今でこそイタリア料理は日本人の好みに合うものになり、イタリア料理店はあちこちに出来て、私の住むところにも何軒かあります。ピザやパスタも日常的なものとなり「イタメシ」などという言い方もあります。
もうだいぶ前になりますがピザはもちろんなく、パスタもスパゲッティくらいで、喫茶店の昼食などに出していました。種類もミートソースかナポリタンくらいのもので、ゆで方も今のような芯が少し残っているアルデンテというようなものでなく、全体がぐんにゃりしたものでした。ナポリタンはトマトソースであえたものでとてもポピュラーなものでした。
Wikipediaによると、ナポリタンは日本独特のもので「典型的には、スパゲッティにトマトケチャップをからめ、炒めて作る。代表的な具材はタマネギ、ピーマンであり、これにハム、ウインナソーセージ、ベーコン等の加工肉が加わる。タバスコと粉チーズを好みでかける食べ方が一般的である」とあります。
このナポリタンの元祖は1927年創業の「ホテルニューグランド」(横浜市)とされているようで、終戦後に連合国軍総司令部(GHQ)に接収された際、当時の入江茂忠総料理長が、スパゲティをケチャップであえる兵士たちを見て着想したと言います。ホテル広報室は「入江総料理長がケチャップは一流ホテルの格式に合わないと、生トマトを使ったソースを考案した」と説明しているそうで、広まる過程で大衆的なケチャップ、ピーマン、タマネギのスタイルに変化したようです。
最近は昭和レトロやB級グルメブームに乗ってこのナポリタンが注目されているようで、発祥の地とされる横浜では市民有志が学会を結成しておすすめの店を認定したりしていると言います。横浜に限らずあちこちの店でナポリタンを出して人気があるそうですが、私はまだ見たことがありません。出会ったら食べてみて、昔の味を懐かしむのもいいかなと思っています。