☆「おろち」
監督:鶴田法男
出演:木村佳乃、中越典子、谷村美月、山本太郎、嶋田久作、佐藤初、山田夏海、大島蓉子、エド山口、楠見薫、鯉沼トキ、久世星佳、国枝量平、研丘光男、諏訪太朗、斎藤康弘、みやなおこ、久保田麻三留、島田弘久、佐孝康夫、徳建人、平田忠継、小野義行、大口与枝
大好きな漫画家のひとりであり、幼い頃僕にトラウマを植え付けた楳図かずお。
その中でも人気の高い作品「おろち」を実写映画化。
不思議な力を持ち、人間界を見つめ彷徨い続ける少女おろちを演じるのは谷村美月。
美しく生まれながら、29歳になると醜い姿へと変わり果てる運命を持つ門前家の長女・一草とその母・葵の二役を演じるのは木村佳乃。
姉と同じ運命が待ち受ける、次女・理沙には中越典子。
「漂流教室」、「神の左手 悪魔の右手」、「赤んぼ少女」などなど、これまで幾度となく映像化されてきた楳図かずお作品。
しかし、原作が持つ独特の恐怖感、空気、世界観などを表現するのは難しく、そのほとんどは原作のイメージには程遠く、駄作ばかり。
ファンとしては、映像化のニュースが流れる度に不安とあきらめが(^-^;
そんな中で、本作「おろち」はかなり健闘しているかと。
全9話からなる原作の第1話「姉妹」と最終話「血」の2編を基にし本作。
原作には及ばないものの、楳図作品が持つ独特のおどろおどろしさ、悲しみや恐ろしさがしっかりと表現されており、ストーリーのテンポも良く、見る者を飽きさせない。
舞台となる昭和中期の空気も見事に再現。
中でも、門前家の母・葵と一草、理沙姉妹を演じた木村佳乃、中越典子の演技は秀逸で、鬼気迫るものが☆
この2人の演技を観るだけでも価値がある作品かと(^-^)