この頃判断するのが遅くなったなあと思うことが多々ある。
何だか優柔不断になったような気がして、新聞で紹介されていたこの本を選んだ。
しかし、読んでみるとすぐに、この判断とは組織の判断で、個人の判断とは程遠いなあ、と思った次第。でも、全体的に読んでいて面白かった。(ちょっと負け惜しみかも)最後まで読めたから、面白いと思ったのだと思う。
12のケースについて割と詳しく紹介されている。古代ギリシャのケースは物語のようで面白かった。
アテネの人々はペルシア軍の攻撃からいかにして市民を守ったのか、というお話。
優秀なリーダーがいて、その人に率いられて守られたのだろう、と何となく漠然と思っていたのだが、この本によると、リーダーはいたけれども、どちらかというと、と言うか実際の所、皆で話し合って結論を出したのだそうだ。まあ、これが議会制民主主義の源か・・・・?
さまざまな情報を人々が持ち寄って話し合い、どのようにして戦うかを決めたそうな。
決定はもちろんすぐに下されたわけでなく、さまざまな決定がいろいろと出て、それで試行錯誤しながら市民の合意を形成していったらしい。
ちょっと翻訳がしんどくてわかりにくいが、
”現代の最も優れた実践に見られるように、慎重に検討された決定は、その決定を実行する人々に密接につながっていて、またそうした人々によって熟慮が重ねられた。リーダーシップは重要な役割を果たしたが、テミストクレス司令官自身には決定を下す力は全くなく、むしろ、最良のアイデアを明示し、それについての討論を促す助けをしたのである。…”
”みなでいっしょに考えれば、個々の人間よりも賢くなれる”
ふうん、そうかも。
以前に働いていた会社では、時々グループの力ってすごいなと思った時が何度かある。一人一人はそれほどでもない(ゴメン!!)なのに、グループでまとまるとちょっとしたことができる。
確かに、全員の総意となるといいのかもしれない。
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ジャッジメントコール――決断をめぐる12の物語 |
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