安倍派裏金づくり
下村氏「森会長のとき開始」
地元開催の講演会で言明
録音データ 本紙が入手
安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡りノルマを超えて販売した議員側へのキックバック(還流)が始まったのは森喜朗元首相が派閥会長のときだったと、下村博文元文部科学相が支援者向けの講演会で話したとされる録音データを23日、本紙が確認しました。下村氏は衆院政治倫理審査会(3月18日)でキックバックが始まった時期について「存じ上げない」と答弁しており、講演内容との食い違いが問われます。(三浦誠)
この講演は3月25日に下村氏の地元、東京都板橋区で開かれました。本紙は講演を取材したジャーナリストの深月ユリア氏から録音データの提供を受けました。
これによると下村氏はキックバックについて政倫審や検察で事情聴取を受けたときは知らなかったと述べたうえで、「森会長のときにそういうスキーム(仕組み)を作ってやっていたということを、いま認識しています」と語っていました。
2022年4月に決定していたキックバック廃止を、安倍晋三元首相の死後に森元首相が復活を決めたのではないかという疑惑についても言及。「たぶんその通りでしょう。私がそこにいたわけでないから、国会で『そうでしょう』と言ったら大騒ぎになる。だからそういうことは言えない。ただ長年の慣行のなかで『こういうことは聞いています』ということです」と、森氏の関与をにおわせました。
下村氏は18年1月から19年9月まで安倍派の事務総長を務めていました。安倍氏が亡くなった当時は会長代理でした。
安倍派のキックバックを巡っては岸田文雄首相がこれまでに森氏に聴取した結果、「確認できなかった」としています。
下村氏が代表の自民党東京都第11選挙区支部は、22年までの5年間で、派閥パーティー券販売ノルマの超過分計476万円を政治資金収支報告書に記載しておらず、政治資金規正法違反(不記載)の疑いが指摘されています。事件発覚後に収支報告書を訂正しましたが、同氏は講演で「検察の方の指導で修正した」としています。
下村氏に録音データの発言などについて質問しましたが、回答はありませんでした。
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