石破首相 商品券代
官房機密費 原資か
石破茂首相が自民党議員に商品券を配布した問題で、商品券代計150万円が内閣官房機密費(報償費)から出たのではないかと指摘する声が上がっています。石破首相は、疑惑を否定しますが、こんなことにも官房機密費を使えるようにしてきたのが歴代の自民党内閣です。過去には、官房機密費で国会議員らに餞別(せんべつ)や香典、スーツ仕立券などが配られたことが報じられてきました。本紙が情報公開請求で今月、入手した官房機密費の支出関連文書によると、石破内閣は昨年10月に発足してから今年1月上旬までに4億円余を支出していました。第2次安倍晋三、菅義偉、岸田文雄の3内閣による、同期間(10月~翌年1月)の支出のほとんどが4億円未満なのに対し、石破内閣は多い傾向にあります。与党過半数割れした政権運営で石破首相がどのように官房機密費を使ったのか、問われます。商品券を官房機密費で購入すれば、私的流用です。しかし官房機密費の私的流用を防ぐ手だてを第2次安倍内閣以降の自民党政権は取っていません。2018年に最高裁が官房機密費の支出関連文書の一部開示を命じました。判決直後、原告の政治資金オンブズマンのメンバーは、当時の菅官房長官に「要求書」を送っています。要求書は、政治家や公務員、マスコミや評論家などに官房機密費を渡すことを禁じるルールづくりや、一定の年数が経過した支出は公開することを求めています。歴代自民党政権はこれに何ら答えてきません。この間、国政選挙で自民党候補の応援や、東京五輪の招致活動に官房機密費を使ったという証言が相次ぎ報じられました。官房機密費の使途が明らかにされないのをいいことに、制限なしで使えるようにしてきたのが実態です。(矢野昌弘)
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