ミラクルリープの側面から、パラレルワールドを考えてみる。
※以下では一旦「パラレルワールド」現象を前提に書きます。
【双子の世界】
元の世界ではミラクルリープは起きたんだろうか。
(「ヒーリングっど♥プリキュア」31話OPより)
リフレインの動機や存在には、はぐたんは直接は関わっていません。素直に考えるなら、おそらくは起きたと思われる。
また、彼以外にも時間の精霊はいるでしょうから、すこやか市の一件に限らず同様の現象は元の世界にも存在するはず。
ではジョージはミラクルリープを知っていたんだろうか。
あの現象は「過去をやり直す」には分かりやすい。知っていたなら試みるのでは。
パターンとして、とりあえず4つ考えられる。
(1)ジョージは知っていたし、試した
(2)ジョージは知っていたが、試さなかった
(3)ジョージは知らなかったので、試さなかった
(4)ジョージは知らなかったが、試した
順に見てみます。
(1)ジョージは知っていたし、試した
これは無理がある。
ミラクルリープは繰り返す毎に変化します。これを経験しての結論が「未来は変えられない」になるとは思えません。
いわゆる「特異点」や「歴史の修復力」により「野乃はな(仮)の死だけは変えられない」のだとしても、「未来は変えられるが、野乃はな(仮)だけ特別」と認識するはずです。
それを強引に横に置いたとしても、ミラクルリープ現象は、ジョージの望む「幸せな瞬間での停止」に近い。むしろ時間停止より理想的とも。だったらクライアスの目標は、時間停止ではなくミラクルリープになるのでは。
(2)ジョージは知っていたが、試さなかった
「試さなかった」というより「できなかった」が正確でしょうか。
ミラクルリープ現象は知っていたものの、時間の精霊を発見できず(もしくは協力を得られず)試せなかった。
ですがこれも不自然です。
ジョージにはまだ試していない改変(の可能性がある)手段があったのに、「未来は変えられない」と絶望するだろうか?
(3)ジョージは知らなかったので、試さなかった
この場合、問題となるのはルールーたちです。
未知の歴史改変手段が発見されたんだから、試さない理由はない。試すのであれば当然ジョージも誘うでしょう。
しかし未来に向かったルールーたちが、ジョージを気にしている様子はない。ということはこの仮説は厳しい。
(4)ジョージは知らなかったが、試した
このケースは(1)と結果的に同じ。
以上から(1)(2)(3)(4)全て行き詰まってしまいます。私の検討のいずれか(もしくは全て)が間違っているか、それとも前提とした「パラレルワールド」がおかしいのか。
「パラレルワールド」の否定が目的ではないので、もう少し足掻いてみる。
【置いてけぼりのジョージ】
(1)(2)(4)は劇中の描写と矛盾や齟齬を引き起こすので、深掘りしても先はなさそうに思えます。可能性があるとしたら(3)「ジョージは知らなかったので、ミラクルリープを試さなかった」。
ではなぜルールーたちはジョージに伝えなかったんだろうか。
●仮説1「伝えようとはしたがジョージが見つからなかった」
一番シンプルです。が、それでいいんだろうか…。
元の世界でリープによる改変が成功したとしても、今度は野乃はな(仮)によるジョージ探索編が始まってしまいそうです。
●仮説2「リープを起こす気がなかった」
よくある「過去は過去として受け入れよう」というやつです。
テーマとしてはよく見かけますが、ハグプリでは特には扱われておらず、ルールーがこの思考をしたかは疑問。
野乃さんはクローバー事件の際に「過去に戻って謝る」を試みています。やり直しそのものは、劇中では否定されていないのではなかろうか。
●仮説3「パップルが反対した」
ジョージ最愛の人の復活となると、パップルの心境は微妙でしょう。ただ彼女がそんな個人の事情を押し通すようにはちょっと見えない。
●仮説4「ジョージにミラクルリープをさせたくなかった」
