私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ゼンマイヤドカリ Pagurus spiriger ?:底曳き漁ミニ水族館

2024-02-28 10:43:03 | 昆虫以外の節足動物
2024年2月28日(水)

ゼンマイヤドカリ Pagurus spiriger かな?

20240215  ツメタガイの殻径2cmほど

横島底引き網漁「龍神丸」の浜売りのミニ水族館(トロ箱)にいた。
カニ・エビの類はよく知らない。
しかも、底曳き漁だからたぶん初見のヤドカリ。
なので、一から調べないといけない。


しかも、画像だけ。
ほじくりだすわけにもいかない。
撮影後は、漁港へそっと逃がすのだから。


図書館から書籍・文献を借りてきて・・・

甲や脚に短毛が密生
第1脚は小さく、左右がほぼ等しい大きさ
第1~3脚には「うろこ状飾り」がある
宿貝はツメタガイ・トミガイなど

などの状況証拠から「ゼンマイヤドカリ」があやしいという結論に至ったのだが・・・
コイツが数十mの浅海の泥底でどんな生活をしてるのかはまったくわからなかった。
マリンアクアリウムのペットとして売られてるみたい。

はて? 5日前出会った違う巻貝を宿貝にしてたコイツは?

誰だ?
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コウノトリ Ciconia boyciana の巣立ち:その光と影

2024-02-25 10:24:51 | 鳥類
2024年2月25日(日)

コウノトリ Ciconia boyciana 

20230628   1m大 翼長2mほど

巣立ち直前の3羽のコウノトリ、キキとキラとキララだ。(命名は公募の結果、地元の小学生たち)
昨春、広島県世羅町に飛来・営巣していた親コウノトリが子育てに成功したのだ。

世羅町は広大な台地を利用した梨などの果樹や米、園芸植物などで有名な町だ。
私たち夫婦は、超格安(十数個で500円とか)で美味しいのに出荷されない梨を毎年買いに行く。

たまたま、そんな傷物の梨を買いに訪れたこの日、営巣地付近を通ってたら、巣へと長いクレーンが伸びてるのが見え
「何事ぞっ!」と眺めてたら、人が集まっていた。
どうやら研究関連の人とかマスコミや地元の方々(一部遠方より野鳥観察好き)みたいだ。
邪魔にならぬよう遠巻きに近づいてみた。
たまたま、ちょうど「個体識別の足環」を装着し終えたところだった。
マスコミ各社は、地元の方々や研究者さんにマイクを向けたり、大きなカメラを振り回したりと大忙し。
1956年、特別天然記念物に指定されてる鳥だし、こういう時でないとうかつに近づけるものではない。

「たまたまの幸運は準備をしていた者にしか訪れない」と言ったのは
リンネだったかラマルクだったかデカルトだったか・・・すっかり忘れたが
かみさんが「梨を買いに行くだけよ!」と言うからといって「カメラの準備」は忘れない。
寄り道して早速撮影するのに曇天が続き、この画像の一瞬の晴れ間もまさに偶然の賜物だ。

翌日、地方のマスコミ各社は大変喜ばしいニュースとして報道していた。
地元の農家さんたちも減農薬をして対応したり、電気供給ラインの変更を工夫したりと頑張った成果だ。
コウノトリ観光が町おこしになる!という光の部分だ。
ただ、光が当たれば影もできる。

理系の一人として、常に逆の側面からも覗いてみる思考法を心がけてるから天邪鬼かもしれぬが、手放しで喜ぶわけにはいかない。

一番大きな(キキかな?)が羽ばたきの練習を何度も繰り返してた。

コウノトリは、ロシア北東部で繁殖し、中国などアジア東部で越冬をする冬鳥。
ただ、一部留鳥(1年中とどまり繁殖する鳥)として過ごすケースもある。
たまたま移動コースをはずれ、ほぼ迷鳥として日本へ飛来することもある。


花札にも描かれてる「松に鶴」の鶴はコウノトリのこと。(本物の鶴は松にとまれない)
だから、日本でも古くからよく知られてる野鳥だ。
西洋では「赤ちゃんを運ぶ幸運な鳥」として、口ばしの赤いシュバシコウが有名だが
あれは、よく似てるけど口ばしの色以外にも違いがあり、コウノトリとは違う鳥だそうだ。
だから、コウノトリは赤ちゃんを運んでくるという伝聞はちょっとあやしい。


さて、1960年代のこと、日本のコウノトリは野生下でも人工繫殖下でも完全に絶滅した。
困った国は飛来してくるのを待つ余裕もなく、ロシアからコウノトリ数羽を譲り受け、繁殖を試みた。
その結果、兵庫県豊岡市で繁殖成功し、個体数も回復し、野生へと放鳥するまでにいたった子孫たちなのである。

つまり、コイツらは、日本で昔から留鳥として繁殖を繰り返していた野生種とは少なくとも地理的にかなり異なる『国外外来種』といってもおかしくない。


ヒナに与えるエサであるカエルやヘビの量は、毎日1羽あたり1~2kgにもなるという。
3羽も育てられるほどの豊富なエサがいる世羅町の自然はすばらしい。
例えば、シマヘビの幼体が道路わきを這っていたりもして、散歩してても楽しい。


