まやの部屋

過ぎていく一瞬 
心に浮かんだことや気になることを書きとめる日記

日本語と英語

2012-11-27 22:31:58 | 書評

 今日も仕事の合間に読んだ本からの話題です。

題名に魅かれて選んだ本ですが、思った以上の収穫がありました。

著者はハワイ日系二世の父親と日本で生まれ育った日本人の母親を持つ作家とプロフィールに出ていました。これにも魅かれるものがありました。今の職場には、帰国子女がうじゃうじゃいて、仕事やりにく~ と日々実感しているものですから。

それで、最初に疑問に思ったのは、『この方はどっちを主に自分の言葉として使っているんだろう』ということ。

書かれてある日本語は完璧に近い日本語で、作家でもあるのでやっぱり日本語かな…

それにしても、英語の解釈はやっぱり完璧だと思うし、バイリンガル? ところどころ、ウン?と思うような日本語もあるけど、それも私の日本語がおかしい?と反対に思ったり。。。

というのも、勉強しているようなのが日本語。完璧母国語という自信があれば、勉強しないかな?それとも、日本で作家を生業とするなら、やっぱり日本語も勉強せなあかんのかな。

とにかく、私には英語の勉強になりました。この方が長年集めた英語の文とそれの対訳。ほんとにためになります。何といっても、英語のニュアンスを日本にいて十分にわかろうとすると至難の業です。そして、それを日本語で表すこと。また、その反対の事… 通訳や翻訳をしようとすれば、当たり前にできないといけないのですが、これがなかなかやっかいです。

そして、日本語の特徴である主語のない文、について随分と考察されています。日本語を母国語としていれば、なんじゃ当たり前の事なのに、と考えてしまう所を、ぐっと遠くから見据えるような目で眺め、あえて分析できるのは、やはり日本語ネイティブでないからできるのかもしれないですね。

そして、you の意味。何度もでてくる、その日本語の説明を読んでいるうちに、うっすらとわかったような気がする…  

もう一度初めから読んでみようと思っています。

最後の方で、漱石の『草枕』が出てきました。

先日、私が引用した「智に働けば  云々・・・」の一節を英語にした箇所が紹介されています。

If you work by reason, you grow ---

英語で読んだら、ほんとにスッとわかるのに、漱石の書いた日本語で読むと大きな衝撃を受けた、そうです。

ふーーん、そうなんだ。

 

日本語と英語―その違いを楽しむ (NHK出版新書 391)
片岡 義男
NHK出版