最近孫の手を使うことが多くなり、毎日のように肌を掻いています。高齢者が皮膚のかゆみを訴えることは多く、一般には老人性皮膚掻痒症と言われていますが、私の場合もそうなのだろうと思います。肌は年とともに水分、皮脂が減っていって、皮膚の保護能力が減り、刺激でかゆみとなるのだそうで、手足、腰、臀部、肩甲骨の部位、背中、腹部が主にかゆくなるようですが、私の場合もそうです。入浴したり、夜布団に入ったりして体が温まってくると、あちこちがかゆくなります。掻くと気持ちが良いのですが掻き過ぎると血が出たりしてよろしくありません。
背中がかゆい場合には手が届かないことが多く、かえってかゆみが増すように思います。かゆいところにはポイントがあって、そこに指が届かないとすっきりしません。家族がいれば掻いてもらって、ポイントに嵌ると「ああ、そこ!そこ!」とうっとり満足します。独りではそういうわけにもいかず、そこで孫の手の出番になるわけです。
孫の手は中国や欧米などの外国にもあって、いつ頃どのようにして発明されたのかは分かりませんが、まさに「かゆい所に手が届く」もので簡単で素晴らしいと思います。かゆいということは犬や猫にもあるようでよく掻いていますが、人間も原始の時代からかゆみには悩まされていて、木の枝を使ったりして掻いていてそれが進化して孫の手のようなものになったのだろうと想像します。
孫の手は今では百円ショップなどで簡単に買えます。前に中国に行ったとき、ツアーのバスがある町に停まると、物売りが押し寄せて来て、その中に孫の手を束にして持ち、売る者がいましたが、そんなものは日本では珍しくないので誰も買う者はいませんでした。見学が終ってバスに戻るとまたやって来て、「10本千円」と叫ぶので可笑しく思いました。中国の町の物売りは日本人には何でも千円と言って売るので「千円屋」と言うのだそうですが、孫の手を10本とは誰も買わないでしょう。
孫の手は便利なものですが、それよりもかゆいのを抑えることができたらと思います。運動不足も原因の一つらしいのですがそれは思い当たります。