ところが、近辺では短足で動きの鈍いナゴヤダルマガエル岡山集団も野生分布してるのである。


そりゃ、コウノトリが外来種であるウシガエルやアメリカザリガニ・スクミリンゴガイばかり食べてくれれば何ちゃ問題はないのだが
在来種も外来種も「根こそぎ食っちゃ移動する」のである。
それを嫌って農家は追い払ったり農薬を使ったり、狩猟者は撃ったり食べたりもしてきた。
自然開発も含め、それらの歴史の結果として、絶滅は起こるべくして起きたのではなかったんじゃないかなあ。

ごく一部の地域にかろうじて生き残ってるナゴヤダルマガエル岡山集団たちにとって、コウノトリは根こそぎ食いつくし、絶滅へと導く大悪党の飛来でもある。
といって、毎日、飛来を監視するわけにもいかない。
防止網でも張って万が一コウノトリが絡み、死滅させるわけにもいかない。
長年保護活動を続けておられる研究者さんにとっては憤懣やるかたないだろう。

これは、コウノトリ繁殖をめぐる影の部分なのかもしれない。

さてさて、私のこんないい加減な話より
4月13日(土)開催「広島県の生物多様性と希少種の状況」シンポジウム

では、きっと専門家の方たちから詳しくわかりやすく話してもらえるものと思うからね。

ぜひ、ご参加のほど!
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「広島県の生物多様性と希少種の状況」シンポジウム開催のお知らせ

2024-02-23 09:58:18 | 日常
2024年2月23日(金)

昨日、懇意にしてる知人たちからチラシのPDFが届いた。

「広島県の生物多様性と希少種の状況」

と題したシンポジウムの案内である。

な、なんと! 県東部、私の地元で開かれるではないかっ!
なな、なんとっ! 事前参加申し込み不要で無料だということではないかっ!
ななな、なんとっ! 講演者は県下最先端の研究者たちではないかっ!

この方たちなら優しくわかりやすく自分の目でみた現状を話してくれる。
ならば、なんとしても聞きたい!
2日前から泊まり込んで最前列に並んでもいいくらいだ!

ん? ま、まさかっ!
おいしい話で釣っといて、高い羽毛布団を売りつける「催眠サギ商法」じゃないだろうな?
というのは、冗談です。

ぜひぜひ、皆さん足を運んでね。
きっときっと楽しく学べるけえ。
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ツクシガモ Tadorna tadorna :動物園で見たカモが・・・

2024-02-21 13:52:46 | 鳥類
2024年2月21日(水)

ツクシガモ Tadorna tadorna

20240114

20240115  60cm大

この日、隣町の干拓地と干潟へ散策に出かけ、出会った。
日本に冬鳥としてやってくるそうだが、昨年一度見てみたいと出かけるも会ったこともないまま
今年マガモより大きく白い羽の目立つコイツが干潟に2羽いて・・・驚いたのなんの!

黒・白・茶のトリコロール羽毛に赤い口ばし、この艶やかなデザインにどんな意味があるんだろう?

摂餌行動はハシビロガモに似ていると、まず思った。

首を振りながら、水面近くのプランクトンらしきものを漉していたからだ。

と、遠くの水面を見ると・・・いたっ!

マガモと同じように、逆立ちして水草らしきものを食べているみたいだ。

翌日友人を誘い、出かけてみると、干潟へそそぐ河口域でも数羽群れていた。

ヒドリガモと同じように干上がった陸地でも何かを食べていた。

あまり人を恐れないと感じたのは、一心不乱にいろんな方法でエサを採っていたからだろうか?

ふと、地元の動物園で見たときの口ばしによる雌雄判別のことを思い出した。
オスの口ばし根元上部は大きく膨らんでいるハズ・・・

20220211 動物園にて:右がオス

じっくり観察したけど、どの個体も似たような口ばしで、膨らんではいない。
繁殖期に表れるのだろうか?
だとすれば、動物園のオスは2月でも盛んに繁殖行動をするのだろうか?
調べてみたけど、謎のまま・・・


有明海を中心とした筑紫地方にやってくることが多いことから、ツクシガモという名になったそうだ。
私のくらす地域でもごくまれに飛来した記録がある。
あるが、河口域の圃場整備も進み、もう飛来してくることはないだろう。
「動物園でしか会えないだろうな」と半ばあきらめていた生き物を、野生の状態で見られたことはとても幸せだったし、何か不思議な感覚でもあった。
コイツに関してもすっかりどこかへ去っていった時期に載せることにした。
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ゴマオカタニシ Georissa japonica :岩裏で越冬中

2024-02-16 09:24:08 | 他の無脊椎動物
2024年2月16日(金)

ゴマオカタニシ Georissa japonica

20240209  殻高2mmほど

渓流沿いの山道を散策中、1つ岩を裏返して3匹見つけた。
ちゃんとした石灰質の蓋をもつ陸水性の微小巻貝だ。
石灰岩のある地域でないと生活できないのは、ヤマタニシなどと同じだけれど
コイツ、あまりに小さくて・・・日頃人の目につくことはない。

2匹目

東日本以南の石灰岩層のある自然林の落ち葉の下(リター層)などに生息。
多くの都道府県のRDBに記載されているけれど、広島県ではまだある程度普通に生息しているみたいだ。
だけれど、この巻貝に気付く人は、ほぼほぼいない。

3匹目

小さすぎて、マクロ撮影がうまくいかない。
淡橙色の殻が美しいと、私は思う。

人知れず精一杯生きている小さな生き物が大好きだ。
持ち帰り、温度を上げれば、殻から体を出して這う様子を観察できただろう。
が、撮影後そっと岩を元に戻すことにした。
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