穴にハマったアリスたち

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マーメイドメロディーぴちぴちピッチ 公式イメージソングコンテスト(感想)

2022年01月02日 | マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
「ぴちぴちピッチ」の新しいイメージソングのリスナー投票が開催中です。
このあと最終選考があるようなので、投票数だけでなく「なぜそれを推すのか」を意思表示するのも大事かと思い、ちょっと書いてみる。

コンテスト公式サイト

私の「ぴっち」観としては「生物種レベルの愛と孤独、それを受け止める母なる海」。
沙羅やガイト、ミケルやミカル、BBSやDLやみつかいたち、かれんやノエル、他皆々様の根底に孤独とそれ故に求める愛がある。男女間の愛ではなく、もっと広い生物としての物。場合によっては男女間の愛が報われないこともあるが、それを超えた生物としての愛。その象徴としての歌。
進化の過程で海を旅立ち孤独と戦う私たちと、それを見守ってくれる海。それが「ぴっち」だと思ってる。

過去のお歌の歌詞から引用すると…

●「太陽の楽園~Promised Land~」
『大きな旅に出よう 太陽と風の彼方へ きっと地図にはない 楽園のドアを開いて』
『悲しみの雨が続く そんな日も泳ぎ続ける ずっと胸の奥で信じてきたんだ 自分を』

●「Rainbow Notes♪」
『虹色の朝が来たら 光の地図を広げよう』
『はじめての別れは涙が止まらなかった』
『服を着替えて 君をむかえにいくよ 地球は愛と希望の歌があふれるワンダーランド』

●「Before the Moment」
『わたしはわたしのままの強さを信じていたい。大丈夫、間違ってない』
『いちばん好きだから いちばんの勇気になろう。旅立つ朝の静寂 自分とのあの約束』

●「Legend of Mermaid」
『誰もがいつかはここを旅立つ日が来ても 私は忘れない』

意外にも「人魚」のような特徴的なワードは使われず、「旅」「自分を信じる」等がキーフレーズになっています。
これらを念頭に、特に気になった4曲の感想を書いてみる。それぞれを勝手に一言でいうなら「ぴっちのイメージ」「17年後の視聴者」「aquaの今後の展開」「令和のぴっち」を感じます。
※応募者様に失礼な表現をしていたら申し訳ありません。

■「なないろメモリー」(優莉)
「ぴっちのイメージソング」として一番ストレートだと思う。

『約束は今も覚えているの』『絡み合うふたりの旅路』『大丈夫、絶対届けるから』
『争いは今も続いているの』『未来の私、伝えたいステージで。この思い、希望を忘れないように」

「ぴっち」の基本イメージをそのままに、あの最終回の後を想起します。
前作OPで象徴的だった歌詞『悲しみの雨が続く そんな日も泳ぎ続ける』は一人で泳いでいたイメージですが、このお歌だと『ふたり』になっている。
花森ぴんくさんもインタビューで「母と娘の物語」と語っていたことから、この広げ方はかなりしっくりきます。

あと何気に「アイドル」要素を織り込んだ数少ない曲でした。
「人魚姫」(特にアンデルセンの)ではなく「ぴっち」なので、確かにその要素がないと寂しい気がする。

その意味だと曲名にもなっている「なないろ」もそうです。一般には七色といえば「虹」ですが、ぴっち脳の我々は「七色の真珠や人魚」と「七つの海」を連想します。以前のOP「Rainbow Notes♪」と同じ手法。直接に「人魚」や「海」と歌わなくても、「なないろ」と聞けばそれらを思い起こす。
聴く人が聴くと「ぴっち」色が増す…というのはポイント高いと思う。

[追記] 詳細を別記事に書きました。

■「HOLY MERMAID」(ゆきね)
あれから17年がたった、にフォーカスを当てるならこの曲だと思う。

『大きな旅に出たの』『潮風に吹かれて思い出す。懐かしい歌声』
『大人になっても追い続けていたい』『ずっと憧れていた大人になれたのかな』
『あの日の彼女たちがいう。大好きを諦めないでと』『私たちがヒロイン』

「ぴちぴちピッチ」というより「それを見ていた私たち」のお歌。
募集要項にも「世界観を広げる」「元々の読者が今はオトナ女子になっている」ことを意識して欲しいとあり、条件に合います。
歌詞選びも前作へのリスペクトを感じます。

■「The Island」(マイケストラ)
上二つとは少し雰囲気が違い、「これまでのぴっち」というより「これからのぴっち」の印象。

『僕らは20歳になって何もかもすべて捨て去って 切ない気持ちの思い出 少し残して 僕らだけのアイランド』
『知らない日々に飛び込んで いつかどこかで会った君の元まで』

海から離れて旅に出て、また海に戻ってくる…のが前回までの話だとして、そこからまた違うどこかに行くイメージです。
「僕らだけの」をそのまま受け止めるなら、るきあさんが黒砂くんと共に海を離れていく。
これまでの「ぴっち」では起こりづらい展開ですが、生物はそうやって進化してきたのですから新時代の「ぴっち」としてありえるのかもしれない。
ただ元々「ぴっち」を意識して作られたのではない(?)のか、「僕」等の歌詞や雰囲気が「ぴっち」からずれているのは残念。

■「Blue Resonance」(水湊いづき)
この曲を「ぴっち」のイメージソングとして提出したのは相当に思い切ってると思う。
歌手の方は「Before the Moment」のカバー曲も出されているそうですから、「ぴっち」を知らなかったのでもない。

『奇跡のように絡み合う時を回した歯車』『打ち砕かれた粉々な幻想』
『真珠のように小さな輝きが はかなく淡い波に溶けるなら』
『歌声は闇をくじくように』『凍てつく心にささやかな祈りを届けて』『張り詰めたままの孤独が怖くて』

歌詞から想起される展開は、何らかの現実に直面してかつての幻想を捨てざるをえなかった るちあさん、とかでしょうか。もはや真珠すら切り札ではない。でもそんな絶望的な孤独の中でもお歌は響く、といったような。かつての「ぴちぴちピッチ」を良い意味で壊し、新しい時代に進むという意味では気になります。

「大人になった今、幻想が通じない」は「プリキュア」や「どれみ」などでも扱われており、悪く言えばパターン。「ぴっち」でそれを見たいのかどうかは自分でもよく分かりません。「母なる海」としてどっしりと構えていて欲しいとも思うし、でも「ピュア」も当初は連戦連敗の展開から始まったなとか悩みます。

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