長編小説「源氏物語」を生み出した女流作家・紫式部の波乱の一代記、NHK大河ドラマ「光る君へ」が1月7日にスタートした。華やかかつ耽美な世界を彷彿させるオープニング、反田恭平のピアノがアーティスティックに冴え、視聴者を平安時代へとぐいぐい引っ張る幕開けだった第一話「約束の月」は平安中期、京に生を受けた少女まひろ(落井実結子)、のちの紫式部は、父・藤原為時(岸谷五朗)と母・ちやは(国仲涼子)とつつましい暮らしをしている。貧乏学者の娘であるまひろはある日、少年の三郎とひょんなことから出会うが、右大臣家の御曹司、のちの藤原道長であることは知らない。この2人の運命はここから展開していく。
一方、藤原家3兄弟の次男、藤原道兼(玉置玲央)の存在が、初回から危うい。家庭内暴力の連発、選民主義的暴言、弟・三郎へのサイコ的攻撃。気がふれているとしか思えない人物として登場である。煌びやかな舞台に反して早くも不穏な空気が漂っているのだ。しかも説明がないため、なぜこれほどに暴れまくっているのかよくわからない。マザコン? 次男だから? 優秀な長男への嫉妬?
道兼を演じるのは玉置玲央(38)。1985年東京都生まれの俳優・演出家。劇団「柿喰う客」の中心メンバーで、NHKではドラマ『大奥2』で黒木役を演じたほか多数出演している。あまりに目をひく演技ゆえにSNSでも《藤原道兼、なんて悪い奴》《大丈夫か。今から色々胃が痛いぞ道兼くん》《来週から藤原道兼観るの嫌だ》などの投稿がある一方で、《玉置玲央さんが久しぶりに大映テレビ級悪役で、もっときて!って気分になった》《現時点ではヒール役を一手に引き受け、強烈な存在感を放ってる》《藤原道兼のバイオレンス》など支持を集めた。
ラストシーンでは、道兼(玉置玲央)の乗る馬の前に、まひろが飛び出してしまい、道兼が落馬。これでブチ切れた道兼が刀を持ち、まひろの目の前で、母・ちやはを殺害。全国の視聴者から悲鳴が聞こえる場面、道兼は顔に返り血をたっぷり浴びてまるでホラーの展開となった。
紫式部、激動の運命の始まりに注目だ。
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