斉藤うめ子ブログ

新しいニセコの街づくりにとりくみます

女性と政治 Ⅱ

2015-01-05 21:48:22 | 政治
1月4日に毎日新聞朝刊くらしナビ・ライフスタイルに掲載された記事を
2回に分けて紹介したいと思います。

ガラスの天井3 女性と政治

公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センターが、統一地方選の年ごとに
調べた、地方議会への女性議員の進出状況によると、女性議員の割合が初め
て10%台にのったのは2007年。前回11年の選挙後では11.1%と、少しずつ上昇
しているとはいえ、地方参政権を得てからすでに70年近くたち「50%に達する
にはあと何十年かかるのか」と、久保公子事務局長はため息をつく。
 地方政治への女性参画がこれほどまでに進まないのはなぜなのか。

●応援できない事情
 豊かな自然に囲まれ、パウダースノーが売りのスキー場など、海外からも
多くの観光客を集める国際的な観光地、北海道ニセコ町。人口5000人弱の町に、
昨年度は約157万人が訪れた。
 この町の議会で唯一の女性議員、斉藤うめ子さんは、この地をついの住み家
として8年前、神戸から移り住んできた。
 移住してきて最初にあった統一地方選(07年)で、町議選は無投票。
女性議員はゼロだった。「男女平等」を会話に持ち出すと、町の開放的な
イメージとは裏腹に「男女平等になってどうするの」「男性を外で立て、
家で女性が実権を握るものでしょう」と、町の女性たちに言い返され、驚いた。
「自分が議員になって、この町の状況を変えるしかない」。10年秋に、
次の町議選に出ることを決意した。
 最初に立ちはだかった壁は、家族である4歳年上の夫。普段は男女平等を尊重
していたはずだったが、選挙への決意を告げると「実力も能力もないのに、
立候補してどうするんだ」と批判された。反対を振り切り、自分の蓄えから
選挙費用を出し、立候補した。
 そもそもが「よそ者」で「女」。自治会の役員をしたこともなく、支援団体もなく、
地域の顔役が議員をつとめるこの地域で、周囲には全く無謀な闘いにみえた。
 「恥をかくだけ。立候補はやめた方がいい」と知人からは面と向かって諭され、
町を歩けば「あなたを応援したら地域でやっていけなくなる」「口をきけば、
あなたを応援していると誤解される」とまで言われた。
 立会演説会に来たのは元々の支援者3人だけ。「票読み」は全くできなかった。
 しかし、ふたを開けてみれば189票を取り、11人中7位で当選。選挙後、
複数の男女から「あなたに入れたのよ」と打ち明けられた。当選までの壁は分厚く
みえたが、自分の知らないところで「女性」や「よそ者」への期待があることを感じた。
 「女性議員がいることで少しずつだが町の意識が変わると思う」。斉藤さんは
再選を目指し、今春の統一地方選に向けて準備を進めている。