リープしたからといって、野乃はな(仮)を救える保証はない。もしかしたら特異点だの何だので、そこだけは変えられないのかもしれない。
もしミラクルリープを試してそれが発覚した場合、ジョージは永遠に同じ一日を繰り返しかねません。だからジョージを誘わなかった。
でもこれだと、仮説1と同じく、成功した場合にジョージ探索編が始まってしまいます。
●仮説5「誘ったが断られた」
悟りを開き、毒気が抜けたジョージは、野乃はな(仮)との再会に執着しなかった、とか。
ありそうには思いますが、あれだけの大騒ぎを引き起こしておきながら、いざ可能性が出たら拒否なのはどうなんだろうか。
●仮説6「ミラクルリープは不可能だった」
リフレイン(や時間の精霊)の協力が得られず、実行できそうになかった。
私がこの状況なら、こっちの世界のリフレインに交渉し、あっちの世界のリフレインを説得できるような何かを貰うと思います。リフレインには負い目もあるので、協力はしてくれるんじゃないかな。
結果的にあっちの世界のリフレインに断られるかもしれないけど、出発前の時点では分からないはず。
●仮説7「時計の郷の存在に気づいた」
リフレインのお仲間を探そうとすると、「古い時計」を探し回ることになる。この条件はスプラッシュスターで遭遇した時計の郷と同じです。
時計の郷の砂時計を破壊すると、問答無用で時間が止まります。クライアスのトゲパワワ方式より、遥かに強力で効率的。仮説4と同様に、ジョージによからぬ手段を与えたくなかった、のかもしれない。
●仮説8「ミラクルリープには有効距離がある」
リフレインは直近の数時間を戻しただけ。賑やかだった半ドン時代にまでは戻していません。
「実は15年ほど戻しており、15年×99回のループだった。花寺さんたちが認識できていないだけ」の可能性もなくはないですが、かなりホラーだ…。(リフレインの「同じ一日を繰り返す」発言はどうとでも解釈できる)
時間の精霊であっても戻せる範囲に限界があるなら、「野乃はな(仮)は手遅れ」の可能性がある。
「射程距離まで、はぐたんでタイムトラベルし、それからリープ」で解決はしますが、これは元からある「タイムトラベルしてやり直さないのはなぜか」の問題にすり変わるだけ。
●仮説9「未来を救うと野乃はな(仮)を救うが両立しない」
単純なところだと「野乃はな(仮)が命を賭けて封印的なことをしたので、時間停止で済んでいる」とか「時間停止の原因は野乃はな(仮)。彼女を完全に倒さないといけない」とか。
特に後者(黒幕は野乃はな(仮))は、ルールーたちが未来のことをあまり語らなかった理由にもなる。
苦しいのは「野乃はな(仮)が闇落ちして黒幕になった」ではない点。それが理由なら闇落ち前にリープすればいい。
あくまで「野乃はな(仮)の存在そのものが諸悪の根元」のような形です。
キングジコチューのようなパターンとも違いますし、「存在そのものが生まれながらに悪(本人の性格や努力や言動と関係なく)」は、プリキュアコンテンツにそぐわないのでは。
●仮説10「未来は既に救った後だった」
映画「ミラクルリープ」は、ハグプリ最終回の後の話。あのルールーたちは未来(平行世界)に一度帰り、問題が解決したので戻ってきていた。
これなら最終回時にジョージを連れていかなくてもおかしくはない。ただ2030年時のえみるの行動が不可解になってしまう。再会できていたなら、トラウム研究室であの反応はなさそう。
●仮説11「ミラクルリープだとまた別のパラレルワールドが生まれる」
リープにより別の世界に分岐するので、どこかには「救われなかった野乃はな(仮)が残る」。だからリープによるやり直しに固執しない。
この場合、映画「ミラクルリープ」の時点で訳の分からないことになります。
99回のリープにより99個の分岐が生み出され、その分岐先でもリープしているので指数関数的に爆発していく。
平行世界が無限に生み出されてしまうと、フェルミのパラドックスと同種の問題が発生します。みんなどこにいるの?
