<もうさ、特定の大学をはやしたてるようなメディアの演出やめようよ>
東大キャンパス前で受験生ら3人が切り付けられた事件を受け、18日、ツイッターにこう投稿したのは脳科学者の茂木健一郎氏(59)だった。
殺人未遂の容疑で現行犯逮捕された名古屋市在住の高校2年生の少年(17)は、「医者になるために東大を目指していたが、成績が上がらず自信を失くしていた。自殺する前に人を殺して、罪悪感を背負って切腹しようと考えるようになった、と供述している」と報じられている。
民放番組では東大に「王」を付ける冠番組が作られ、「東大生vsその他出身大学の芸能人」のような構図でクイズに答える番組もしょっちゅうだ。
なぜ、番組名は、東大と同様に難関とされる大学、例えば「京大王」や「九州大王」ではダメなのか。もちろん、ともに医学部があるのに、だ。大手メディアが常日頃から「東大ブランド」を必要以上に持ち上げ、「東大至上主義」を強調しながら、今さら「東大がすべてじゃないよ」ではないだろう。
ちなみに日本映画として62年ぶりにゴールデングローブ賞を受賞し、米アカデミー賞を獲得する期待が高まっている映画「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)で主演を務める西島秀俊(50)は横浜国立大学中退。関東近県在住の高校生であれば誰もが知る名門の国立大だ。
ひたすら勉強して東大に進学して官僚になり、保身のために国会答弁で嘘八百すら平気でつく人と、東大ではないものの、人並み以上に勉強を頑張り、さらに「俳優」としても世界から認められる人物のどちらが果たして「王」と呼ぶのにふさわしいのか。いまだにステレオタイプでしか人物、人生を判断できない大手メディアはよ~く考えるべきではないか。
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