大阪市では区長を公募して応募者の中から橋下市長などが選考して新区長を決めました。区長達は既に業務に就いていますが、その一人である榊正文・淀川区長(44)がツイッターに、自身への批判的な書き込みがあったことに対して、「アホか、相当な暇人やな」「もうちょっとさ、勉強したら」などと応じていたことが分かりました。
彼は人材派遣会社役員から転身した人物で、今月7日にツイッター上で、「これまでの暴言について明確に謝罪してからが初めてスタートライン」と区長就任後の挑発的な発言(内容は分かりませんが)を批判され、上のような発言をしたようです。上司である橋下市長はこれまで自身のツイッター上で週刊誌や自分を批判する学者達に対して「アホ」「バカ」を連発して罵り、私はそれを読んでその下品さに辟易して、最近のものは読んでいません。榊区長はこのような市長の顰に倣ったつもりなのか、それとも地が出たのか分かりませんが、およそ新人の若手区長としてふさわしくない発言です。もっとも公募区長の中には前身時代や就任後の言動を批判されていた人物もいるようですから、この区長のような人物がいても不思議ではないかも知れません。
ところが意外なことに橋下市長はこのことについては、かなり強い姿勢で批判し、「区長は一般職で公選職でないから、僕と同じやり方はできない。有権者へのアホとかバカという言葉遣いは行政職としては許されない」と述べ、処分を検討する方針を示したそうです。
私は法律に関しては疎いので、なぜ公選職の知事や市長がツイッターでアホとかと言っても許されるのに一般職の区長には許されないのか分かりません。もっとも私的なものであるにせよツイッター上でアホとかバカとか罵るのは、知事であろうと市長であろうと区長であろうと下品で良くないことと思います。ただ橋下氏の場合は、これは育ちからくる身に付いた性癖ででどうしようもないことかも知れません。
当の榊区長は「問題と言われるなら問題かもしれない。ただ私的なツイッターであり、特定の人にアホと言ったのではない」とわけのわからないことを言っているようで、さらに「(ツイッターには)変な人や行儀のよくない人達がいっぱい来る」と話したそうです。それは事実でしょうが、自分もその「行儀のよくない人」のうちに入っていることに気づいていないのが滑稽です。この人物はニュースにはならないでしょうが、これからも区長として何かと問題を起こすような気がします。淀川区民や区役所の職員のためにはそういうことがないように願います。
新区長の前身は様々ですが、橋下市長は「多彩な顔ぶれがそろっている。よく言えば個性豊か。悪く言えばバラバラ」と自ら面接に立ち会った、24人の新区長をこう評したとのことです。しかし行政経験のない人物が多いだけに、手腕を不安視する向きもあるようで、公募区長の論文選考や面接に携わった前横浜市長の中田宏氏でさえ「このメンバーを選んだのは橋下市長の大英断。私だったら怖くてできない」と打ち明けるほどだそうです。