熊谷三郎徒然日記(gooブログ版)

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シルバーウィークも後半に

2009-09-22 05:19:05 | 日記
 シルバーウィークというネーミングは言い得て妙だと思いますが、名付け親はと探してみました。
以下フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』からの引用です。
<2008年11月に「9月の連休を命名するとすれば?」というアンケート結果がテレビなどで放送された(三菱電機ビルテクノサービス調査)。1位となったのがシルバーウィークで、国内外ツアーを企画する旅行代理店などがこの言葉を使い始め一気に定着した。命名の理由としては、金に対しての銀のほか、連休の中に敬老の日が含まれているため、高齢者を象徴する和製英語のシルバー(シルバーシート、シルバーパス、シルバー人材センターなど)という意味も含まれている>
 管理人のシルバーウィークは1日目が上期決算の関係で休日出勤、2日目が熊谷能鑑賞、3日目が初孫送迎でした。比較的好天に恵まれて過しやすい連休ですね。
 今日は熊谷能のお話です。演目は舞囃子「高砂」狂言「膏薬練」能「安達原」でした。高砂は結婚式などでも披露される「高砂やこの浦舟に帆を上げて・・・」の舞いです。
 膏薬練は
 都に住む膏薬煉は鎌倉に腕のいい膏薬煉がいると聞き、鎌倉へと向かう。一方鎌倉に住む膏薬煉も都に腕のいい膏薬煉がいると聞き、都へと向かう。途中二人は出くわすが、互いに名人を自認する二人は自分の膏薬の方が優れていると言って譲らない。二人はそこで互いの膏薬を比べあうことにする。まずは系図比べ。鎌倉の膏薬煉は先祖が走る馬を吸い寄せたと語ると、都の膏薬煉は数千人で運んだ石を吸い寄せたと言う。次に薬種を比べあうが、こちらも互いに珍しい薬種で両者は一歩も譲らない。そこで二人は実際に吸い比べをして、優劣を決めることにする。
 双方の吸い比べによって優劣を決める場面が、ユーモラスで動きのある舞台で面白かったですね。
 安達原は能の傑作のひとつにあげられるものだそうです。
画像

あらすじを「さくらめいと」のページから引用させていただきます。
 熊野の山伏祐慶一行は巡礼廻国の旅の途中人里離れた荒野、陸奥国安達原へと着く。
 やがて日が暮れ、行き暮れた祐慶一行が荒涼たる野中の一軒家に宿を乞うと、庵に一人ひっそりと暮らす女は一度は断るものの一行を庵に招き入れる。
 庵の内にふと見慣れぬものが祐慶の目に留まった。その名を問うと、女はこれは賎が女が繰る枠桛輪だと答え、賎が業を人目に触れさせることを恥じつつも、祐慶に乞われるまま糸を繰る。月の光が庵の内へ静かに差し込む中、女はかつての生活を懐かしみ、儚いこの世に浅ましくも糸を繰って明け暮らす憂き身を嘆いて、糸尽しの唄を歌い、なおも糸を繰る。
 やがて秋の夜寒が身に沁みてきた。女は暖をとるため山へ薪を取りに行くというが、決して自分の留守中に閨の内を覗かないようにと固く言い置いて山へ向う。
 山伏に同行していた能力が、好奇心を抑えきれず、祐慶の目を盗んで閨の内を覗き見ると、そこには夥しい数の死体が山と積まれていた。驚き慌てた能力が祐慶に報告すると、祐慶は此処こそが鬼が出るという安達原の黒塚であったかと驚き、一目散に逃げ去る。
 裏切られたと知った女は鬼女となり、鬼一口に喰おうと鉄杖を振り上げ、山伏たちに襲い掛かる。山伏と鬼女は激しく死闘を繰り広げるが、ついには鬼女は山伏の法力に祈り伏せられるのだった。
 人間が潜在的、普遍的に持つ孤独感や二面性、あるいは罪業といった心の闇の部分を前シテが繰る枠桛輪を象徴的に使って描いた傑作能。前半の身に染み入るような秋の夜の静寂さと後半の激しい動き、鬼女の怒りと悲しみとが対照的である。
 能を観るのは初めてでしたが、人間のもつ業の深さを非常に簡潔に凝縮して表現していたのではと思いました。毎週かかさずNHKの「日本の伝統芸能」を録画して見ていますが、今度は幽玄な世界を演じる薪能で観てみたいものです。