれいな公園内に植樹されたコナラにはびっしり大発生していたけど
そこから山道へと散歩し続け、二次林に生えてるカシワ・シイ・ナラの葉はみんな青々と元気なのだ。
1枚、また1枚と葉の裏を確かめてみたけど、コイツ1匹もいないのだ。

・多様な植生の中では様々な要因が作用して大発生できないのではないだろうか?
・公園に植えられたコナラが弱っていたのだろうか?目立っていたのだろうか?
・作物への虫の食害も、人間が「より食べやすい無害な植物を目立つ場所」に育てているからだろうか?

そんなことを考えているうちに、コイツに気付かれスタコラサッサと逃げはじめたのであった。

キアシシギ Tringa brevipes

2022-06-26 10:29:09 | 鳥類
2022年6月26日(日)

キアシシギ Tringa brevipes

20220511

カラスより少し小さいくらいだろうか。
黄色い脚もなかなかいいが、首から脇腹にある灰黒色の波型横斑が渋い。
この波型横斑が腹全体まで広がってるのがメリケンキアシシギという別種だそうだ。

タナゴ類どころか、川も海もすっかり釣れなくなって・・・
遊び半分の釣りは自然回復するまでは極力やめることにして・・・
その間せめて散歩がてら、自分の暮らす地域のいろんな生き物たちを見て歩こうとして3年目。
やっと出会えた「春秋に普通にみられる旅鳥」と書かれてるシギ。

地元の河口に沿った散歩ロードにもコイツが渡ってくることが写真を添えて掲示されてるのに・・・
その河口干潟へは10数年以上通い続けてるのに・・・
見ることも見ようとすることもなかったシギ。

この日、干潮から潮が満ち始めるまで歩き続けて、ヘロヘロになった頃、偶然が重なってやっと出会った。


やっぱりいるんだ!
計3羽、なるほどね。
よほど見ようとしなきゃ見えんわ!
画像はズーム拡大してるからわかりやすいけど
実際は小さくて遠くて、すっかり背景に溶け込んでるから。

軟泥干潟から離れた少し礫の混じる辺りでイソガニ類(?)を追いかけて食べていた。

夏はシベリア北東部などで繁殖、冬は東南アジア・オーストラリアで越冬するために渡り
その中継地として春秋に日本を訪れるらしい。
また、ピューイ・ピューイ・ピュピピピピなどとよく鳴くそうだ。
だから、英語ではAsian Wandering Tattler(アジア放浪饒舌家)なんてな名がついてて
脚が黄色いなんてことには一切触れてないのがおもしろい。
ちなみにグーグル翻訳ではGrey-tailed tattoo(灰色尾羽のラッパ音?入れ墨?)となってたのは他地域での別名だろうか?

さてさて興奮冷めやらぬまま4日後、知人を誘って出かけたら、数も増えていて
観察した地点以外の軟泥辺りにも

20220515
遠い流心付近にもポツポツといて


「なっ! 見に来てよかったろ?」
「そうじゃなあ、ま、誘われて見られたのはほぼ初めてじゃけどな!」と悪態をつかれ
ま、その1週間後にはすっかりいなくなってたからね。
はやく誘ってよかったよかった。

コイツらも食う物食って栄養を貯えたら、すぐにWanderingするんだなあ。

ヤナギハムシ Chrysomela vigintipunctata:新ハムシリーズ第22弾

2022-06-24 09:00:21 | ハムシの仲間
2022年6月24日(金)

ヤナギハムシ Chrysomela vigintipunctata 8mmほど

20220518

ビオトープの畔のマルバヤナギで見つけて
初めて見るハムシだからと、ドキドキしながら撮影して


あらためてじっくり観察するとあっちにもこっちにもいる。
羽化した後の蛹殻も葉の裏にたくさんぶらさがってて


ヤナギ類をホストにするハムシには数種いるが、今まで見たことがないのは
どうやらコイツが何とも見てるヤナギではなく、マルバヤナギ(このヤナギも初見)を主たるホストにしているからだろうか?

近くにいた職員さんに許可をもらって、葉を1枚そっとちぎって


「ヤナギハムシみたいです」


「2年前は葉が1枚もなくなるくらい大発生したんですよ」

などと教わった。

ほぼ日本全土に生息する比較的大型のハムシだけど
こうして1カ所に集中砲火を浴びせるようについてるのは
むしろ、ビオトープという整備された広い空間にポツンと1本だけマルバヤナギを残してるからかもしれない。
マルバヤナギがフローラの中で適度に生えていれば、これほどの集中した大発生はなかったのではないか?
などと、ついつい考えてしまう。

不謹慎のそしりを受けるかもしれないが
それは、まるで「第二次大戦末期、本土決戦を引き延ばすための捨て石とされた沖縄」のように思った。

昨日は『沖縄慰霊の日』
『めんそーれ!科学』~おばあと学んだ理科授業~(盛口満著)を一気呵成に読んだ。
大戦中、就学もままならなかった沖縄のおばあたちへの夜間中学で
生活に結びついたわかりやすい化学実験を進め、化学の基礎を学んでいく様子が描かれている。
結果として、おばあたちは化学の基礎の知識と関心を
そして著者や読者たちは「おばあたちの戦中・戦後の凄まじいけど明るく生き抜く状況」の一つの入り口を持つことになる。
学び心が震えたのはおばあたちよりむしろ、著者や読者たちなのではないかとも思ったりもした。

1枚のマルバヤナギの葉の裏には


ワカバグモがヤナギハムシをとらえていた。

ホソミオツネントンボ Indolestes peregrinus

2022-06-22 08:23:27 | トンボ・カゲロウ・カワゲラなどの仲間
2022年6月22日(水)

ホソミオツネントンボ♂  Indolestes peregrinus 30mmほど

20220518

青と黒のコントラストが美しいまあ大きめのイトトンボ。
国内に広く分布するが、北海道や東北にはあまり生息していないそうだ。
海外では中国中部・朝鮮半島にいるらしい。

よく似たオツネントンボは、国内ほぼ全域に、海外でも朝鮮半島・中国からヨーロッパまで、広くユーラシア大陸中北部全域に分布するそうだ。
だから、同じようにオツネン(越年)とつけられ、成虫で越冬する特徴を持っていたとしても
ホソミオツネンの方が「越冬期の気温低下に対する抵抗性」が弱いのかもしれない。

交尾中のもいた。


こうしたイトトンボの形を「ハート型」になぞらえて喜んだりしてたけど
実際は、オスが尾先の付属器でメスの首根っこを鋏みつけ逃亡を許さず
メスは尾先をオスの腹部の副性器につけ精子を受け取っている様子らしいのである。

しかも、交尾を終えてもオスはメスを鋏みつけたまましばらく過ごす。
他のオスに奪われまいとする独占行動なのである。

それは、どっかの大国の振る舞いとよく似てて
基本オスという生き物は、「縄張りや争い、メスの束縛」などなど、ろくなもんじゃないといつもながら思う。