(注:我々の住む現実世界ではこの問題は起きない。本来の「平行世界」には、「相互に情報のやり取りができない」が定義としてあるので)
何よりこの状態は「救われた未来」と「救われなかった未来」のような分岐を生み出すため、当初の懸念「救われなかった野乃はな(仮)が残るから」が些末になってしまう。
【孤独な世界】
他にも幾らでも出てはきます。が、発展はなさそうに思えます。やっぱり「平行世界を前提にするのが誤り」なような。
ここまでくると、何とかして平行世界説をフォローできるような道を見つけたいかもしれない。
参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
※以下では一旦「パラレルワールド」現象を前提に書きます。
【双子の世界】
元の世界ではミラクルリープは起きたんだろうか。
(「ヒーリングっど♥プリキュア」31話OPより)
リフレインの動機や存在には、はぐたんは直接は関わっていません。素直に考えるなら、おそらくは起きたと思われる。
また、彼以外にも時間の精霊はいるでしょうから、すこやか市の一件に限らず同様の現象は元の世界にも存在するはず。
ではジョージはミラクルリープを知っていたんだろうか。
あの現象は「過去をやり直す」には分かりやすい。知っていたなら試みるのでは。
パターンとして、とりあえず4つ考えられる。
(1)ジョージは知っていたし、試した
(2)ジョージは知っていたが、試さなかった
(3)ジョージは知らなかったので、試さなかった
(4)ジョージは知らなかったが、試した
順に見てみます。
(1)ジョージは知っていたし、試した
これは無理がある。
ミラクルリープは繰り返す毎に変化します。これを経験しての結論が「未来は変えられない」になるとは思えません。
いわゆる「特異点」や「歴史の修復力」により「野乃はな(仮)の死だけは変えられない」のだとしても、「未来は変えられるが、野乃はな(仮)だけ特別」と認識するはずです。
それを強引に横に置いたとしても、ミラクルリープ現象は、ジョージの望む「幸せな瞬間での停止」に近い。むしろ時間停止より理想的とも。だったらクライアスの目標は、時間停止ではなくミラクルリープになるのでは。
(2)ジョージは知っていたが、試さなかった
「試さなかった」というより「できなかった」が正確でしょうか。
ミラクルリープ現象は知っていたものの、時間の精霊を発見できず(もしくは協力を得られず)試せなかった。
ですがこれも不自然です。
ジョージにはまだ試していない改変(の可能性がある)手段があったのに、「未来は変えられない」と絶望するだろうか?
(3)ジョージは知らなかったので、試さなかった
この場合、問題となるのはルールーたちです。
未知の歴史改変手段が発見されたんだから、試さない理由はない。試すのであれば当然ジョージも誘うでしょう。
しかし未来に向かったルールーたちが、ジョージを気にしている様子はない。ということはこの仮説は厳しい。
(4)ジョージは知らなかったが、試した
このケースは(1)と結果的に同じ。
以上から(1)(2)(3)(4)全て行き詰まってしまいます。私の検討のいずれか(もしくは全て)が間違っているか、それとも前提とした「パラレルワールド」がおかしいのか。
「パラレルワールド」の否定が目的ではないので、もう少し足掻いてみる。
【置いてけぼりのジョージ】
(1)(2)(4)は劇中の描写と矛盾や齟齬を引き起こすので、深掘りしても先はなさそうに思えます。可能性があるとしたら(3)「ジョージは知らなかったので、ミラクルリープを試さなかった」。
ではなぜルールーたちはジョージに伝えなかったんだろうか。
●仮説1「伝えようとはしたがジョージが見つからなかった」
一番シンプルです。が、それでいいんだろうか…。
元の世界でリープによる改変が成功したとしても、今度は野乃はな(仮)によるジョージ探索編が始まってしまいそうです。
●仮説2「リープを起こす気がなかった」
よくある「過去は過去として受け入れよう」というやつです。
テーマとしてはよく見かけますが、ハグプリでは特には扱われておらず、ルールーがこの思考をしたかは疑問。
野乃さんはクローバー事件の際に「過去に戻って謝る」を試みています。やり直しそのものは、劇中では否定されていないのではなかろうか。
●仮説3「パップルが反対した」
ジョージ最愛の人の復活となると、パップルの心境は微妙でしょう。ただ彼女がそんな個人の事情を押し通すようにはちょっと見えない。
●仮説4「ジョージにミラクルリープをさせたくなかった」
