巨大な第7波になりそうだ──。夏の流行期に突入し、新型コロナウイルスの新規感染者数が急増している。コロナの流行は季節性があり、7月から感染者が増え始め、8月にピークを迎える。2020年は8月7日、21年は8月20日がピークだった。足元の増加ペースがピークまで続いた場合の新規感染者数を試算した。
全国の新規感染者数の10日までの1週間平均は4万3708人。前週の2万3298人の1.87倍だ。このペースで増え続ければ、8月8日の週に100万人、15日の週に187万人に膨れ上がる計算だ。
現在、国内で置き換わりが進むオミクロン株の亜種BA.5はBA.2の1.35倍の感染力があるとされる。第7波が第6波を大きく上回る規模になってもおかしくない。
「増加ペースが鈍化することも考えられるので、何とも言えませんが、大きな波に見舞われるのは想定できます。選挙戦ではコロナの話題はほとんどありませんでしたが、第7波に備える時期に来ています」(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏=感染症学)
第6波の主流だったオミクロン株は気道で増殖し、肺には達しにくかった。このため、肺炎などの重症に至るケースは比較的少なかった。ところが、東大医科学研究所の佐藤佳教授らがヒトの肺の細胞を使った実験を行ったところ、BA.5は、BA.2と比べてウイルスが18.3倍増えていたことが分かった。
一方、WHO(世界保健機関)は先月、「BA.5の重症化しやすさが変化しているとの情報はない」と発表している。「肺で多く増殖するのは要注意ですが、ウイルスが肺までたどり着くかは見極める必要があります。もし、BA.5のウイルスが肺まで侵入する傾向がある場合、第6波とは異なり、肺炎で重症化するケースが増える恐れもある。重症化を防ぐために高齢者に対してワクチンの4回目接種を加速させるなど至急の対応が必要です」(中原英臣氏)
第7波が猛威を振るう夏になるのか。
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