私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

マナマコ・黒型(釣査外伝6種目):Tくんたちと子どもの日に

2019-05-31 09:27:45 | 他の無脊椎動物
2019年5月31日(金)

マナマコの黒型かな?

チョイ投げに引っかかって釣れた。
一般の投げ釣りなので新しく釣れた魚種には含めないので外伝6種目。

ずいぶん前の話になる。
5月5日子どもの日のこと。
いろんなネタを消化してるうちに後回しにしてた。

こんなステキな景観のもと、かみさんと海釣りへ。


幼い子を連れ、投げ釣りにいそしむ家族の横で
いつものタナゴ竿釣りと一般の投げ釣りを同時に行うことに。

タナゴ竿・仕掛けでアサヒアナハゼ幼魚が釣れた。


ケースに入れ、撮影してると幼い子がすぐ横へやってきた。
「おじさん、すごいですね」
「ん、この竿と仕掛けなら君でも簡単に釣れるよ」
「へぇ~っ!」
「この魚、アサヒアナハゼというんだよ。カワイイでしょ。君の名は?」
「Tくんと言います。5才です。あそこにいるのがお兄ちゃんのYくん。10才です」 
実にはきはきと礼儀正しく答える子だね。

「あのね。そこにおばちゃんいるでしょ? あの人の方が上手いんだよ」
「いえ、そんなことはありません。おじさんは魚博士です。僕分かります」

それからは私の横にベッタリ。
「よし、Tくんに釣らせてやろう!」
アタリに合わせ、かかってるのを確かめた後
「Tくんアタリがあったぞっ! そっと上げてみ?」

「ワーッ! 釣れた~っ! 初めて釣った~っ!」
アカオビシマハゼである。


「Tくん、よく見てて。しま模様がドンドン変化するから」
「わ~っ! ホントだ! おじさんやっぱりすごいです」

5才に投げ釣りは難しい。
お母さんとお兄ちゃんは昼食の準備、お父さんは1人黙々と釣れない投げ釣り。

要するにTくんは時間を持て余してるのだ。
とうとう私のそばから離れなくなり、いろんなお話をしてくれる。

「子どもの日やもんな。Tくんに楽しんでもらおうかね」
Tくんに竿を渡し、横でタイミングを指示。

ついにアイナメを1人で釣った。


もちろん私のウンチクにもしっかり耳を傾ける。
「ありがとうございます!」と大きな声で応え
お母さんのもとへケースごともって駆けていく。

お父さんの空のバケツに移すことに。

兄ちゃんのYくんは大変控えめ。
この子にも楽しんでもらわんと、私のお節介はエスカレート。

魚がかかったのを確かめて
「Yく~ん! おいでおいで! 魚が食いついてきたよ~っ!」
おずおずやってきたYくん、ブルブル竿震わせながら
ムラソイを釣り上げた。


「やるなあ~っ! ムラソイが一番釣りにくいけんな」
Yくん、得意満面の笑顔。

おさまらないのはTくん。
ますますべったりひっついてチャンスを逃さないようにしてるぞ。

「投げ竿、そろそろ上げてみるか?」
上がってきたのはイトヒキハゼ


「お魚博士! この魚とってもキレイです!」
「写真撮ってみる?」
「撮りたいです!」
そう、このちょっとピンボケ写真はTくんが撮った初めてのお魚写真。

そうこうしてるうちにもう1本の投げ竿にひっかかってたのがマナマコ黒型。


赤型・青型・黒型の3タイプあるマナマコのうち、もっとも美味しく高価だという。

惜しいケド、コイツもプレゼント。
お父さん、ここで一発調理の腕前を見せてやんなきゃ!

幼い子を連れた家族で投げ釣りやサビキ釣りをしてる場面をよく見かける。
お父さんは楽しいかもしれん、食糧調達のプレッシャーがあるのかもしれん。

ただ、子ども向きの釣りじゃないと思うんだよな。
丈夫な竿と重いリールと強い糸で、ズリズリ魚をひきずっても重いばかりで楽しくなさそうだし
サビキ釣りはもつらせて、ほどくのにイライラしてるし。

子の目線に立ったもっと単純で楽しい釣りを広めるのは大人の責任じゃないかな?

今の日本の釣りの大半は子ども向けにはなっていない気がするから
それだと次世代に釣りの面白さ・魚の多様さが伝わらないまま、すたれてく文化になるから
と、改めて思うのであった。


さておき、見ず知らずのTくんYくん、子どもの日に遊んでくれてありがとな。

楽しかったよ~っ!

『とちぎの魚図鑑』など : ご当地お魚図鑑めぐり⑯

2019-05-30 08:38:21 | 各地ローカル図鑑
2019年5月30日(木)

「ご当地お魚図鑑めぐり」 第16回は栃木県。


『とちぎの魚図鑑』(なかがわ水遊園執筆・監修 下野新聞社 2010年)


水族館の人たちがコツコツ10年間郷土に生息する淡水魚を調べまとめたもの。
写真も標本写真と生態写真を併用してて実にキレイ、文章も平易でとてもわかりやすい。
郷土の誇りとなる貴重な魚なんかには多くのページを割いてる。

天然記念物ミヤコタナゴなどの扱い方に深い郷土愛を感じるなあ。

『栃木県史上最高の一冊!』とうたってるだけのことはある。
これで1500円、超お買い得です。

ただし、希少種の生息地を把握して乱獲したりなど
あくまで個人の利益やお遊びにだけ利用しようとする人には向いてないからね。
念のため。


『なかがわ水遊園 いきいき水族館ガイド』(なかがわ水遊園監修 下野新聞社 2008年) 


ついでに、この水族館のガイドブック的な本も紹介しとく。

ラジオ番組として収録した内容を豊富な写真とともに構成し直してる。
どの章も面白くわかりやすくまとめてる。
中でも第1話の「色鮮やかなタナゴの仲間」「希少生物保全の取り組み」は実にいい。

水族館は、経営維持のためにいろんなショーをしたり
国内外のいわゆる巨大魚や珍しい魚、深海魚なんかの展示をしたりする。

ここも南米に生息する巨大魚ピラルクーなんかが客寄せパンダみたいだ。
ケド、そうして集まってくれた人たちに地元の魚たちの大切さも伝えたり体験してもらったりしてる。
多くの水族館で試みてることを丁寧にやってるな。

これまで、いろんな水族館で目にしてきたのは
「郷土の魚たち展示コーナー」を素通りして、いわゆる水族館の目玉へと殺到する人たちの姿。
ま、金払って遊びに来てるんだから当たり前なんだケド。

ただ、あまりに自分たちの暮らしてる郷土や日本の自然のことを知らないままだと
いつかこの国ほろびるんじゃないか? なんて思う時もある。

意外と日本の自然や季節の移ろいや生き物の素晴らしさを知ってるのは
外国人観光客だったりするんじゃないか? なんて思う時もある。

えっ? スジハゼ ここにいるの?

2019-05-29 08:43:49 | 汽水釣り
2019年5月29日(水)

昨日、かみさんがスジハゼを釣った。


小雨交じりの曇天。
2か月に1度くらいは通ってる近場の漁港のこんなとこで。


「ここで釣れたの初めてなんとちゃう?」と、かみさん。
「よく覚えとらんケド、釣っとるんちゃうんな」と、私。

帰宅後、2年半の海釣りで場所ごとに残してきたデータを確認する。
あかんっ!
また、かみさんの記憶が正しいもんなっ!
データとり続けて敗けとるもんなっ!

これまでツマグロスジハゼは釣れてたケド
河口近くのこの漁港でスジハゼは初めてだ。

しかも私にも次々と釣れる。


ツマグロスジハゼがより淡水よりに
スジハゼがより海よりにすんでいて
両種を同時に釣ったことはないからすみわけてるハズ。

だとすれば、ツマグロスジハゼからスジハゼに置き換わったことになる。
どちらもテッポウエビの巣穴を利用した共生をしてるから
テッポウエビさんにとってはある日突然
「こんちはっ! 今日からよろしく!」
って感じでパートナーが変わっちゃったことになるな。

