穴にハマったアリスたち

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フランス旅行2009年冬 ~結婚式+ジャンヌダルク~

2009年12月17日 | 旅行・ジャンヌダルク
1週間かけて友人の結婚式に行ってきました。

■1日目 ~移動~

ゆらり揺られる空の旅。
軽く10時間ほどかけて空港に到着。
もはやこの行程にも慣れた気がする。



まさか年に2回も凱旋門を見るとは思いもしなかった。半年前に来ただけあり、観光ノリというより微妙な懐かしさが湧いてくる。



同じくエッフェル塔。
塔の前やシャンゼリゼ通りでは、クリスマス市が開かれていました。
今回の旅行、単独行動が多かったこともあり、食事の大半を市で摂取しました。感謝したい。(食堂は敷居が高いけど、市の屋台は言葉を話せなくても気軽に買える)

■2日目 ~結婚式~

何を血迷ったか友人はフランス人のゲットに成功。
上手いことやりやがった。
そんなこんなで相手の実家で式を挙げることになりました。

フランスの結婚の場合、市長さんの前で夫婦の宣誓をする必要があるそうな。
そんなわけで「結婚式」とは言うものの、場所は市役所の一室で長閑なものでした。
市長さん(都合で代理の方でしたが)が、結婚式の場だと言うのに適当にジョークをかましたり、保証人役の人が大遅刻してきたりと、「ああ、いかにもフランスだ」と思ったり。
私はそんなフランスの適当さ加減が大好きです。
何というか、適当なんだけど一番大事な部分はしっかり押さえて目的は達成してくれるというか。日本の場合、過程は几帳面なのにちゃんとゴールできないことが多い印象。



式の後、ご実家でパーティ。
私はフランス語が全く分からないのでパーティと言ってもどうしようもないのですが、それでも周囲の方が気を使ってくれ、非常に楽しめました。
フランスの人はいい人ばっかりだ。

フランスに行くのは今回で3回目。
初めて行った時も宿泊先のご家庭のパーティ(今回の人たちとは全くの別)に招待されて感激したのですが、「またフランスに来ることはあっても、こういうアットホームな経験をするのはこれが最後だろうな」と思ったものです。
それがまさか、結婚式なんて謎イベントが起こるとは、人生何があるかさっぱり分からん。

結婚相手の方は元々日本が好きだそうで、部屋にはファイナルファンタジーのフィギュアが置いてありました。
お祝いにやってきた親戚の中にも、「ONE PIECE」が好きだという人が当たり前のようにいた。
いわゆるオタク文化は、しばしば世間から孤立したものと言われがちですが、こうやって見るとそんなことは全くない。
コミュニケーションを取ろうとする意志さえあれば、世界中と繋がってるんだなぁと実感しました。
個人的な2009年の流行語大賞は「オールスターズ」なんですけど、これもリアルなオールスターズだと思ってみた。

■3日目 ~コンピエーニュ~



ノルマは果たしたので(?)、3日目以降は趣味のジャンヌ関連の土地を回ってみることに。
百年戦争のいわゆるジャンヌ・ダルクのファンなもので、過去にもオルレアン・ルーアン・ランス・ドンレミと回ってみてます。
今回目指したのは、まずコンピエーニュ。

ジャンヌの簡単な経歴を書くと、1429年に故郷のドンレミを出発、その後シノンに亡命していた王太子シャルルと合流。
陥落寸前だった王太子の最後の拠点・オルレアンを解放し、ランスにてシャルルを国王に即位させます。
これが百年戦争の決定打の一つになり、無事にシャルルは勝利を収めることに。
但し、活躍したジャンヌ自身は疎んぜられ、ランス以降は少数の兵で適当な敗戦処理をさせられ続ける日々。
そんな折の1430年、コンピエーニュにて敗北し、敵兵の捕虜になり、翌年ルーアンで火刑に処せられます。

まぁそういったわけで、コンピエーニュはひたすらに陰気なイメージがつきまとう街です。住んでる方には申し訳ない。
冬のフランスは初ですが、コンピエーニュのイメージ通りの凍える寒さでした。何せ最高気温‐1度、最低気温‐1度という太陽なめてんのかという気温。
ヨーロッパは冬に来るところじゃない。



駅から出てすぐの所にあるジャンヌ像。
ここが彼女が自由に動けた最後の街だと思うと感慨深いです。
ジャンヌが捕えられたのは、コンピエーニュの人々が彼女を見殺しにしたから…という経緯があるので、ここに像を建てるのは何か微妙な気もしないではない。



で、この街に何があるかといえば、城壁があります。それだけ。
上の画像は当時の塔と城壁ですが、興味ない人にとっては心底どうでもいい史跡だと思う。別に博物館や案内板があるわけでもない。
とはいえ私的にはちょっと感動したので、別の記事ででも詳細を書いてみたい。



コンピエーニュの市庁舎の前にもジャンヌ像。
ここでもクリスマス市をやってた。
というか、どこの街でもやってた。恐ろしく寒いけど、こういうのを見れるという意味では良い季節かもしれない。

■4日目その1 ~トゥール~



パリからTGVに乗って1時間強、そこそこ大きい街トゥール。
ここにはジャンヌの鎧を作った武具屋さんが現存しています。
現存と言ってもさすがに今時、鎧で生計は立てられないので婦人服屋になってますけれど、とにかく現存している。



