中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

彦根市長選

2013-04-24 10:52:47 | 身辺雑記

 21日に行われた滋賀県彦根市の市長選で、現職の獅山向洋氏が新人の大久保貴氏に敗れました。彦根は江戸時代末期に幕府の大老だった井伊直弼が藩主でしたが、よく知られている「桜田門外の変」で、水戸藩や薩摩藩の浪人に暗殺されました。維新後も井伊家は彦根で力をもち9期も市長を務めた人があり、いまだに井伊の城下町という趣きがあるようです。 

 それを意識したのかどうか現職の獅山氏は、もう一人の新人候補だった有村国知氏について選挙戦中に「市長にふさわしくない」と攻激しました。有村氏は「桜田門外の変」で井伊大老を襲撃した薩摩藩士である有村次左衛門の子孫で、これを捉えて獅山氏は、「彦根にゆかりの深い井伊直弼の暗殺に加わった浪士の子孫は市長にふさわしくない」などと主張し「私が彦根の歴史と伝統を守る」と訴えました。有村氏は「家系は関係ない」と反論したようです。 告示日の14日の出陣式で獅山氏は「直弼公に代わって選挙戦を戦う」と強調。有村氏陣営は「出自の問題を争点にすべきでない」と反論し、大久保氏も「人権侵害だ」と批判したようです。しかし、獅山氏は19日の総決起大会でも「直弼あっての彦根。(有村氏)一族が市長になると全国の笑いものになる」と訴えていたとのことです。

 獅山氏は有村氏の出馬を「浪士末裔で現代の桜田門外の変」と批判したようですが、「桜田門外の変」は1860年のことで、150年も昔の、それも江戸時代のことを持ち出して対立候補を批判し、「直弼公に代わって選挙戦を戦う」とは、年齢が72歳とは言え、その大時代的なことと時代錯誤、視野の狭さには、いかに井伊家の城下町の彦根であっても呆れます。彦根市民の受け止め方は冷ややかだったようで、獅山氏は大敗しましたが、初当選が決まった後、大久保氏は「政策と関係ない、全く次元の違う話で、コメントしようと思わない」と述べたそうで、それが普通の感覚でしょう。しかし改めていまだに江戸時代がこんなところに生きているのかと思わされました。

  開票結果

  大久保貴氏(49)16903票 

  獅山向洋氏(72) 9600票

  有村国知氏〔38〕 9412票

 

 

 

 


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