★昨年末、防衛関連3文書改定の議論の中で、日米同盟の強化に加え、同志国の軍への協力という言葉が生まれた。外相・林芳正は国会の答弁で「同志国という用語でございますが、一般にはある外交課題において、目的を共する国、これを指す言葉、ウクライナを含めてですね、いずれの国が同志国にあたるかについては、それぞれの外交課題についてですね、日本と目的を共にするか、という観点から個別に判断しておる」とあいまいな説明をしている。
★その一方、「同志国の抑止力向上は、インド太平洋地域での平和と安定を確保するために不可欠だ」と説明。ぼんやりとロシアや中国を念頭に、または想定して、両国と抗(あらが)う国を同志国と呼ぶのだと理解できそうだ。では日米同盟の同盟との違いは何か。日米安保条約を結んだことから、同盟は軍事的同盟と言っていいだろう。食料、燃料、弾薬、輸送、医療などを相互に提供し合うことを約束し合った物資の融通を決めた豪、英、仏、加、印と日本は物品役務相互提供協定(ACSA)を締結していて国際的には準同盟国になったといわれる。
★同じ行動をとるために結束し、軍事的つながりがあることを同盟国と呼ぶ。では同志国とは何か。志が同じ方向を向いていることを指すという。5日、官房長官・松野博一は日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなっていると説明。日本の防衛力強化に加えて「同志国の抑止力を向上させることが不可欠」とした。政府は同日、国家安全保障会議(NSC)を開き、同志国に防衛装備品などを供与する新制度「政府安全保障能力強化支援」(OSA)の実施方針を決めた。政府開発援助(ODA)とは別の無償による資金協力の枠組みで、相手国の軍の能力向上を支援する。幾つかの条件があるにしても、同じ方向を向いているだけで軍事物資を無償供与するというわけだ。我が国が目指すのは軍事同盟強化に他ならない。(K)※敬称略
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