穴にハマったアリスたち

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せっかくなのでディケイドさん

2010年05月13日 | アニメ・日曜朝 感想その他
先日「仮面ライダーディケイド」さんの再放送が無事に終了したそうな。
いつもお世話になってるTJ-type1さんの記事によれば、最終回のラストシーンはちょっと変更され、「第1話にループして終わった」とのこと。
そういうことなら見ておけば良かったなぁ…。

ついでと言ってはなんだけど、今更ながら「ディケイド」さんについて考えてみる。
ちょうど先日、穴埋め記事に「ディケイドプリキュア」書いたら、何か妙に引っかかったことがあったので。
そんなわけで、以下、「番組を再視聴もせず」「関係者のインタビューも調べず」「考察サイトも読まず」という最低の姿勢のまま、私見を書きなぐってみる。

承知の通り「ディケイド」さんは恐ろしくメタなお話。
その「ディケイド」さんが訳わからない理由の一つに、「何がパラレルで何が原典から訳わからない」があると思う。
例えば原典至上主義者の鳴滝さんは「原作を破壊するな」的なことを言ってるのに、その彼が拘ってるのは「パラレル」の世界の方。
テレビのラストシーンは「原典」からの進攻に見えたけど、映画「ライダー大戦」はどう見ても「パラレル」と戦ってる。
案内人のキバさんの立ち位置もよく分からないし、何で仲良くしたらダメだったのかも分からない。

で、思ったのが、いわゆる「原典」と「パラレル」は、「ディケイド」劇中ではイコールなのではと。
物語前半でディケイド兄が回った「パラレル」世界は、「原典」の圧縮リメイクです。
細部は変更されているし、出演者も変わってるけれど、「原典」のメインテーマはそのままで当時のネタも織り交ぜつつ、非常にレベルの高いリメイクになってる。
つまり「原典」と等価と言える。
鳴滝さんが拘ってる原典は、1年シリーズのかつての番組であると同時に、パラレルのあの世界。

じゃあ案内役の「オリジナル」キバさんは何なのかと言えば、「パラレル」仮面ライダーキバ役のキバさん(仮名)。
意味的には「パラレル」のキバ少年と、キバ役のキバさんは同一人物と考えてみる。
あれだ。化粧とか衣装で人はあそこまで変われるんだ。

「原典」(=「パラレル」)は一度終わってしまえばそのまま発展性はない。
録画物を再生するように、そのままでは延々と同じ話をループするしかない。
そこで、延々同じ演目を続けることに耐えかねたキバ役のキバさん(仮名)が、ゲストとしてディケイド兄を送り込んだ。

キバさん(仮名)が期待したのは、ゲスト出演で全く違う話になること。
ところがディケイド兄は空気が読めてなかった。
元の台本と、全く同じ演目をやってしまった。多少は違うけれど、アドリブで対処できる程度にしか変わらなかった。

私が「ディケイドプリキュア」を書きながら頭を抱えたのが、「この構成なら別にディケイド姉いらないんじゃね?」ということ。
何せ元の「プリキュア」さんが完成されてる上、それのリメイクなんだから、適当オリキャラのディケイドさんの入る余地がないんですよ。
これは私が既存プリキュアさんが好きで好きで堪らなくて、オリキャラなんてどうでもいいから…というわけではないと思う。
(※たかが私ごときのパクリ記事と、プロの考えた一流コンテンツを比較するかのような書き方は、傲慢にも程がありますが、思考過程の一つとして)

「仮面ライダーディケイド」の方も、別にディケイド兄は不要と言えば不要です。
確かにピンチを救ったり、助言与えたりしてる。
でもそこは偉大な先輩ライダーたち。ディケイド兄がいなかったらいなかったで、今までと同じように何とかしてたんじゃなかろうか。
例えばたっくんもさ、ディケイド兄が来なくても、脈絡なくバジン様が助けてくれたり、アスファルトが割れて地下水路に落ちたり、いきなりパワーアップアイテムが支給されたに違いない。
何せ過去にそうやって戦い抜いたんだから。

要は、「ディケイドがいようがいまいが、ストーリーの本筋は変わらない」。
事実、私たちは「良くできたリメイクだ」という感想を持った。元の1年シリーズと、内容は変わってないと皆が認識している。
「オルフェノク絶滅すべし!」とか「あ、たっくんが普通に裏切った」とか「オルフェを操る真の敵が!実はスマブレは人間の味方だった!」とか、そんな新展開にはならなかった。

これでは「新しい物語を生みだす」という目的は果たせてない。
だから「仲間になるのは失敗だった」となる。期待してたのはもっと全然違う新作展開。
まぁその新作展開が「仮面ライダー同士のバトル」である必要はないですが、そこはキバさん(仮名)が「やっぱバトル展開だろバトル展開」という特撮脳だったと思おう。

