9月27日に予定される安倍元首相の国葬まで1カ月を切り、反対世論が多数を占める中、岸田首相が31日、ようやく国会で説明する意向を表明した。
コロナ療養から復帰した岸田首相は、31日午前11時から記者会見。国会の閉会中審査に出席し、テレビカメラも入れて自ら国葬について説明する機会を設けるよう自民党の高木国対委員長に指示したことを明かした。
まるで岸田首相が率先して国会出席を決めたような口ぶりだったが、実は違う。直前まで、自民党側は岸田首相の出席に難色を示し、官房長官の出席でお茶を濁そうとしていた。
野党6党1会派がまとまって岸田首相の国会出席を求めた上に、世論の強い後押しもあり、追い込まれた岸田首相が自ら国会出席を言い出さざるを得なくなったのが実情だ。次ページ→ 野党ペースで追い込まれ墓へ >>
野党ペースで追い込まれ墓穴
「しかも、野党からの突き上げを抑えきれなくなった自民の高木国対委員長は『時間がない』などと言って与野党協議から逃げ回るだけでまったく機能しなかった。それで、業を煮やした立憲の安住国対委員長が、野党全体の代表として官邸と直接交渉するという異常事態に至ってしまった。自民国対は大失態ですよ。午前10時半に安住さんが松野官房長官に電話し、総理の国会出席を約束して、直後の会見で総理の口から言わせたのです。こんな野党ペースで大丈夫なのか、先が思いやられます」(自民国対関係者)
安住氏は岸田首相の出席については「評価したい」と言う一方、「ただ出席すればいいとか、5分だけみたいな話はのめない」「ちゃんと答弁できる環境を整えて来て欲しい」と注文をつけている。
自ら決めたように見せるために「国対に指示した」と言ってしまったおかげで、今後は国会審議から逃げる際の「国会のことは国会でお決めになる」という常套句も使えなくなる。岸田首相の国会出席は、墓穴を掘ることになりそうだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます