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◆「自衛隊かわいそう論」の大嘘 トイレットペーパーも足りない、を信じてはいけない

2023年02月10日 08時15分17秒 | ●YAMACHANの雑記帳
文谷数重
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文谷数重元3等海佐・軍事研究家

1973年、埼玉県生まれ。早大大学院修了。元3等海佐・軍事研究家

「自衛隊かわいそう論」の大嘘 トイレットペーパーも足りない、を信じてはいけない

公開日: 更新日:
「防衛費増額の必要性は怪しい話」陸自は半減させても問題ない、対中国戦には役立たない 岸田内閣「不支持」57%、第2次安倍・菅政権時を超え最高 防衛増税「反対」は66%=朝日調査 自民・甘利明氏また放言大炎上!防衛増税「賢明な日本国民なら必ず理解」に透ける邪な思惑

 自衛隊員の待遇は、本当に悪いのだろうか。
「自衛隊かわいそう論」がある。官舎はボロく、職場には冷暖房もない。コピー機やトイレットペーパーも足りない。その改善のためにも、防衛費増額が必要だ、とする内容である。
 はたして、この主張は正しいのだろうか。
 結論からいえば信じてはいけない。いずれも防衛側の怠慢か嘘である。
 まず、官舎は他の国家公務員と同じレベルだ。宿舎法の規定から横並びである。

 古い官舎だとしても、海自と空自の官舎は、それほど悪くはない。サッシを交換する、フローリングに張り替える、風呂釜を交換するとマメに手を入れているからだ。
 ところが、陸自はマメな手入れをしない。たまに官舎まるごとの大規模改修をするだけだ。そこから漏れる官舎はボロいままだが、それは自業自得である。
 亀裂だらけの官舎という風説もあるようだが、それもありえない。
 産経系メディアでは「外壁にひび割れがある官舎」の写真が出てくる。そして危険であると主張している。

フェイクである。
 外壁補修中の写真を出しているだけだからだ。幅1ミリもない亀裂について、雨水の通り道とならないように黒色のゴムで止水した状態だ。安全性には全く問題はない。また仕上げに外壁塗装をするので亀裂跡も残らない。
 他例も同様である。冷暖房、コピー、トイレットペーパーが不足するのは陸自だけ。海、空では使い放題である。
 理由も、やはり陸自の自業自得だ。
 まずは予算配分の問題がある。これらは庁費や雑運営費ほかの予算で賄うが、陸自は中央が吸い上げる。地方部隊に十分な額を渡していない。
 その使い方も悪い。

 トイレットペーパーでは、関東や北海道の地方単位で高値で一括調達する無駄があった。その上、輸送費を使い倉庫から各地の部隊に渡していた。
 しかも、現地部隊にはカツカツな量しか渡さない。だから品切れが起きるのである。
 当然だが、一度でもなくなると隊員はため込む。用心して自分用に1巻2巻を失敬する。そうなると、部隊中から紙がなくなる悪循環に陥るのだ。
 自衛隊かわいそう論は嘘でしかない。人情を利用して防衛費増額を迫る悪質詐欺であり、だまされてはいけない。  =つづく

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