ここで妙な例えとして「プリキュア5GoGo!」で考えてみると。
「オールスターズ」のような新作展開は概ね大歓迎されます。
でももしも「再放送」「リメイク」「DVD版」のような「以前と同じ」という前提で始まった話に、異物が紛れ込んでいたら?
例えば新キャラとして謎生物Aを追加。人間態(男)が水無月先輩と軽く恋愛したり、プリキュアさんの戦闘支援をするような要素を追加。
ただし「館長とフローラさんの関係」だとか「テーマはコミュニケーション」だとかはそのままとする。

…本筋が変わってないのだから、それは全体としては「プリキュア5GoGo!」のまま。
その新キャラAがいなくても話が成立するし、「前と変わらない」と言い張れないこともない。
でも確実に暴動が起きると思う。特に水無月先輩のファンから。「前と変わらない」のなら、尚更そんな要素はいらないはず。

この辺が鳴滝さんがキレてる心境なのかなと思ってみた。
一方で「ライダー大戦」に対しては、彼は比較的寛容だったような気がする。見直してないのでもはや忘れましたが。
これは完全新作なら認めるファン心理かなと。

そう考えるとディエンドさんの立ち位置もこじつけられます。
彼はディエンド役のディエンドさん(仮名)の視点があるので、「ディケイドはナマコが食べられない(という設定)」を知っている。
何度も演目をやってるから、ループ世界(というかその台本)を熟知している。
対してディケイドさんは、ディケイド役のディケイドさん(仮名)の視点がないので、自分自身の台本外の設定を忘れてる。

この解釈だと、「ライダー大戦」で(まごうことなく原典の)「W」とパラレル・スカルが対面していることの説明がややこしくなりますが、出来なくはない。
「W」は「ディケイド」と並列にある別シリーズ。パラレル・スカルのいる「W」世界は、「ディケイド」シリーズの中の「W」(鳴滝さんにとってはこちらが「原典」)
ダメだ、図でも描かないと伝えられる気がしない。

まぁそんなわけで。ニュアンスが伝わったかどうかも怪しいし、「番組を再視聴もしていない」状態なので完全に思い込み解釈ですが、自分の中での整合性は取れた気がする。
まもなく公開の「電王」でのディエンドさんを見れば、もう少し整理できるかもしれないし、全くの的外れかもしれない。
何はともあれ「ディケイド」さんは好きなので、「電王」映画も少なくともその回だけは行ってみます。

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2 コメント

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ほんの少しの異物混入がもたらす効果について (arbre du bonheur)
2010-05-14 17:08:36
どんな異物が紛れ込んでいたら、劇的に変わっただろうか、物語にせよ、人生にせよ。
そんなことを、おもいめぐらしました。
ある絶縁体に、これまたある異物を、ごく少量だけ混入させると、あらら不思議、その絶縁体が特異な性質を持つ半導体に。
でも、どんな絶縁体ででも、どんな異物ででも、よいわけではなく。
ほんとうに、ある絶縁体と、これまたある異物と、の絶妙な組み合わせでしか有益な半導体にはならない。
くわしいことは全然わからないので、まちがってるかもしれない。
でも、もし正しいのであれば、選ばれた物語や人生と、選ばれた異物と、では、変われるのかもしれない、劇的に。
変われない、あるいは、変わらない、のは、それが変わる資格のない物語や人生なのか、あるいは、紛れ込ませる異物が間違っているか、の、どちらかだろう。
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未来(再構築)は過去(原典)から (Wショッキング)
2010-05-15 08:11:08
初回最終回に比べて体裁だけでもまだマシになったとは言え、謎が放置されてる現状が何一つ変わらないのが辛いですね。
その内発売するであろうディレクターズカット版ないし超全集下巻でどこまで補完されているだろうか…。

鳴滝さんの立ち位置は大方順当だと思いますが、本人曰く夏蜜柑と既に面識があったというのが未だに引っ掛かる所。
事が事だけに、実際は彼女もそして栄ちゃんもライダー世界の根底に大きく関わっているのかもしれない―本来なら飲み屋でムスカパパに誑かされるだけの立ち回りではなかったでしょうし(苦笑
平成ライダーで平行世界と言えば龍騎が挙げられますが、アレと同じく異世界に携わる研究者だったりとか?で、偶然その場に鳴滝さんが居合わせた、と。未だに謎が深まるばかり…

…その点、電王に関しては実に簡単に説明がつきそうですね。
何者にも頼ることなく物語が続いたが故に、世界観改変の対象からは完全に逸れていた、と。
過去作に殴りこみするディケイドをさしずめ未来からの干渉と例えるなら、電王という作品そのものがその影響を受けない特異点だった、そんなわけですね。
…TV放送していたのはもう3年も前に遡るのに、昨日のことの様に思い出せる自分がいます。まかり間違えばベルト以外の玩具の再販も始まってしまいそうだ。

>まもなく公開の「電王」でのディエンドさん
通りすがりを自称した男がまた同じ世界に戻ってくるという一見矛盾した様なお話(ぁ
イマジンコント・変則的憑依・早変わり乱戦等、電王劇場版恒例のエッセンスにディエンドを絡ませる相乗効果で生まれる面白さに期待したいですね。
しかしディエンド遺影フォームはまた永徳さんへの負担が酷そうだなあ……
返信する

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