「自衛隊かわいそう論」の大嘘 トイレットペーパーも足りない、を信じてはいけない
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自衛隊員の待遇は、本当に悪いのだろうか。
「自衛隊かわいそう論」がある。官舎はボロく、職場には冷暖房もない。コピー機やトイレットペーパーも足りない。その改善のためにも、防衛費増額が必要だ、とする内容である。
はたして、この主張は正しいのだろうか。
結論からいえば信じてはいけない。いずれも防衛側の怠慢か嘘である。
まず、官舎は他の国家公務員と同じレベルだ。宿舎法の規定から横並びである。
ところが、陸自はマメな手入れをしない。たまに官舎まるごとの大規模改修をするだけだ。そこから漏れる官舎はボロいままだが、それは自業自得である。
亀裂だらけの官舎という風説もあるようだが、それもありえない。
産経系メディアでは「外壁にひび割れがある官舎」の写真が出てくる。そして危険であると主張している。
フェイクである。
外壁補修中の写真を出しているだけだからだ。幅1ミリもない亀裂について、雨水の通り道とならないように黒色のゴムで止水した状態だ。安全性には全く問題はない。また仕上げに外壁塗装をするので亀裂跡も残らない。
他例も同様である。冷暖房、コピー、トイレットペーパーが不足するのは陸自だけ。海、空では使い放題である。
理由も、やはり陸自の自業自得だ。
まずは予算配分の問題がある。これらは庁費や雑運営費ほかの予算で賄うが、陸自は中央が吸い上げる。地方部隊に十分な額を渡していない。
その使い方も悪い。
しかも、現地部隊にはカツカツな量しか渡さない。だから品切れが起きるのである。
当然だが、一度でもなくなると隊員はため込む。用心して自分用に1巻2巻を失敬する。そうなると、部隊中から紙がなくなる悪循環に陥るのだ。
自衛隊かわいそう論は嘘でしかない。人情を利用して防衛費増額を迫る悪質詐欺であり、だまされてはいけない。 =つづく
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