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<東京新聞社説>新しい資本主義 「分配」は掛け声倒れか

2022年06月03日 13時04分34秒 | ●YAMACHANの雑記帳
 岸田文雄首相の分配政策が大きく後退した。「新しい資本主義」の計画案は富裕層に恩恵が偏りかねない税制優遇策が目玉となった。格差是正と乖離(かいり)した内容は掛け声倒れと言わざるを得ない。政府が五月末に公表した実行計画案では、株式などの保有者が税制優遇を受けられる「資産所得倍増プラン」が柱として掲げられた。約二千兆円に上る金融資産を投資に向かわせるのが狙いだ。首相は五月上旬に外遊先のロンドンの金融街で講演し、このプランを念頭に「岸田へ投資を」と訴えたが、会場の反応は鈍く金融市場にも影響を与えなかった。国内の個人株主の割合は全体の11・2%にすぎず、その多くは経済的に余裕のある富裕層である。経済活動を下支えする大半の国民には恩恵がなく、わずかな金持ちだけを優遇したプランで国内外の資金を呼び込むこと自体、無理ではないか。一方、昨年の自民党総裁選で分配政策の柱として主張した金融所得課税は与党が昨年まとめた税制改正大綱で「検討事項」となった。現時点では実現のめどは立っていない。投資で稼ぐ富裕層への課税強化という具体策であり、失望感はぬぐえない。
首相は総裁選時に「所得倍増」も掲げた。高度成長期に池田勇人首相が打ち出した政策の現代版である。だが五月の衆院内閣委員会で首相は倍増時期について「期限を区切っていない」と後退した。地方のデジタル整備に向けた核となる「デジタル田園都市国家構想」も、大平正芳首相が一九七九年に説いた「田園都市国家構想」に着想を得たのだろう。池田、大平両氏は首相が率いる自民党宏池会(現・岸田派)の大先輩である。首相は焼き直しの政策構想を打ち上げた後、簡単に変質させる傾向がある。この悪弊が「新しい資本主義」の分かりにくさに凝縮されている。帝国データバンクの調査によると、主要企業が年内に実施したか予定する値上げ対象は一万品目を超えた。これはすべて家計や飲食を含む中小事業者に強い打撃を与える。今、国民が求めているのは賃上げや物価抑制、幅広い減税を通じた公平な暮らしだ。首相には「民のかまど」を見つめ直し、地に足の着いた政策実現を求めたい。

 


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