最寄りの私鉄のターミナル駅に行く時には国道を跨ぐ歩道橋を通る。その歩道橋の先にエレベーターがある。階段もあるのだが、最近は杖をついているので、このエレベーターを利用する。
昨日このエレベーターに乗ると、すぐ後から老婦人が一人乗ってきて、大きな声で「おじいちゃん、2階」と言った。後からその婦人の連れ合いでも来るのかと思って外を見たが誰もいない。どうやら下に降りるボタンを押そうとした私に言ったようだった。2階には改札口がある。それで自分の行き先を言ったのだろう。2階に着いて降りてから振り返ってみると、私より年配らしい80代と思われる婦人だった。
私は今更言うまでもなく年寄りだから、孫達からは「おじい」と呼ばれているし、中国の友人達は「おじいさん」「おじいちゃん」「じいちゃん」「爺爺イエイエ」などと呼んでいる。それが当たり前で、もし「おじさん」などと呼ばれたらかえって気恥かしい感じになるだろう。私は「おじいちゃん」と呼ばれるのが好きだ。
しかし、エレベーターで出会った婦人は正真正銘の「見事な」お年寄りで、そのような人から「おじいちゃん」と呼ばれると、こちらも正真正銘の老人であっても、何だかひどく年をとったように思ってしまう。その婦人からすれば「おじいちゃん」と呼びかけるしかないのだろうが、改札口を通り抜けながら「おじいちゃんかあ」と苦笑しながら呟いた。
気にしないのだが 同じ歳や歳上の人から
「お爺ちゃん」と呼ばれるのは抵抗を感じる。
きっと私も中国迷爺さんも心の片隅では
「まだ若い・・」と云う気持ちがあるのかも
知れないね~