大阪市民の負担は「いのち輝く」とかけ離れている。今月3年ぶりに改定された65歳以上の介護保険料が大阪市だけベラボーに高いのだ。
65歳以上の介護保険料は自治体が3年ごとに基準額を改定。今年度は前回改定(2021~23年度)の基準額を見直した。
10日の朝日新聞朝刊によると、政令指定市と県庁所在市、東京23区の計74市区のうち6割超が介護保険料を引き上げ。大阪市の月額9249円はブッちぎりのワーストだ。次点の堺市(大阪)との差は約2000円。前回改定で引き上げられた基準額の全国平均(月6014円)と比べてもだいぶ高い。
増額幅も大阪市が最大で、月1155円も上積みした。基準額をベースに所得に応じて負担額は変わるものの、低所得者や年金暮らしの高齢者にとって毎月1万円近い出費はあまりに痛い。
なぜ大阪市だけがやたら高いのか。市の「介護保険事業計画」(24~26年度版)によれば、65歳以上の単身世帯は全国平均29.6%に対し、大阪市は45%に上る。市は高負担の背景について「1人暮らしの高齢者が多く、市の要介護認定率も全国に比べて高いという事情がある」(介護保険課)と説明した。
市は前年度までに徴収した介護保険料のうち余剰分を「介護給付費準備基金」として積み立ててきたが、今回の改定に基金全額(約80億円)を回しても月1000円超の増額が避けられなかったという。
大阪・関西万博には税金を大盤振る舞い
一方、市民に負担増を強いるのに、来年の大阪・関西万博には大盤振る舞い。今年度の万博関連事業予算として府市は808億円(市負担は457億円)を計上したが、介護保険料の引き上げは容赦ないのだ。
「介護保険料の増額は仕方ない部分があるとはいえ、大阪市は高すぎる。万博も含め市民への負担が大きい。万博開催のコストが市民1人あたり2万7000円との報道に、横山市長は『ネガティブな発信だ』と怒っていましたが、巨額の税金が万博に費やされているのは事実。万博のテーマである『いのち輝く未来社会のデザイン』を真剣に考えるなら、高齢者にも優しい政策を打ち出して欲しいものです」(在阪ジャーナリスト・吉富有治氏)府市のトップは“身を切る改革”を掲げる「維新の会」。市民の身を切る維新コンビに大阪を牛耳らせたままでエエのか?
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