あ、一応スジハゼとツマグロスジハゼの違いはクリックしてみてね。
もちろん物好きな人以外は、ど~でもええことじゃケド。

この日、久しぶりのウロハゼも私が釣り


比較的キレイに撮影できたし


コイツは汽水域であることの証にもなるし

すっかり数が減ったアカオビシマハゼも


婚姻色の出た立派なオスを釣り、撮影ケースから逃亡したし

はたまた数の減ったタケノコメバルも追加して


4種の魚を釣った私が
たった1匹のスジハゼを釣ったかみさんに圧勝したんだケド

記憶の差のあまりの大きさに全然勝った気にならんかったのであった。

ナガレカマツカを探すガサ ファイナル

2019-05-28 07:44:05 | 魚全般
2019年5月28日(火)

友とナガレカマツカを探してガサ回り。(ドサ回りみたいなもんやね)

今年の春、日本に生息するカマツカ種群はは3種に分けられた。
大雑把に言うと、西日本には従来のカマツカとナガレカマツカ
東日本のはスナゴカマツカといった具合なのである。

そりゃ長くガサをしてきたならば
誰だってナガレカマツカをナガレカマツカととして見てみたくなる。

「5匹採ってきたでー」と友。
バケツをのぞき込むと1匹だけ、吻が丸く短く、ヒゲが長く、斑紋がはっきりしてる。

他の4匹はこんな感じ。


「ナガレカマツカみたいな特徴持っとるで!」友と意見の一致。

横から写してみようじゃないか。
ナガレっぽいヤツ

他の4匹はこんな感じ。

やはり顔が長い。

でもなあ・・・
胸ビレの棘軟条の長さがどいつもこいつもカマツカの特徴を示してるんだよなあ。

「カマツカの短躯なヤツとちゃうか?」 
私らのとりあえずの結論。

魚に限らず、同じ種でもノッポもおればチビもおる。
それが生き物の最も大切な多様性・個性なのである。

「ナガレカマツカに会えんかったね」
「また、そのうち行きましょう」

ということで、今回の短躯カマツカのベストショットを載せて


仕上げに、田んぼで見つけた腹パンパンのアカハライモリを添えて

このガサを終えよう。

読者の皆様へ
長く引っ張っておいて、結局ナガレカマツカは見つからない
というパターンのオチにはもうすっかりあきらめておられることでしょう。
それは残念・無念をともに分かち合うための動物心理学的展開なのであります! (真っ赤なウソです)

おふざけをお詫び申し上げるとともに
これからもお付き合いのほどよろしくお願いします。

モンキアゲハかな?:ナガレカマツカを探すガサ③

2019-05-27 17:21:25 | チョウ・ガの仲間
2019年5月27日(月)

先日、友とナガレカマツカを探し求めた話の続き。

生息してる可能性を2人で予測し、山越えで次なるポイントへ向かう。

だが、残念ながら未だに通行止め。
昨夏の西日本豪雨の復旧は、過疎地になればなるほど進まない。

くしの歯を辿るように折り返し、次のポイント。


すっかり河床が変わってた。
カワヨシノボリが少々、オオシマドジョウが数匹。

魚の撮影は友に頼り切って、野草を見て回る。

ハハコグサ


キジムシロかなあ?

ちょうどホソヒラタアブが飛んできた。

ん? コイツは何だ? 大きさ的にはユウゲショウくらいだケド?
あっ! ヒナゲシやんか!

あまりに小さくて野草っぽいから気付かなんだ。

良く見渡せば、近くにふつうの大きさのヒナゲシが花壇に咲いてた。


さらに次のポイントへ。


河原まで少し遠くて胴長はくのがめんどくさい。
ナガレカマツカは友に任せよう! と高みの見物。

そこへ飛んできたのがモンキアゲハかナガサキアゲハ

翅をしっかり広げると紋が見えなくなる。

長いことモンキアゲハとナガサキアゲハの判別の仕方を調べてこなかった。
いい機会だ。
しっかり撮影して、帰って調べよっと。


水とミネラル吸いにもう1頭やってきた。


家で昆虫図鑑をひらく。
なるほど! やっと違いがわかったぞ! 
紋は白くてもモンキアゲハなんだね。
何でだろ?


「カマツカ何匹か採れたよ~っ!」 友が戻ってきた。
さてさて、確かめてみようかねっ!