普通の路地に、普通に存在していた。
隣の商店も普通だし、店の前を歩く人々も気にも留めてない感じ。
逆にそれが凄いですね。わざわざ見に行った甲斐があった。

■4日目その2 ~シノン~



ジャンヌが王太子と謁見した山城。
シノンのあるロレーヌ地方は古城が多く、よく観光ツアーも組まれています。
ちなみにシノンは、「ガイドブックには載っているが、観光ツアーからは外される」くらいの知名度です。
前述の結婚パーティの際に「シノンに行く予定だ」と話したところ、「日本人は変人しかいないのか」と即答されました。
そんなポジションの街です。あとまた日本人のブランドを失墜させてしまって申し訳ない。

場所的には、トゥールから乗り換えて更に1時間弱行ったところにあります。
なお前日のコンピエーニュから引き続き、フランス語が全く分からない私一人の単独旅行でした。
友人は話せるけれど、新婚さんなので付いてきてくれなかった。当たり前だ。

仏語はもちろん、英語も壊滅的。それでもちゃんと目的地に行って、帰ってこれた。やれば意外と何とかなる。
さすがに3回目のフランスともなると勝手が分かるし、何より駅の人たちも街の人たちもとても親切で、困ってる私に非常に良くしてくれました。
身振り手振りで注意事項や行き先を教えてくれたり。乗車券の打刻を忘れた私に、「本当は罰金だけど今回は大目に見るよ」と優しく見逃してくれたり。
一応その場で「めるしー」とは伝えたけれど、もしも万が一、フランス語を話せる方でシノンやトゥールやコンピエーニュに行かれる方がいたら、「どこぞの日本人が大変感謝していた」と伝えてくださると嬉しいです。



そんなシノンのお城。
客がほぼ私一人だったせいで(途中で数人と出会いましたが)、心行くまで満喫できました。
ある程度イメージは持っていたとはいえ、実際に行くと全然違う。



左はジャンヌが滞在していた塔。右は城から眺めた眼下の街並み。

RPG等々で「中世の城」は割とメジャーですけど、本物は軽く引くくらい迫力があります。
城の中とか、真昼間なのに手探りじゃないと進めないほど暗いとか。
石の壁や階段の寒々した感じや、外界の音を完全に遮断するせいで耳が痛いほど静寂だとか。
(そんな所をたった一人で何層も上り下りして数時間も探検した私の勇気を、少し褒めて欲しい)
ジャンヌに限らず、西洋ファンタジーが好きな方は一度行ってみる価値があります。



上の画像がジャンヌが王太子と謁見したまさにその場所。現在は破損して吹きさらしになっている。
大広間という割に、かなり狭い。記録では確か数十人ここにいたはずで、かなり窮屈だったんじゃなかろうか…。
そういうのが体験で分かるから、現地に行くのは止められない。

■5日目その1 ~サンドニ~



パリ北部にある教会目当てで行きました。
「サンドニに行くつもりだ」と行ったところ、件の友人から「治安悪いよ」と釘刺されたような所。
確かに微妙に空気が違った。



ジャンヌがパリ攻略戦の時に戦勝を祈願した教会です。
もうこのレベルになるとジャンヌゆかりの土地なのかどうか微妙な領域に入り始めてる。
そんなわけで特段にジャンヌ推しがされているわけでもなく、残念ながらジャンヌ関連のアイテムは発見できませんでした。ちょうど工事をやっていたので改装中だったのかもしれない。

そんな感じでジャンヌネタとしては弱いのですが、ここはそんなものを吹き飛ばすほどの歴史パワーがある。
サンドニは歴代フランス国王の墓所になっています。
従って、歴代国王の遺体が、実際にここにある。

地下の霊廟も見学できて、迫力に呆然とします。
意味分かんないですよ。歴史の教科書に出てくるような方が、現物がそこにいらっしゃる。
初めこそ調子に乗ってデジカメで撮影していたのですが(特に禁止はされていない)、やがて恐れ多くなって止めたくらい。
日本でいえば、鎌倉・室町・徳川歴代将軍の遺体が安置されてるようなもんです。
意味分かんない。本当に。

特に唖然としたのが、ルイ17世の心臓の展示。
彼の心臓がここに収められていることは知ってました。でも、平然と展示されてるとは思わなかった。
通路にさりげなく配置されてるせいで、最初は通り過ぎてしまったくらい。この国はスケールが違う。
(ルイ17世に関してはWikipedia参照

■5日目その2 ~シネアクア~

旅行の最後の行程は、歴史とは何の関係もなくパリの水族館へ。
エッフェル塔の真ん前の地下に謎に存在してる。
時間が半端に余ったので、とりあえず行ってみた。



正直なところ、魚の種類も数も少ないし、敷地も狭いです。
でも見せ方が上手い。
「新感覚水族館」と銘打ってるだけのことはある。美術館巡りに疲れた観光客とかにお勧め。

あと日本と違って安易にイルカに頼らない姿勢も好感度大でした。
水族館は何をするところですか?おサカナさんを見るところですよね。
ところが日本の水族館は、醜悪なる海洋性ほ乳類に魂を売り渡しており、「とにかくイルカ見せれば満足でしょ。サカナ?ああ、イルカの餌のことね」なんて言い出す始末。



パリの水族館はそのような退廃思想とは無縁で、純粋に魚だけを見ることができます。
魚に交じって恐竜とかも展示されてましたが、多分、ヨーロッパの海にはいるんでしょう。
何故か錦鯉とかいるし、何故か日本料理特集とかやってたりもしましたが、深くは気にしない。

■6日目 ~帰国~

と、そんな感じの旅行でした。
飽きもせずに走り回ってました。今は筋肉痛で全身が痛い。
やっぱりフランス大好きです。出来ることなら来年も行こうと思う。

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