リープしたからといって、野乃はな(仮)を救える保証はない。もしかしたら特異点だの何だので、そこだけは変えられないのかもしれない。
もしミラクルリープを試してそれが発覚した場合、ジョージは永遠に同じ一日を繰り返しかねません。だからジョージを誘わなかった。
でもこれだと、仮説1と同じく、成功した場合にジョージ探索編が始まってしまいます。
●仮説5「誘ったが断られた」
悟りを開き、毒気が抜けたジョージは、野乃はな(仮)との再会に執着しなかった、とか。
ありそうには思いますが、あれだけの大騒ぎを引き起こしておきながら、いざ可能性が出たら拒否なのはどうなんだろうか。
●仮説6「ミラクルリープは不可能だった」
リフレイン(や時間の精霊)の協力が得られず、実行できそうになかった。
私がこの状況なら、こっちの世界のリフレインに交渉し、あっちの世界のリフレインを説得できるような何かを貰うと思います。リフレインには負い目もあるので、協力はしてくれるんじゃないかな。
結果的にあっちの世界のリフレインに断られるかもしれないけど、出発前の時点では分からないはず。
●仮説7「時計の郷の存在に気づいた」
リフレインのお仲間を探そうとすると、「古い時計」を探し回ることになる。この条件はスプラッシュスターで遭遇した時計の郷と同じです。
時計の郷の砂時計を破壊すると、問答無用で時間が止まります。クライアスのトゲパワワ方式より、遥かに強力で効率的。仮説4と同様に、ジョージによからぬ手段を与えたくなかった、のかもしれない。
●仮説8「ミラクルリープには有効距離がある」
リフレインは直近の数時間を戻しただけ。賑やかだった半ドン時代にまでは戻していません。
「実は15年ほど戻しており、15年×99回のループだった。花寺さんたちが認識できていないだけ」の可能性もなくはないですが、かなりホラーだ…。(リフレインの「同じ一日を繰り返す」発言はどうとでも解釈できる)
時間の精霊であっても戻せる範囲に限界があるなら、「野乃はな(仮)は手遅れ」の可能性がある。
「射程距離まで、はぐたんでタイムトラベルし、それからリープ」で解決はしますが、これは元からある「タイムトラベルしてやり直さないのはなぜか」の問題にすり変わるだけ。
●仮説9「未来を救うと野乃はな(仮)を救うが両立しない」
単純なところだと「野乃はな(仮)が命を賭けて封印的なことをしたので、時間停止で済んでいる」とか「時間停止の原因は野乃はな(仮)。彼女を完全に倒さないといけない」とか。
特に後者(黒幕は野乃はな(仮))は、ルールーたちが未来のことをあまり語らなかった理由にもなる。
苦しいのは「野乃はな(仮)が闇落ちして黒幕になった」ではない点。それが理由なら闇落ち前にリープすればいい。
あくまで「野乃はな(仮)の存在そのものが諸悪の根元」のような形です。
キングジコチューのようなパターンとも違いますし、「存在そのものが生まれながらに悪(本人の性格や努力や言動と関係なく)」は、プリキュアコンテンツにそぐわないのでは。
●仮説10「未来は既に救った後だった」
映画「ミラクルリープ」は、ハグプリ最終回の後の話。あのルールーたちは未来(平行世界)に一度帰り、問題が解決したので戻ってきていた。
これなら最終回時にジョージを連れていかなくてもおかしくはない。ただ2030年時のえみるの行動が不可解になってしまう。再会できていたなら、トラウム研究室であの反応はなさそう。
●仮説11「ミラクルリープだとまた別のパラレルワールドが生まれる」
リープにより別の世界に分岐するので、どこかには「救われなかった野乃はな(仮)が残る」。だからリープによるやり直しに固執しない。
この場合、映画「ミラクルリープ」の時点で訳の分からないことになります。
99回のリープにより99個の分岐が生み出され、その分岐先でもリープしているので指数関数的に爆発していく。
平行世界が無限に生み出されてしまうと、フェルミのパラドックスと同種の問題が発生します。みんなどこにいるの?
(注:我々の住む現実世界ではこの問題は起きない。本来の「平行世界」には、「相互に情報のやり取りができない」が定義としてあるので)
何よりこの状態は「救われた未来」と「救われなかった未来」のような分岐を生み出すため、当初の懸念「救われなかった野乃はな(仮)が残るから」が些末になってしまう。
【孤独な世界】
他にも幾らでも出てはきます。が、発展はなさそうに思えます。やっぱり「平行世界を前提にするのが誤り」なような。
ここまでくると、何とかして平行世界説をフォローできるような道を見つけたいかもしれない。
参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)