★外交とはおかしなものだ。首相・岸田文雄がリトアニアで開かれているNATO首脳会議に参加。中国危機を訴えたが、ウクライナがNATOに加盟できないのは、加盟国の攻撃はNATOへの攻撃と受け止めるからだ。今ウクライナを加盟させればロシアとの全面戦争に発展し、欧州は戦火に巻き込まれる。そこに急接近する日本は東京にNATO連絡事務所を設置する動きだが、フランスなどが中国やアジアに間違ったメッセージを発信してしまう。刺激しすぎたと難色を示している。日中の紛争で欧州が巻き込まれる懸念だ。
★NATOに日本が急接近する理由のひとつには米国との一蓮托生(いちれんたくしょう)・運命共同体の関係があるだろう。最近は政権のゆくえによって大きく外交が変化することをここ数年の米国大統領選の変遷などで外務省は身に染みているのだろう。日本はリトアニアでオーストラリア・ニュージーランド(NZ)・韓国との4カ国協議も行った。各国ともNATO非加盟国だがNATOパートナー国という扱いだ。テーマは対中政策。日本はどうしても中国を仮想敵国として印象付けたいようだ。
★だがその中心であるはずの米国は13日、インドネシアで米ブリンケン国務長官と中国外交トップの王毅政治局委員が会談した。2人は先月も北京で会談しており米国はトップ同士の対話を決して怠らない。それどころか日本の保守派は中国要人と日本の政治家が会談すれば「がつんと言ってやれ」「1歩も引くな」「間違ったメッセージ出すな」「なぜのこのこ会いに行くのか」と対話すら認めたくないようだ。両国の対話の進展具合は分からないものの、これを否定する道理はない。一方同日、王毅はロシアのラブロフ外相とも会談している。本来はこれが外交ではないのか。会うのは好きな人たちだけ、嫌いな人とは会わない外交など外交とは言わない。(K)※敬称略
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